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専門コラム 第3話 敷地調査

                                   

敷地調査

敷地調査とは住宅会社や設計事務所等が住宅プランを作る前段階で、顧客の住宅建築地について様々な観点から調査し、これを報告書などにまとめることを指します。

ここでは敷地調査が住宅会社に必要なのか、その理由を解説してみます。

          

敷地調査が注文住宅営業に必要な理由とは?

敷地調査ってどういう手続き?

もともと設計事務所では、各種法的チェックを設計前のルーティン業務として行なっています。

そして大手ハウスメーカーなども営業メニューの一環として取り扱ったのが、いわゆる敷地調査の始まりです。

             

なお当然ですが、住宅の設計は建築法規を無視してプランニング(設計)はできません。

そしてどんな会社でも、確認すべき建築法規チェックを済ませ、設計業務に進んでいることはお忘れなく。

                

ただし住宅会社によっては、特に敷地調査報告をやらず、プラン要望のヒアリング進む会社もあります。

これは結果的に、見込み客に早くプランを見せるためでもあります。

                

ただ設計提案力の強い会社ほど、敷地調査を「営業の武器」として扱っている会社も多く、会社独自のフォーマットに内容をまとめて、顧客に報告書を提出する会社もあります。

            

この記事でも敷地調査を、注文住宅営業のメニューとして扱うことにしましょう。

                     

敷地調査報告書はどうのうように作られるの?

では、敷地調査はどうのうように進められるでしょう。

敷地調査はもちろんお客様から聞いた建築予定地に出向くわけですが、その前に市区町村役場の関連部署(建築指導課、都市計画課など)や水道部、電力会社、法務局に赴き、事前に聞きとれる情報(下記の4つのうち、1、4の情報)を先に集めておきます(これを役所調査“役調”と言う場合もあります)。

             

そして現地に出向き、実際にスケールやレベルを当てて測量や高低差チェックなどをして、2、3の情報を集めます。実際このぐらい細かく調査するかは、会社の営業方針や物件の規模によっても違いはあります。

         

【敷地調査の主な調査項目】

  • 1)法的条件:建築基準法、民法、都市計画法、居住誘導区域、建築協定
  • 2)社会的条件:環境、隣家との関わり、道路(接道状況)、公共交通の便、施設
  • 3)自然条件:地形、(地耐力、地質)眺望、高低差、日当たり、通風、敷地内の既存建物
  • 4)その他:水道、ガス、電気などのインフラ

             

これらの情報を整理し、各々会社のフォーマットにまとめて敷地調査報告書が完成します。

(敷地調査では敷地内の既存建物の面積も調べますので、解体の見積もりも事前に分かります)

         

なお敷地調査と地盤調査を混同する方もいるようですが、両者は根本的に別の次元の調査です。

        

というのも、地盤調査で地耐力を見るには、建物の配置を決定しなければならないからです。

そして建物配置に応じた測量ポイントで、地耐力等を計測します。

          

従いまして、住宅会社の社員がサービスで設計前に行う「スエーデン式サンディング試験」は、敷地の地盤が固いか緩いかの参考にはなりますが、あくまで付随的なサービスだと考えた方が良いでしょう。

           

「営業の武器」としての必要性とは?

先程、敷地調査を「営業の武器」として扱っている会社もあると書きましたが、敷地調査はどういう点で「営業の武器」として利用できるでしょう。

          

  • 丹念な敷地調査は、顧客から住宅会社としての信頼度が高められる
  • どう言った住宅が提案出来るか、プランニングを先行して考えられる

という点です。

                

二つ目に関しては、資金計画はまだ行っていなくても、住宅営業なら顧客の職業などから凡その年収は想像できるでしょう。

そしてどのぐらいの規模の住宅を計画しているかは、敷地の特性(法的制限)や、展示場来場時などから好みの車種などが分かれば、顧客がどのようなライフスタイルを希望しているか、大体のイメージは可能です。

               

プランがかける営業マンなら、既にこの段階でラフ案を書き始める者もいます。

        

もちろん、それは見せるために描くのではありません。営業の攻め方を考えるためにプラン作成を先行しているのです。

       

敷地調査をただの報告で終わらせるか、「営業の武器」として使うのかでも、営業の結果は大きく異なります。

敷地調査をプラン要望確認の前に実施している会社は、敷地調査を「営業の武器」としてぜひ活用してください。