専門コラム 第212話 物を売ろうと思ったら“売りたいと考えるのを止める”
「note」というメディアは、多くの方が知っていると思います。
今日はその中で、偶然面白い記事に出会いましたので、それについて書いてみます。
タイトルは浅井柚実さんという方の書いた『病気の治し方』という記事です。
浅井柚実さんは国家資格の理学療法士や、ホメオパシー検定初級も所持されているようです。
そして、その方の記事がどうして営業コラムを書いている筆者の心に刺さったか。
とりあえず観ていきましょう。
物を売ろうと思ったら“売りたいと考えるのを止める”
1 脳は「逆説」を受け入れやすい
リンクを辿ると分かるように、この記事は冒頭から「病気を治したいなら“病気を治そうとしない”」のがいちばんだと書いています。
もう少し読み進めると、次に「逆説」という言葉に遭遇します。
「病気を治したかったら病気を治そうとするな」
実は本コラムでも、確か最近の記事の中で「この逆説が理解できると、あなたのステージがランクアップする」みたいなことを書きました。(正確には「逆説」ではなく「パラドックス」。)
このパラドックスを楽しめると、あなたのステージは一段上がり、営業が次第に面白くなっていきます。
専門コラム 第204話「どうすれば」ではなく「どうなれば」お客さまは買うのか?(令和4年6月23日投稿)
そして何といっても——ライバルが売り上げて苦しんでいるときも——受注で困ることが無くなります。
そしてこの文章の「病気を治したい」の部分を「売りたい」に置き換えてみましょう。
そうすると「物を売ろうと思ったら“売りたいと考えるのを止める”」となります。
「物を売ろうと思ったら“売りたいと考えるのを止める”」というのは、このコラムでも散々放ってきた重要なテーマです。
例えば、
「バナナを思い浮かべないでください」って言われてバナナを思い浮かべない人はいませんよね脳に否定語は通じない!というのはもはや有名な仕組みですが、
それがそっくりそのまま病気に当てはまります。
『病気の治し方』より抜粋
逆も真なりで、物を売ろう、売ろうと思うと、常に売れない状況の自分が脳にクローズアップされます。このこともまた、すでにお気づきの方も多いと思います。
たとえば、
良い人と言われたいと思えば、本来のズル賢い普段の自分が脳にクローズアップされる。
お金をたくさん得たいと願うこと。それはお金がないと言うことを認めることになり、毎月の支払いに四苦八苦する自分の姿が脳にクローズアップされる。
そして『病気の治し方』では、「そろそろ病を味方につけてみませんか?」と読者に投げかけています。 営業も同じです。「売りたいと言う思いを、そろそろ手放してみては如何でしょう?」
2 〇〇しないと得られるメリットとは?
この『病気の治し方』という記事では、病気になることのメリットも挙げています。
例えば、
『病気の治し方』より抜粋
・罪悪感なく身体を休めやすくなった
・日々を味わう時間ができた
・家族やパートナーと過ごす時間が増えた
・断りにくい予定を断りやすくなった
・やりたくないことをしなくてよくなった
・やりたいこと"だけ"できるようになった
・健康に氣をつかうようになった
(身体を労わる時間が増えた)
など。
病気になったすべての人に向けて「病気になると、このようなメリットがあるよ」とは、なかなか言いにくいものです。でも例えガンになった方にも、これらのメリットは必ずあります。
同じように“売りたいと考えるのを止める”と、どのようなメリットがあるでしょうか?
まず僕ら側のメリットから見てみると、
・お客さまの警戒心がとれて、かえって営業しやすくなる
・そのため、お客さまからの質問が増える
・また、お客さまから専門家としてみてくれるようになる
・その結果、お客さまからの質問に答えられるよう、知識習得に熱心になる
など。
もちろんお客さま側にもメリットがあります
・家の選ぶ基準が正しく理解できる
・同じように、様々な角度で住宅を俯瞰する視点を持てるようになる
・以前より営業マンのウソの見分けが付くようになる
・その結果、遠い将来を見据えた住まい選びができるようになる……
しかし、どんなにメリットが多くても、最終的に売れなければ仕事になりません。結局のところ、営業は売ることが仕事なのです。
ただ売れている人、トップ営業マンに確認してみましょう。
また彼等に同行をお願いしてみるのも良い方法です。
そうすると、上手くいっている営業ほどクロージングという技術を使っていないことが分かるはずです。
そして彼等がどの時点で同行に付いたかにもよりますが、
彼らはそもそも売ろうとしていません。
3 新時代に脚光を浴びる営業法
このことは、おそらく新しい時代に、より顕著なものとなっていくでしょう。
別の角度から観ると、クロージングとは軽度の軋轢を伴います。またそれ自体が一種の抵抗とも受け取れます。なぜそんな無理をするのかと言えば、見込み客から信頼を得るという行程をすっ飛ばすからです。
このコラムをよくお読みの方は知っているでしょうが、保険営業の山下ビリー氏なら、絶対に信頼を得るという行程をすっ飛ばさないでしょう。
彼のノンストレスの契約は、信頼を得るという行程をすっ飛ばさないことで成立しているのです——このことは、別途記事を設けて深掘りしましょう。
だから無理なく、俄かに信じられないような契約数を取れているのです。
また、あそこまで行かなくても、1 か月から 2 か月で注文住宅を 1 棟ぐらい受注することは、このコラムで伝えたことに真面目に取り組んだら、無理なく達成できるでしょう。
「物を売ろうと思ったら“売りたいと考えるのを止める”」
あなた数字が今ひとつパッとしていなければ、もう一度この記事や『病気の治し方』を読んでほしいと思います。
皆さんの健闘を祈っております。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。