専門コラム 第60話 自社のウェブサイトを大改革!コンテンツマーケティングへの取り組み(1)
唐突ですが、皆さんはコンテンツマーケティングという言葉を知っているでしょうか。
もしかしたらコンテンツマーケティングは分からなくても、オウンドメディアマーケティングなら馴染みがあるという方が多いかもしれません。
本コラムでも、数回に分けてコンテンツマーケティングについて解説してみようと思います。
営業とマーケティングは別物という考えもありますが、コロナ時代になり、マーケティング(自社のファンを数多く集めること)と営業とは、ある意味で切り離せないものになりつつあります。
また、こういう時こそ普段気にかけないことについて、しっかり学ぶことも必要だと考えました。
さらに今すぐ力にならなくても、コンテンツマーケティングを知ることは、集客や営業を見直す意味で重要な意味を持ちます。
「コンテンツマーケティングならもう知っている」という方も、復習の意味で読んでいただければ幸いです。
自社のウェブサイトを大改革!コンテンツマーケティングへの取り組み(1)
コンテンツマーケティングはブログなど特定のウェブメディアに限られたものではない
あらためてコンテンツマーケティングとは何か。
コンテンツマーケティングで最も有名な日本のメディアに、株式会社ルーシー(Lucy)が運営するブログサイト「バズ部」があります。
「バズ部」の解説を引用すると「対象ユーザーに対して高品質なコンテンツを提供し、ファン化を促進することで多くの収益を獲得するマーケティング手法※1」とあります。
またコンテンツマーケティングは、ブログや動画など特定のメディアに限られたものではないことも、日本では意外に知られていません。
有名な話ですが、コンテンツマーケティングの起源は、今から100年以上もむかし、アメリカの農機具メーカー「Deere & Company」が1895年に創刊した「The Furrow※2」という雑誌にあります。
この雑誌はメーカーの商品やサービスの売り込みは一切せず、農家への情報提供が主な目的で、当時の最新の農業技術や、農家として成功するための秘訣など、優良なコンテンツを中心に編集されています。
そして「The Furrow」は今もなお読者から愛され、現在40カ国以上の国々で農業従事者から親しまれる人気雑誌として発行が続いています。
つまりコンテンツマーケティングは、オンライン、オフラインを問わず、言葉を媒介とする全てのメディアを対象としており、オウンドメディアマーケティングのように、ウェブ媒体を対象とした「コンテンツSEO」とは、広い意味では異なります。
その意味では、ハードコピーのニュースレターなども、広義のコンテンツマーケティングに含まれるということです。
日本ではこの辺りを混同している方が多いようなので、コンテンツマーケティングを理解する上で気を付ける必要があるでしょう。
※1(参考サイト) コンテンツマーケティングの進め方|弊社が広告費ゼロで10倍の売上を達成した手法 (https://bazubu.com/contentmarketing-14765.html)
※2(参考サイト) The Furrow (https://www.johndeerefurrow.com)
コンテンツマーケティングは読者の生活の質を上げることが最終目的
では、実際にコンテンツマーケティングを配したブログサイトの事例を2つばかり紹介しましょう。
事例といっても、冒頭でも紹介した株式会社ルーシー(Lucy)が運営するバズ部でコンサルを受けたサイトです。
ひとつは「おかざき歯科クリニック」が運営する「歯医者が教える歯のブログ※3」、それと株式会社Jサポートが運営する「ルーフパートナー※4」です。
「歯医者が教える歯のブログ」は比較的初期から、バズ部より指導を受けたということもあり、運営歴も長く、歯科治療に関していろいろ参考になるサイトです。
また「ルーフパートナー」は、唯一の建築分野の業者によるブログサイトということもあり、注目しています。
まず「歯医者が教える歯のブログ」の方は、「……新規の患者さんは減っている状態でした。
それでも私たちの行っている治療は、全国的にも良質なものだという自信がありました。
それを少しでも多くの人に知ってもらえればと当時は考えていました」とあるように、ブログ開設当初より、クリニックの治療が「良質なもの」と自負があったようです。
またコンテンツマーケティングを選んだ理由に「……やはり患者さんの人生を少しでも良くしたいという根底にある理念」に共感できたと述べています。
実はバズ部では、コンテンツマーケティングを進める上で大切なことに、「読んだ人の生活の質が上がるぐらい良質なコンテンツを作ろう」というステップがあります※5。
おかざき歯科クリニック様は、次第にその境地に達し、ブログ運営を続けてきたのだと考えられます。
※3 (参考サイト) 歯医者が教える歯のブログ https://hanoblog.com
※4 (参考サイト) ルーフパートナー https://roof-partner.com
※5(参考サイト)コンテンツとは見た人の「人生の質」を上げるもの](https://bazubu.com/what-is-a-content-24305.html)
コンテンツマーケティングは「消費者が知りたいこと」も伝える
続いてJサポート様が運営する屋根情報サイト「ルーフパートナー」で、サイトオーナーはこのような言葉を残しています。
「私はお客様のことを考えて仕事を成長させてきたのですが、この話し合いを通じて、もっと本気でお客様の立場になり、さらに満足していただくためにやるべきことは何か?と深く考えるようになりました。」
「ルーフパートナー」は「火災保険を使って屋根修理が0円でできる仕組みと確実な申請方法」が、ある種「重要なコンテンツ」となっています。
そしてこの記事の中でJサポート様は「正確には“屋根修理業者には詐欺業者が多い”が正しい」と正直に告白しています。
これは同じ業者のJサポート様にとって、必ずしもプラスになる発言(書き方)ではありません。
何故なら、屋根修理業者には詐欺紛いの業者が多く、「自分たちもその仲間」と、読者から捉えられかねないからです。
しかしある程度の危険を冒しながらも、この難しい記事をまとめたことに、Jサポート様が「もっと本気でお客様の立場に」なったのだと考えられます。
コンテンツマーケティングでは、広告とコンテンツマーケティングの違いについて
• 広告とは:企業が伝えたいことを表現したもの。
• コンテンツマーケティングとは:企業が伝えたいことはもちろんですが、これにプラスして「消費者が知りたいこと」も必ず付け加えている
と区分けしています。
「屋根修理業者には詐欺業者が多い」という部分は、まさに「消費者が知りたいこと」です。
単なる広告では、このような書き方を避けるのが普通です。逆にいうと、あえて「消費者が知りたいこと」も隠さず伝えるのが、コンテンツマーケティングということです。
今回は初回なので、この辺で終わりにしましょう。
コンテンツマーケティングが単なるブログサイトと違うことが、少し伝わったでしょうか?
ただ一言付け加えるなら、コンテンツマーケティングの施策に成功すると、ブログ運営のみで優良顧客(ファン客)を集客できます。
その極意に、次回は少しばかり迫りたいと思います。