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専門コラム 第327話 来場者フォローはニュースレターで十分!

 

さて、展示場や現場見学会の来場者には、一般的なフォローメニューがあります。

ちょっと古いかもしれませんが、以前は来場当日の夕方から夜にかけて訪問する「即訪」といわれるものがありました——会社や地域によって、呼び方に違いがあるでしょうが……——。

昔は夜討ち朝駆けといわれ、来場者への「即訪」も夜遅くまで行われていました。今そんなことをしたら「何て迷惑な営業なんだ!」と、お客様を怒らせてしまうかもしれません。

もちろん例外はありますが、大体「即訪」を含めて 3 回、多くて 4 回の訪問・面談で、その後も追客できるかどうかを判断するのが、一般的な営業スケジュールです。

しかし来場者フォローの際、手ぶらでアポなし訪問できる方は良いのです。ただ、大抵はパンフレット等、会社で制作した販促物がないと、自然と足が遠退いてしまうものでしょう。

またハウスメーカーなら、その辺は苦労しませんが、地場の工務店となると、パンフ類など、非常に限られたものしか準備できないケースもあります。      

そこでぜひ使って欲しいのが、ニュースレターです。

  

来場者フォローはニュースレターで十分!

来場者フォローに欠かせない自己紹介のレターを用意する

ただニュースレターといっても、通常のレギュラーバージョンのニュースレターではありません。

来場者フォロー用に準備したニュースレターです。

初回はニュースレターによく用いられる A3 サイズ——ご存じのとおり A3 とは、 A4 サイズのノートの見開きサイズです——でなくても大丈夫です。ごく普通の A4 サイズのレターに、自己紹介の特製レターを作っておきます。

そして自己紹介のレターには、自己紹介と共に

「これから毎月、家づくりのニュースレターが届きます。

そこにはネット検索でも探せない、レアな現場の情報なども発信しています。

気が向いたときで構いません。

捨てずに開いてごらんいただけるとありがたく存じます」

などと、ニュースレターの宣伝もしっかり入れておきます。

なお自己紹介は「自己開示」という意味でも、お客様との関係性を築く上で非常に重要なもの。

しかし一般的に自己紹介は、口頭でやるのがもっとも気恥ずかしいもののひとつではありませんか?

だからこそレターを使い、文章で語らせます。

内容は、特別な理由がなければ、学歴や出身地も漏れなく入れてください。

離れた場所でも、お客様と高校や大学が同じというケースは、意外にあります。もちろんお客様と同じ出身校だと、それだけで近しくなれる可能性があり、営業にもプラスに働きます。 注意してほしことは、自己紹介のニュースレターにも、会社や会社が建てた家の「売り込み文句」を入れるのは御法度です——先ほどの「ニュースレターの宣伝」だけは OK です——。どうしても売り込みセリフが必要な場合でも、「家づくりのご相談の際は当社まで」ぐらいに、止めておきましょう。

 

基本仕様をまとめたレターは、あなたの会社の経営理念を表す

自己紹介のニュースレターができたら、自社が提供する建物の基本仕様や特徴をまとめたレターも作っておきましょう。

こちらは、ニュースレター標準サイズ、A3 サイズにまとめるといいでしょう。こうすると片側一面に 3 項目、見開きで計 6 項目ほどのトピックを作れます。

なお、こちらも売り込み臭のない内容を意識し、文面はあくまで淡々としたタッチで仕上げてください。

たとえば、壁面の断熱材にはセルロースファイバーを使用しているとか、外壁の基本仕様は耐候性に秀でたガルバなどの金属系サイディングか左官仕上げが選択できるとか。

また〇〇工務店は、このようなコンセプトで設計されているとか……

まれに建物の基本仕様や特徴を、明確にできない会社もあるでしょう。

この場合は基本仕様のレターは、無理に作らないでも結構です——自己紹介のニュースレターだけでも構いません——。

ただ家の基本仕様が、業界の流れからみて明らかに遅れているような場合は、もう一度原点に戻って建物の仕様等を見直してみることをお勧めします。

その意味でこのレターは、会社の仕様を見直すチャンスが与えられたと思ってください。

逆にはじめからここが大事だと分かっている会社は、「何よりも先に」とは言わないまでも、おおよその仕様や特徴を決めて、事業を軌道に載せています。

なぜ住宅にとって基本仕様や特徴が大事かというと、このことが自社の経営理念や価値観を示す指針になるからです。

そしてこれらをまとめたレターは、いつでも誰でも、会社の経営理念や価値観にアクセスできるということ。またこのレターを一度作っておくと、見込み客以外の取引先にも渡すことができ、大変重宝します。

以上の 2 つのレター——⑴自己紹介、⑵基本仕様や特徴をまとめたもの——は手渡しでも構いませんし、お客様と「訪問はしません」と約束している場合は、郵送で送るようにします。

経験者なら分かると思いますが、たとえ訪問できなくても、高い確率で、そして数名単位で声が掛かり、自然と訪問できる関係になります。ですので、安心してください。 そんな力が、ニュースレターにはあります。

  

サンキューレターと「ハガキメディア」の重要性

以上の二通のレターは、お客様との初めての出会いから 2 週間以内に届くようにします。ただ忘れてはいけないのが、出会いから 2 日以内に出すサンキューレターです。

つまり来場者フォローで出すレターは、サンキューレターを含めると、全部で三通ということです——さらに月末には、レギュラーで発行しているニュースレターが届く塩梅です——。

おそらく、初期のレターの内容が相当良いものなら、来場者フォローはかなり強力なものとなることは間違いありません。

サンキューレターについては過去のコラムでご紹介していますが、通常はハガキを使って、来場お礼をしたためます。なお、時間のない方は、郵便局が作っている絵はがきを使ってみるのもひとつです。

また三通のうち、「どのレターがもっとも重要なの」といった質問もあります。もちろん三通のレターを同列で比較などできません。ただ、あえて選ぶとなると、最初に出すサンキューレターがいちばん重要です。

仮にサンキューレターを出さず、二通のニュースレターを送った場合ですが、その後のレターの開封率、精読率は極端に下がってしまいます。だからこそサンキューレターが重要なのです。

工務店によっては、通常のニュースレターの代わりに、毎月顧客リストに一枚のハガキを送ることで、受注につなげている会社もあります。 一枚のハガキを、アナログと軽々しく扱わないことです。

 

  

   

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。