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専門コラム 第357話 手付かずの顧客リストが私たちに教えること

 

先回、記事の後半で、リストビジネスの重要性について触れています。

それと同時に、久々に小坂裕司氏のことを紹介しました。

そのついでと言っては大変失礼ですが、小坂氏の YouTube チャンネルを拝見し、彼が語るリストビジネスの話題にとても惹きつけられました。

(そして図らずも、彼の新刊も一緒に購入してしまいました。。。)

ただ、氏の新刊本については次回に譲るとして、今回は私たちが扱うリスト(=顧客名簿)について書いてみることにします。

住宅営業なら、誰もが無視できないリストビジネス。

小坂氏の動画記事を絡めながら、おもに顧客リストの「意外な見落とし」についてまとめてみます。

(結論をお急ぎの方は、二つ目のチャプターから読んでいただくと良いでしょう。)

  

手付かずの顧客リストが私たちに教えること

もしあなたが「手付かずのリスト」を引き継ぐことになったら?

ある地方都市に、とある小さな建設会社があります。

この会社は自治体の公共工事と並行して、個人の注文住宅を年に2、3棟程度——もっと少ない年度もあるようです——細々と受注しています。

こんな数字でも住宅事業が続けられるのは、メインの公共工事が相当安定しているからです。

その代わりここで働く大工など職人さんは、みなフリーランス。

要は外注です。

だからこのようの事業が成り立っているのかもしれません。

またこの会社では、住宅部門の営業を常時募集しています。

営業があまり根付かないのは、巷でよく聞く「社長が数字に厳しいから」ではありません。

住宅事業が続けられるだけの体制が、この会社に揃っていないからです。

そのため、いつも営業から去っていきます。

言い方が難しいのですが、請負契約書や約款の類もこの会社には揃っていません。

検査や保証体制についても同じです。

しかも必ずいておかしくない現場監督も、この建設会社にはいません。

確認申請を通すだけの設計業務も全て外注です。

これでは、新しいタイプの営業マンではとても務まりません。

ただ、メインの話はここではなく、この会社が管理する顧客リストです。

この会社は不幸なことに、営業がすぐ辞めていく会社です。

あるとき、残った営業がついに最後の一人となりました。

そこで専務の奥さんが、よもや取り出したのが、この会社にしては夥しい(おびただしい)数の顧客名簿です。

恐らくこの専務は、残った営業が辞めないでいてくれると願って、この顧客リストを営業に使ってもらおうとしたのかもしれません。

しかし会社のリストを一任された彼も、たまったものではありません。

というのも、そのリストは最低でも 1 年以上、なかには数年も手付かずのものが、相当数含まれているからです。

専務には悪いですが、渡した顧客リストは、ほとんどが“死にリスト”です。 営業がどんなに卯建(うだつ)が上がらなくても、リストがどのようなものか、見れば想像がつきます。

 

お客さまは自然にゼロになるという事実

冗談のようですが、本当の話です。

ただ私たち営業も、お客さんやリストの特性を知らないと、似たような間違いを起こすことは十分考えられます。

例えば、商品に目立った違いがなく、購入した商品も概ね満足していても、販売側が何ら手を打たなければ、お客さまは自然にゼロになるという事実。

これをはじめて耳にする営業は、意外に多いのではないでしょうか?

この話は、特にマーケティングの世界では、ほぼ常識としてよく引っ張り出されます。

小坂氏の動画でも、同じことが言われています。

ちなみに動画では「通販だと何もせずお客さまが消えるのが、大体半年」のようです。

これが本当なら、先ほどの古いリストは、ほとんどが使い物になりません。

目敏い営業が古いリストの引き継ぎをあまり喜ばないのは、リストが使い物にならないことを、直感的に分かっているから。

もちろんプロの工務店や営業も、リストにも寿命があることを無意識に察知しています。

だから新しいお客さまに出会ったら、初期対応に何をどうするのか、自分なりに決めているのです。そのため取得動機も不明な他人の名簿を、無闇に引き継がないのです。

もちろん名簿数は多いほうが、いいに決まっています。 しかし幾ら多くても、そして期間が開くほど、一度死んだリストを生き返らせることは困難になりなす。

 

顧客リストで大事なのは“生きているか死んでいるか”

リストの重要性については、当然分かっているはず。

ただ肝心なことは、つい忘れてしまうもの。

それが、リストにも賞味期限があり、お客さまは自然にゼロになるという事実。

これに知らないとどうなるか?

例えば、半年も放置したリストにニュースレターを出すという失態さえ演じてしまいます。

小坂氏が主催するワクワク系マーケティング実践会でも、二十数年来、ニュースレターの効力を伝えています。しかしニュースレターを送っても、何故か効果に差が出るのは、リストが新鮮かどうかです。

顧客リストが死んでいれば、どんなにユニークなニュースレターを送ったところで、効果どころか、反応も出ないでしょう。だからリストを管理したら、台帳が“生きているか死んでいるか”を確認することです。

特に営業は、新規客の対応に追われ、半年もほったらかしにしていたリストもあるはず。

なかには数年もの間、何も手を打っていないリストがあったりして?

こうなると、先の専務のことを笑えなくなります。

あなたは、半年も手付かずのリストに、ニュースレターを出してはいませんか? そんな間違いを起こしていないか、自分のリストをチェックしてみましょう。

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

弊社では現在、新築住宅を手掛ける工務店・建設会社様を対象に、「売るためのロジックの再構築」に集中して取り組んでおります。

令和7年1月度以降、日本国内の主要都市で『営業力アップ』をテーマとするセミナーを順次開催し、営業の工程順に売るアイディアを提案しております。