専門コラム 第23話 飛び込みのコツ❸
飛び込みのコツ❸
三度にわたりお届けした「飛び込み営業で成果を出すコツとは」ですが(「飛び込み訪問の隠れたメリット」を含めると四度になります)、ひとまずこの記事で、区切りを付けたいと思います。
そして今回は、実際の商談を進める際の注意点について簡単にまとめています。
同様の進め方をしている方は参考にしてください。
先輩や上司から営業の進め方を盗め!
打ち合わせ場所はご自宅よりショールームや展示場を使いましょう
飛び込み営業によって探客活動が成功すると、より具体的な契約に向けて、図面を交えた打ち合わせに移行します。
そしてこの時、細かいかもしれませんが、打ち合わせ場所に選びたいのはお客様のご自宅ではなく、会社のショールームや住宅展示場です。
飛び込みがきっかけで出会ったお客様は、ともするとご自宅に伺うことが多く、プラン打ち合わせもご自宅で済ませがちです。
これは出会ったのがお客様のご自宅だからという単純な理由によるものありますが、お客様の意志で、あえて住宅展示場を避けたい方もいます。
というのも、飛び込みで探し当てたお客様の中には、展示場に出向くと他の会社が気になり、かえって混乱する、あるいは迷うことを嫌がる方が結構多いのです。
こういう方がまだ居らっしゃるから、私たちは飛び込みでお客様を探し当てられるのですが、意外に多いのは「もっといろんな建物を見て決めれば良かった」と後になって漏らされることです。
これを避けるため、他社を見てから決めてくださいとは言わないまでも、お客様に視野を広げていただく意味で、部材や設備が揃っている自社のショールーム、また住宅展示場に来てもらい、打ち合わせするのがベストです。
経験から言えることは、飛び込みで見つけた方が、打ち合わせ環境が変わったことによって他社になびくことは殆どありません。
しかし契約するまで、競合に取られる可能性がゼロということはありません。その点は十分注意して打ち合わせに臨んでください。
飛び込みのプラン商談は先輩・上司に任せよう
住宅営業の経験がない営業マンは、建築面の専門的な知識が乏しいため、初受注客はほとんどが、先輩や上司の同行によって成約します(もちろん実績はあなたに付きますのでご心配なく)。
皆さんの場合も敷地調査あたりから、先輩とペアで受注活動をすることになるはずです。
または要望の聞き取り、資金計画までは任されても、プランを交えての商談に進展してからは、先輩・上司が同席することになります。
会社によっては構法やマニュアルが行き届いており、新人営業でも商談が可能な会社もあるようです。
しかし全ての顧客が、その体制で本当に安心できているかは、別次元の問題です。
また建築営業が初めての新人に、図面の打ち合わせまで任せてしまうのは、お客様にも失礼な話です。
一般的にみて、断熱について質問したのに、あやふやな答えしか得られなければ「この会社に任せて本当に大丈夫だろうか」と不安になるのが普通です。
これはその好意を受けて、折衝商談を進めましょう。
もちろん営業同行が許されるのは、最初のうちだけです。
同行で分かるプロと呼ばれる人の知識の差、あるいはトークにおける絶妙な間を、新人と呼ばれる間はとにかく盗んでください。
クロージングを決めるのは最終的に勇気だけ
もう一つ、営業で大切なクロージングについてです。
初受注でもクロージングは、先輩や上司がしてくれます。
ただ営業ならクロージングだけは、早目に体得しておきたいものの一つかも知れません。
クロージングの言葉が中々思うように出ないとよく聞きますが、クロージングで大切なのは、詰まるところ、勇気とタイミングだけです。
特に商談を有利に進めているケースでは、クロージングに過度な力みは必要ありません。
「ぜひとも、当社に〇〇様の住宅計画をお任せいただけないでしょうか」と、爽やかに顧客の背中を押してみてください。
またプラン商談が始まる前も、良いタイミングで軽めのテストクロージングを掛けておくことも大事な場合があります。
クロージングについては機会をみて、このコラムでも解説していきたいと考えています。