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専門コラム 第158話 違いを伝える重要性とレターを使ったリストの増やし方のアイデア

  

先月は主にニュースレターの基礎について、コラムを投稿してきました。

 

記事は少しでも役立っているでしょうか?

 

今月どの程度まで深掘りしていくかは未定ですが、先月に続き、取りこぼしたレター・ネタを書いてみたいと考えております。

 

そんなことで、今日は手紙を使った「あなたリストの増やし方」のアイデアについて見ていきましょう。

  

  

違いを伝える重要性とレターを使ったリストの増やし方のアイデア

選択基準を伝えることは、ある層の顧客を切り捨てること

   

ビジネスでは顧客やクライアントに対し、選択基準を伝えることが重要です。

 

仮にそうでなければ、お客様は何を基準にサービスやプロダクツを選べば良いか、さっぱり掴めないからです。

 

でも机上のマーケティングを考える上では基本でも、実際に営業の場面では、意外にこのことを忘れてしまいがちです。

 

そして更に重要なこととして、選択基準を伝えることは、ある層の顧客を切り捨てることに他ありません。

 

たとえば「住宅を選ぶ際に価格の安さを第一に考えている場合は、残念ですが私どもの作る家は、お客様のお役に立てない可能性があります」

 

「ただ選ぶ家の価値基準を〇〇に置いている場合は、あなたが検討すべき要素を提案できそうです」

 

上記は「if-then型」と言われるセールスメッセージで、「もしあなたが〇〇だったら、△△です」と、買い手に選択基準を伝えるやり方として、ごく典型的な例です。

 

これをマーケティング用語では、セグメンテーションなどと言います。

 

セグメンテーションとは、簡単に言うと、顧客をさまざまな切り口で分類する一つの考え方です。

 

つまり、違いを伝える=ある層の客を切り捨てることは、マーケティングで言えばその初期の段階から、ごく自然に行われていることです。

 

しかし営業の場面で「if-then型」のセールスメッセージを伝えることは非常に稀です。

 

仮に上記のようなメッセージは、住宅展示場や見学会にお越しの初対面の方に、営業は絶対に口にはしません。

もしそんな行動に出たとすると、「勘違いも甚だしい」とお客様から切り捨てられてしまうでしょう。

 

ただ矛盾するようですが、私たち売り手側が、見込み客を選ぶとは、本来は見込み客のためにも最初にしなければいけないことなのです。

 

そして優秀な営業ほど、この判断が「静か」で且つ「早い」というのも事実です。

これを営業では「見極め」と言います。

  

  

時間とチャンスの無駄遣いの最たるものとは?

  

つまり顧客を絞ること、「見極め」ることは、セールスではごく普通のことです。

 

ただ営業という職業柄、マーケティングのように、これ見よがしに、お客様を切り捨てることはしない訳です。

 

しかし『ハイパワー・マーケティング』(旧著:金森重樹 監訳)の14章「可能性の高い見込み客を特定しよう」にも書かれているように、このような行動から、何も生まれません。

時間とチャンスの無駄遣いの最たるものは、見込み客になりそうもない人をターゲットにすることだ。

確実な見込み客を追い求めず、クライアントになるか疑わしい人を追いかける・・・(P.242)

ハイパワー・マーケティング』(旧著:金森重樹 監訳)

  

また現役の頃の営業会議で

きみの営業は、可能性の薄い見込み客とダンスを踊っている・・・

と、支店長に揶揄された記憶が蘇ってきますが、特に注文住宅の場合は、掛けられる予算面で、引き合わないお客様を、絶対に深追いなどしてはいけません。

 

新人のうちは、そんな人のほうが話しやすいこともあって、つい意味のないダンスを踊ってしまうでしょう。

 

しかしそういう人を相手に面談ポイントを稼いでも、「時間とチャンスの無駄遣いの最たるもの」で終わってしまいます。

 

ただ顧客を「見極め」ることでリストを刷新することは重要ですが、リスト名簿が減ってしまうばかりでは意気消沈してしまいます。

そこで必要なのが、新たなリスト客を増客できる仕組みを構築することです。

  

   

レター・マーケティングによるリストの増やし方のアイデア

  

実はこれも、名著『ハイパワーマーケティング』に公開されているもの。

 

場所は先程の 14 章に、「見込み客をクライアントに変身させた実例」(P.250)として、「ある建築家の例(P.252)」が紹介されています。

 

小売店舗の改装を専門とする建築家に、私はこう助言した。

「地元にある、大手小売チェーン店のオーナーすべてをターゲットにするように」

その後 1 年間、彼女は 100 店舗のオーナーに向けて一生懸命にセールスレターを書き続けた。

店舗を魅力的にする方法、入りやすい店にする方法、店と商品に愛着を感じさせる方法について、毎月、手紙で彼女自身の見解を披露したのだ。

ダイレクトメールの送付を始めてから一年も経たないうちに、大手チェーン店 10 店舗が彼女のクライアントとなり、収益は年間 100 万ドル以上増えた。

ハイパワー・マーケティング』(旧著:金森重樹 監訳)

 

ここでのセールスレターとは、本コラムで言うところのニュースレターと、ほとんど同義と言えます。

 

なお客層を、特定ジャンルのビジネスオーナーに据えるメリットとしては、価格の面では意外にシビアなのですが、予算面が合わないリスクを比較的軽減できます。

 

しかも、手紙の内容がしっかりしていれば、意外にも心して読んでくれる方が多いこともメリットの一つです。

 

また会社経営者は不動産に関心が高い方も多く、質の良い仕事で応えれば、必ず次の仕事も相談されるということも大事なメリットです。

そのため品質の高い工務店のほうが、どちらかと言えば合っているでしょう。

 

今回は紙面の都合から、アプローチの手順など、色々解説できませんでした。

 

ただ新たなリスト客を増客できる手段として、ニュースレターが無限の可能性を秘めていることが伝わったのではないでしょうか。

 

機会があれば、ビジネスオーナーに対するアプローチの手法についても触れてみますね。

 

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。