専門コラム 第55話 小工事でもいい!稼働している現場が必要な時は?
営業には良い時もあれば悪い時もあります。
例えば受注不振が続くと、小工事でも良いから稼働している現場が欲しいでしょう。
ただ新築・リノベーション工事の受注をメインにしている皆さんに、細かい工事を取ることは、あまりお勧めするものではないかもしれません。
しかし、水回り設備の交換、簡単な手摺りやベンチ(腰掛け)の設置、比較的小規模の外構工事・エクステリア工事などは、チラシの配布で十分問い合わせが得られる場合があります。
そのため所属している工務店の営業形態によっては、小工事も積極的に取りに行ってもいいでしょう。
今回のコラムでは、その際に役立つ「チラシの有効性」や「マーケティング効果」についてお伝えしていきます。
小工事でもいい!稼働している現場が必要な時は?
小工事の現場ならチラシの配布で問い合わせが得られる
ウェブサイトが一般的になったことで、紙を使ったコピーライティングの効果、有効性について語られることはほとんど無くなりました。
しかし家に届く配布物を見ると、逆に紙による(つまりチラシやダイレクトメール)広告がポスティグされる機会が増えたと実感します。
昨年の増税を機に、今までのウェブ広告では望んだ効果が得られなくなってきたことが原因の一つかもしれません。
実際、いまから10年ぐらい前は、新聞折込チラシは住宅産業でも効果的に機能していました。
また冒頭にもあるように、営業は手作りの独自チラシを作り、特に小工事は飛び込みやポスティングで注文を得ていました。
ちなみに、不動産会社では住宅系の建築会社とは違い、現在も効果的なチラシ作成・配布に貪欲です。
そのためチラシ配布を、営業のルーティンワークに組み込んでいる方も多勢います。
筆者のよく知る、ある住宅営業マンはリーマンショックの頃、仕方なく始めたチラシのポスティングで、難を逃れた経験があります。
そして、その事実から言えることは「小工事ならチラシのポスティングで十分問い合わせが得られる」ということです。
ただし、小工事のチラシは、実施曜日を限定してポスティングしましょう。
そうしないとメインに掲げた新築やリフォーム工事の受注が疎かになるからです。
チラシの肝はヘッドラインにある!
飛び込みやポスティングにはチラシを作成しますが、どんなチラシでも反応が貰えるかというと、そう甘くはありません。
チラシである以上、大切なヘッドコピーの書き方に全力を注ぐ必要があります。
チラシのヘッドとはチラシ上部の比較的太字で書かれたコピーのこと。
最近では「ヘッドライン」という言い方が一般的でしょうか。
ヘッドラインの目的は、チラシを読んでもらいたい相手に「次の文章(またチラシそのもの)を読みたい」と思わせることです。
逆にそのことを意識しさえすれば、チラシの8割は完成します。
また、よく言われる「ヘッドコピーの3要素」として下記3点が挙げられます。
1)チラシのテーマを明確にする(シンプル、わかりやすい)
2)どういう方に向けて書かれたコピーなのか明確にする
3)商品やサービスでどのようなベネフィットが得られるのか明確にする
これら3要素を常に満たさなければいけない訳ではありません。
しかしヘッドラインを書く際の原則ですから、先ほどの「ヘッドラインの目的」と併せて意識しておきましょう。
顧客が無視できないワードを見出し等に盛り込む!
もう一つコピーを書く上で大事なことは、顧客が無視できないワードを見出し等に盛り込むことです。
筆者の経験で恐縮ですが、あるお客様から、長年使用した車庫のシャッターを電動式に交換したいとの問い合わせを貰ったことがあります。
このお客様は、工事後のインタビューでチラシに書いてあった外構工事・エクステリア工事という言葉から「シャッター工事でもやってくれるのなら」と電話をかけたと話してくれました。
結局このお客様からは、シャッター工事と結構な広範囲のコンクリート打設工事を発注いただきました。
ただし、チラシの中に「どんな小さな工事(外構工事・エクステリア工事)でもお問い合わせ下さい」という但し書きが書いてなかったら、このお客様から仕事を受注することは、できなかったかもしれません。
お客様は狙った言葉には反応せず、あまり意図しなかったワードに反応する場合があります。
この経験からできるだけ多彩な語彙を本文に使うよう、意識しています。
チラシはダイレクトレスポンスマーケティングの世界では、代表的なツールで、リスト集積にも効果的です。機会をみて、また掘り下げてみたいと思います。