専門コラム 第74話 営業マンは優秀なコピーライターでもある
あまりにも有名なコピーライターであり、コンサルタントとしても多くのメンターを持つゲイリー・ハルバードの言葉に「コピーで解決できないビジネス上の問題はない」というものがあります。
筆者が初めてこの言葉を聞いたのは、木坂健宣氏のコピーライティングスキルを解説した mp3 ファイルでした。
この音声ファイルは 2007 年にリリースされた、インフォプレナーとして活躍される和佐大輔さんの「ネットビジネス大百科」という教材に含まれています。
筆者はネットビジネスへの関心からではなく、木坂氏が米国のコピーライティングスキルを直に学んでいることを知り、どうしてもこの音声を聞きたいと思いました。
今はもうこの音声ファイルは手元にありませんが、内容は実に素晴らしいもの。
今でもこの音声を入手すべく、教材の再購入を考えているほどです。
筆者はコピーライティングの技術とセールスという職業が、ある意味、密接に絡んでいると考えています。
ここでは営業とコピーの関係をできるだけ簡潔に皆さんにお伝えしたく、できるだけ短く文章をまとめてみます。良かったら最後までお付き合い下さい。
営業マンは優秀なコピーライターでもある
そもそもコピーライターとは
そもそもコピーライターとは、どういう仕事なのでしょう。
今でこそ、コピーライターやコピーライティングという言葉はインターネットでも散見されます。
しかし 2000 年代初頭の頃、コピーライターというと、仲畑貴志氏や糸井重里氏に代表されるCMのコピーを作る人という認識が、日本ではまだ一般的なものでした。
もちろん広告を作ることもコピーライターの重要な仕事です。
ただキャッチコピーや商品のネーミングに留まらず、企業のオフィシャルサイトの文章やランディングページなど、いわゆるセールス全般の文章を作ることもコピーライターには求められます。
ウェブが発達した近年では、特にそうした傾向が強まっていると言っていいでしょう。
さらに飛躍した捉え方として、クライアントや売り主が伝えたいことを、言葉を武器に表現できる人も、広い意味でのコピーライターと考えられます。
この記事のタイトルは「営業マンは優秀なコピーライターでもある」としています。
最後にあげた広い意味での「コピーライター」が、ちょうどここに収まると考えられます。
安定して売り上げを作れる営業はみんな言葉を武器にしている
このコラムを読んでいる方の中には「営業応援コラムのわりに、やたら文章を書くことを推しているコラムだよな」と思っている方も多いでしょう。
その言葉、十分わかります。
ただ見渡してみると、全員とは言いませんが「安定して売り上げを計上できる営業」ほど、書くことを習慣にしてはいないでしょうか。
優秀な営業マンである程、お客様にサンキューレターをマメに出し、ニュースレターで定期的なつながりを維持しようとしているのが実情です。
これまで営業と聞くと、お客様に向かって遮二無二トークするだけが仕事というイメージがあります。
しかしそれが通用するのは、(相手もあなたと商談する準備が整っている) 一部の法人営業(BtoB営業)だけではないでしょうか。
しかし、コロナ時代においては、法人営業でさえも何らかの benefits(例えばターゲットにとってプラスとなる情報)がないとうまくいかないでしょう。
いつもの得意先まわりも、単純な暇つぶしトークしかできないのであれば、そう長く付き合ってもらえなくなります。
あなたもコピーライターのひとり
いくら「言葉を武器に」とか「ニュースレターが大事」と言っても、長い文章が、どうしても苦手という方もいるでしょう。
そんな方にお勧めしたいのは、顧客宛ての短めのサンキューレターです。
ただ気を付けて欲しいのは、短めのサンキューレターなら名刺を使っても書けるということで、名刺を便箋代りにしてしまうことです。
今なら短文用の便箋(メッセージカード)も手軽に手に入ります。
まずそれを自分で用意して使ってみましょう。
私も新入社員時代に名刺を便箋代りに使ったことがありますが、先輩のトップセールスマンに注意されました。
それ以来、名刺を書き置きに使うことを一切やめています。
どんな便箋でも構わないのですが、学生が使うようなレポート用紙は避けておいた方がいいでしょう。
それよりコピーライターが持つにふさわしい物を、自分なりに見つけてみましょう。
そうです。あなたもコピーライターの一人なのですから。