専門コラム 第68話 北欧の暮らしから学ぶ快適な部屋づくり
短い夏と暗く薄暗い冬が続く北欧諸国の気候。
室内で過ごす時間が長く、お部屋は居心地の良さに重きをおく特徴があります。
そんな北欧の暮らしには、私たちも学ぶべきところがたくさん。
そこで今回は、北欧のライフスタイルに学ぶ部屋作りの考え方についていくつかご紹介いたしましょう。
北欧の暮らしから学ぶ快適な部屋づくり
1. 価値あるモノを長く使う
家具にはお金と時間をかける傾向にある北欧諸国。
長い時間を一緒に過ごす家具は、機能的で美しく、長く使えるものを時間をかけて選ぶと言われています。
そのような家具はけして安くはないですが、良いものを育てながら使うことは、人生を豊かにするだけでなく次の世代にも引き継ぐことができると言います。
人の手を渡り歴史を刻んだ家具は、傷ひとつとっても味わい深く、その佇まいは空間にゆったりとした落ち着きをもたらしてくれるのです。
反面、北欧では古い物を大切にしながらも、新しいものを取り入れるのも上手です。
家にいる時間が長いからこそ機能性を重視し、新しい技術やモダンデザインも積極的に取り入れる。
そんな柔軟な姿勢も、お部屋の快適性を高めているんですね。
2. モノは多すぎず少なすぎず、ほどほどに
モノを増やすと片付けや管理で時間が削られるだけでなく、北欧インテリアの特徴でもあるスッキリとした暮らしとはかけ離れてしまいます。
そこはスウェーデンの哲学「Lagom(ラーゴム)=「多すぎず少なすぎず、ほどほどに」の精神で、モノを増やしすぎない暮らしを意識してみませんか。
たとえばアップサイクル文化の北欧では、自ら修理やリデザインすることも日常的。
捨ててしまう前に、自分で手を加えることでより愛着ある物にアップデートします。
また使わないものは誰かに譲る、必要以上に買い足さないことで、時間や暮らしの余裕も生まれます。
3. 日常に自分なりのヒュッゲを取り入れる
日常で感じられる居心地の良さや快適さを意味する「Hygge(ヒュッゲ)」は、デンマーク人にとって大切な言葉です。
ヒュッゲの精神は、北欧の部屋づくりにも大きく反映されています。
たとえば、大切な人を招いて過ごす時間や家族そろっての団らんに、キャンドルを灯したり、照明の灯りを調節してみたり。
そんな小さな幸せを日常に見つけることが、とても大切にされています。
自分がいいと思ったものだけを揃え、大切な人と過ごす時間に高い価値を見出すこと。
心をふんわりと幸せにしてくれる、素敵な考え方だと思いませんか。
いかがでしたか?
決して華やかではないけれど、周りに左右されることなく、自分の価値観を大切にする北欧のライフスタイル。
日常に感謝しつつ小さな幸せに目を向けることは、忙しい毎日でつい忘れてしまいがちです。
しかし気付くことで、今日からできることでもあります。
北欧の人々の暮らし方をヒントに、私たちも心地よい部屋作りを心掛けていきたいですね。
もともと技術的なことが大好き。
前職は医薬品の工程設計や設備設計に携わり、実際にモノづくりの現場を経験しています。また、技術資料も日常的に制作していました。
そこで培った解析力をもとにお客さまの会社や製品の技術的な良さ、魅力をわかりやすく整理し、デザインを通して発信いたします。