専門コラム 第16話 地鎮祭・上棟式
地鎮祭・上棟式
初受注した営業マンが経験することは、どれも初めての事ばかりです。
その中でも地鎮祭と上棟式は、転職して住宅営業についた方には、これが初経験だと、顧客に気付かれたくないことかもしれません。
同僚の営業に聞いても、懇切丁寧に細かく指導してくれないことが多い地鎮祭と上棟式は、本やインターネットで仕入れた情報をもとに学んだという先輩社員も、案外多いのではないでしょうか。
実際、式の進め方については、営業より現場監督に聞きいた方が確実かもしれません。
しかし肝心なのは、準備や手配のほうでしょう。
そこでここでは、新人営業マンが躓きやすい地鎮祭と上棟式の準備について、簡単にまとめておきましょう。
初受注を果たした営業が押えるべき「地鎮祭」「上棟式」の準備
地鎮祭の準備と手配で注意すること
新人営業マンが地鎮祭で気になることと言えば、何を誰に頼べば良いかということでしょう。
まず手配するのは当然ながら、
- 神社の神主さん
- 日時をいつにすれば適切なのか
ということです。
まず神社ですが、会社でよく使っているところがあるはずです。
建主さんから特に指定がなければ、そこに電話を入れて日程を告げます。
ただこのとき大事なのは、住宅建築にとって大凶日とされる「三隣亡」は避けるということです。
「三隣亡」については、会社の現場監督なら分かっているはずですし、インターネットでも「三隣亡」の日付を調べられます。
もちろん「三隣亡」は大安日に重なっている場合もあります。
なお地鎮祭の時間は通常午前中です。
間違っても午後に指定してはいけません。
また上棟式も「三隣亡」は避けますが、それと共に日曜日は大工や職人さんの休日です。
もし大工さんや職人さんを地鎮祭に呼ぶのであれば、日曜日も避けてください。
建主に用意してもらう物ですが、お神酒(清酒一升瓶)と祭壇に供えるお米(洗ったお米)、粗塩です。
その他の神饌物(しんせんぶつ)は、神主もしくは施工会社が用意します。
「穿初めの儀(うがちぞめのぎ)」などで使う砂は現場監督が準備するはずです。
なお神主への御礼は1万〜2万が相場です。万が一、現場が遠方の場合は、御礼とは別に御車代を用意しておくのが好ましいでしょう。
金額について明確でなければ、事前に神主に相談しておくと間違いないです。
神饌物を施工会社で用意することになった時
通称「上げ物」「御供物(おそなえもの)」とも言いますが、神饌物(しんせんぶつ)を建主に代わって、施工会社で用意するとなった場合、多くのケースで営業マン(新人の場合は特に)が行くことになるでしょう。
さて、神饌物を揃えなければいけないとしたら、どういったものを買えば間違いないでしょうか。
御神酒、お米と塩以外に用意するものは、魚,海藻,野菜,果物です。
厳密には鳥やお餅も神饌物に含むのですが、住宅の地鎮祭では省略しても問題ないようです。
この際、野菜は白菜、ナス、胡瓜、にんじん、大根、芋などから、果物類はオレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、りんご、西瓜などから適当に3、4品選びます(計7、8品はど)。
渇き物・海藻類では、昆布の高目で立派なものを選べば大丈夫です。
お魚だけは、前もって鯛などを一尾予約しておきます。
これなら地場のスーパーでも十分用意できますし、お代も5,000円前後で済むはずです。
掛かった代金は建主さんにレシートを見せて、式の後で請求してください。
地鎮祭当日忘れてはいけないのは、現場はすでに自縄張りが終わっているはずですから、建物の配置について微調整が必要かの確認です。
また土地が古く敷地の境界石が不明瞭な場合は、後日不動産会社に連絡して、測量し直さなければならない場合もあります。
地鎮祭を経験すれば上棟式はそれほど困ることはない
上棟式は地鎮祭と同じように、神社の神主に来てもらうこともあるようですが、最近の上棟式では棟梁を中心に、職人さんと施主さんの交流を目的に行うことが多く、神主抜きでやることが一般的です。
そこで、現場で大工さんが板などで適当に作った祭壇に、地鎮祭と同じように御神酒、お米と粗塩と神饌物を準備し、祭壇に向かって二礼二拍一礼で順番に参拝します。
そして、建物四角に棟梁は御神酒を上げ清めますので、建主さんは棟梁の後について回ります。
式はこのように進めますので、一度地鎮祭を経験すれば、上棟式について準備面では特に困らないでしょう。
また棟梁以下職人さんへの御礼(お金)は施工会社でも禁じている会社がほとんどで、その代わりお施主様は、仕出し弁当と清酒小瓶を準備しましょう。
営業が気にすることは、当日何個の仕出しを用意すれば良いかの確認ぐらいです。
なお上棟式は平日の作業後に行いますから、仕出し屋には遅くとも17時前までに注文の配達をお願いしておけば良いでしょう。