専門コラム 第5話 設計依頼
設計依頼
注文住宅営業の勘所は、ユーザーからプラン作成依頼を取り付けることです。
ただし住宅会社によって、敷地調査報告を客前でやらない会社もあります。
そうなると「プラン要望確認〜引き合い(設計依頼)」にスムーズに持ち込むことこそ、「営業の勘所」の勘所と言えましょう。
要望は聞きすぎてはダメ?
ヒアリングシートのメリットと、注意すべき「落とし穴」とは?
プラン要望確認とは、住宅営業では欠かせない「図面による打ち合わせ」局面(フェーズ)に進むための打ち合わせです。
現在の注文住宅の打ち合わせ現場でプラン要望を聞き取るには、ヒアリングシート(要望聞き出し用に使う用紙)を使うケースが圧倒的に増えており、かつてに比べて非常に便利になりました。
まだ自前のシートを用意していなければ、ネットで公開・ダウンロードできるヒアリングシートがありますので気に入ったものを使ってみると良いでしょう。
ヒアリングシートは
- 次回の打ち合わせは「プラン要望の聞き取りをするのだな」とお客様に対する一種の念押しになる
- シートに予め要望をまとめておくことで、家づくりへの思いが整理できる
など、様々なメリットがあります。
特に住宅の折衝は1社単独で進む訳ではありません。
タイミングは違えど、ほぼ同時期に競合会社の打ち合わせも進んでいます。
次回の打合せが「プラン要望の聞き取り」だと意識づけさせることは、双方にとっても好ましいことです。
ただしヒアリングシートの中には、本当に「そこまで聞き出して大丈夫だろうか」と首を傾げてしまうものもあります。
ヒアリングシートで一番やっていけないことは、要望を膨らませ過ぎることです。
特に資金計画の段階で、過度な提案は出来ない(予算が少ない)お客様に対しこれをしてしまうと、プラン自体が過剰提案に陥る可能性がありますので注意が必要です。
プラン要望聞き取りで、もっとも大切なこと
実は要望聞き取りで大事なことは「要望に応え過ぎず、こちらのペースでプラン(設計)をまとめてしまうこと」です。
矛盾するようですが、ヒアリングシートで聞き出した要望に、全て応てはいけません。
プラン(設計)を“まとめてしまう”と書くと印象は良くありませんが、はじめから「予算オーバー必定」と分かり切ったプランを提案してしまうから「〇〇ホームさんの家は私たちには高過ぎる」と思われてしまうのです。
逆に会社として提案したい設計プランは「実はこんな方向性です」と、プロの視点で考えた意見を総合的にラフイメージなどで示してあげればどうでしょう。
実は本当の提案力とは、お客様がまだ気づいていない潜在的要望をどうやって引き出すかにあります。
注文住宅の面白さはまさに此処にあります。
実際のプラン提案では、全て要望に応えたプランと「提案型プラン」の2つをお見せすれば良いでしょう。
特に他社より割高になりがちな住宅会社には、このような攻め方をして欲しいものです。
もちろんこれを実現するには、敷地調査や資金計画の段階で、お客様の潜在的要望を見抜く眼力が必要です。
ただこれも、経験を積めば誰にでもできることです。
○○○○を積極的に活用する
さらに付け加えると、要望確認で大事なのは一種の気分の“盛り上がり”を作ることです。
そのため聞ける要望には積極的に応えてあげます。
それと自社の現場写真を上手く使い、イメージを引き出すことも大事です。
これはホームページ上で公開しているデータでも構いません。
こういう写真が豊富にあれば会社が施工した住宅の魅力を伝えられますし、打ち合わせ現場も“盛り上がり”ます。
住宅会社は視覚に訴えられるフォトデータの管理が大事です。
日頃から良いデータを確保できるように注意してください。