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専門コラム 第293話 良い営業レターはお客と面談せずとも売れる!

    

今回の営業応援コラムは、このコラムの中心を成すニュースレター、営業レター、そして営業ツールというものも威力についてまとめてみます。

 

内容は、良い営業レター・営業ツールは「お客と面談せずとも売れる」ということ。

これは先日上げたコラム、『自分のやり方を早く見つけた者が勝つ』で言い足らなかった事を書いています。ですから例のコラムと併せて咀嚼くださるとなお良いと思います。

それでは、進めていきます。

  

良い営業レターはお客と面談せずとも売れる!

1 初期折衝に筆者が比重を置く理由とは?

 

本題に入る前に説明しておきたいことがあります。
それは筆者の応援コラムが「なぜ初期折衝に、そんなに比重を置くのか」という疑問です。

初期折衝とは、敷地調査やプラン打ち合わせに入る前段階を指します。
別の言い方をすると、その期間は、お客さまとの間にまだ信頼関係が築けていません。

信頼関係が形成されておらず、勢いだけで敷地調査、プラン打ち合わせに入ってしまうとどうなるか? 
もちろん、それで売れない・あるいは契約できないことはありません。

ただそこに至るまでの間に、営業はひどく疲弊してしまう。
小野氏の言葉を借りるとすれば、

お客さんというのは、こちらのことをほとんど理解していないものです。

理解されていない状態で売ろうとするから売ることにとんでもなく苦労する。

そうです。信頼関係が形成されていなければ、営業はとんでもなく苦労するんです。

また、せっかく何度もプランを組んで提案しても契約できないこともあります。
まさに注文住宅の契約は、30:70はありません。すべてゼロか100の世界です。

筆者も新人と言われた時期は、プラン・見積もりを急いで出していたと思います。そしてこれこそ「住宅営業の仕事」と勘違いしていました。
しかしキャリアを重ねていくと分かります。信頼関係が築けていないのにプラン・見積もり出す事の愚かさを。

それが分かってから、筆者はお客さまとの間に信頼関係が築けていなければ、プランも見積もりも書きません。
逆にお客との間に信頼関係が出来ていれば、余程のことが起こらない限り、契約までスムーズに運びます。たとえ競合が入っていたとしても、その競合が多くのケースで当て馬にされている場合が多いからです。

もうお分かりでしょう。
営業の本当の仕事はプラン・見積もりを急いで出すことではありません。
これらは場数次第で、誰でも自然に上手くなります。言い方は悪いですが、遊んでいても上達します。

ところが、そう簡単に行かないのが信頼獲得です。
そこで自作のニュースレターや営業ツールがモノをいうのです。

    

2 飛び込みの際に起きたあるエピソードから学べること

 

では、理解されている方も多いと思いますが、良い営業レターは「お客と面談せずとも売れる」という本題に入ります。

良い営業レターとは、たとえば新しい担当地域に飛び込み訪問をする。その際に持参する手作りチラシなどもその一つです。

そして飛び込みをすると分かることがあります。
それはチラシを自分で作る営業マンは、異常に少ないという事実です。

飛び込みを推奨する大抵の大手メーカーでも、飛び込む際のチラシを会社で用意していることが多いからかもしれません。筆者も飛び込みをする際、初めに持って出たのは、会社が作った簡易パンフと飛び込み用の名刺でした。

ただ筆者より一つ先輩に、ホテル業界から転職した、ちょっと人と違う事をしたがる(?)方がいました。以前にこのコラムでも紹介し、現在は小さな工務店を運営しているのがその方です。
彼もはじめは、会社が用意したチラシを持って飛び込みに出たのでしょう。ただ、この会社で用意したチラシでは、いつまでも展示場には入れないだろうと思い、ある事を実行します。そのある事というのが、手作りチラシです。

その数日後、彼が作ったチラシに反応した男性が、私たちの事務所にあらわれ「このチラシを作った営業マンはどなた?」と尋ねるなり「実は彼に、私たちの家づくりをお任せしたい」と言ったのです。 この方が、先輩が初受注したお客さまです。
それ以来、先輩は社内で頭角を現します。その後この先輩には、様々な面で筆者も影響を受けることになります。

  

3 信頼とは自分が語ったものだから形成する

 

先輩が作ったチラシには、言葉による情報が記載されていたはず。
そしてその手作りチラシを手に事務所にあらわれた方は、チラシに書かれた文章により、先輩への信頼や興味を抱くようになったことは間違いありません。

ここから分かることは何か? 

それは信頼の構築は、いわば難問中の難問。
ただ予期せぬことで、いとも容易くほどけることがある。
そのきっかけとなるのが、営業マンが自分でこしらえたツール(会社または他人によるツールなどではなく・・・)だということ。

シンプルに言うと「信頼とは自分で語ったものでなければ形成されない」。こう考えるしかないでしょう。

実は、筆者は自前のニュースレターを発行するようになってからも、時間が許す限り、週に何日間かは飛び込みによる地域開拓をやっていました。そして、そのとき役立ったのも自作のチラシです。

そしてこの自作チラシをばら撒くと、ほとんがポスティングによる日中不在宅から、小工事や外構リフォームの問い合わせが相次ぎました。
ただ不思議なのは、手作りチラシに書いたレターは、どう見てもマーケティング的に効果がある文章なんかではありません。どちららかと言うと、それは平凡な自己紹介の文章です。それなのに、妙に反応が良かった。一体その原因は何だったのか。

これについては次回のコラムで、仮説を立てられればと考えています。

  

 

  

   

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。