専門コラム 第29話 お部屋をおしゃれに見せるバランス学
眺めるだけで心が浮き立つアイテムで、インテリアを彩ることってとても大切です。
お気に入りのモノが傍にあるだけで、満たされる気持ちになりますよね。
だけどそのディスプレイが他の人から見て「素敵だな」と感じられていないとしたら?
そこで今回は、ディスプレイを中心にお部屋を美しく見せるバランスについてお話します。
お部屋をおしゃれに見せるバランス学
1. まずはフォーカルポイントを確認
インテリア業界では、空間で視線が集中する場所を「フォーカルポイント」と呼びます。
たとえばリビングならドアから見た対面側のコーナー、和室なら飾り棚や床の間、玄関ではシューズボックスの上部分やニッチ(壁の厚みを利用して設ける飾棚)、寝室ならベッドのヘッドボード側の壁面などに当たるでしょうか。
フォーカルポイントには、インテリアスタイルにあったアートや鏡、観葉植物、照明などを設置することでグッとメリハリのある空間に見せることができます。
「なんだかインテリアがビシッと決まらない」とお考えの方は、まずはこのフォーカルポイントを改めて確認してみることをおすすめします。
2. インテリアテイストにあったアイテム選び
フォーカルポイントには、お部屋のインテリアスタイルにあったアイテムを選んで統一感を。
たとえばテーマが「ビーチリゾート」ならば、ガラス製のボトルやプレート、貝殻や流木を使ったオブジェも良いですね。
小物と一緒にイメージに合った絵画を掛けると、より印象的なコーナーを作ることができます。
ただディスプレイで気を付けたいのは、小さなサイズの小物をたくさん置かないこと。
それだけでお手入れもシンプルに、見た目も上質に見えますよ。
3. 配置法よりも全体のバランスをチェック
ディスプレイの基本とされているのは、シンメトリー(左右非対称)か、海外でよく見られるアシンメトリー(左右対称)が代表的。
ですが、それに縛られる必要はありません。
どうしても気になる方は、背の高い花器の下には背の低い小物を配置するなど「高低差をつける」、またはクラシックな印象にしたいなら「左右対称に同じアイテムを配置する」などざっくりでOK。
むしろ決められた配置法よりも、フォーカルポイントに使った色や素材が、バランスよくお部屋にちりばめられている方がポイント。
そうすることで他の部分にも視線が行き渡り、全体的におしゃれな印象を与えてくれます。
3. 配置法よりも全体のバランスをチェック
ディスプレイは、2~3色と少ない色数に絞るのもポイントです。
特にナチュラル系は同系色だけだと、せっかくのお気に入りたちも平面的に見えがち。
そんなときはこんな組み合わせがおすすめです。
- 光沢のある素材とラフな素材
- 古いものと新しいもの
- 同色でも強弱をつけた色選びをする
上記のようなコントラストを意識することで、より奥行きのあるディスプレイを作ることができます。
いかがでしたか?
まずフォーカルポイントで視線を惹きつけて、よく見ると全体的に統一感が感じられる、というのがおしゃれな空間作りのバランス。
ワンランク上のお部屋作りを目指す方は、ぜひ改めて見直してみてはいかがでしょうか。
もともと技術的なことが大好き。
前職は医薬品の工程設計や設備設計に携わり、実際にモノづくりの現場を経験しています。また、技術資料も日常的に制作していました。
そこで培った解析力をもとにお客さまの会社や製品の技術的な良さ、魅力をわかりやすく整理し、デザインを通して発信いたします。