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専門コラム 第50話 営業が建築全般に詳しくなる方法

新型コロナの影響で住宅の需要が減少しても、選ばれる営業になるには住宅関連全般、中でも「建築に詳しくなることが重要」とお伝えしました。

 

そう言う筆者も、元々建築に興味があって、この仕事を始めたわけではありません。

他の多くの営業と同じく「営業で成功すれば、ある程度真っ当な金額が得られる」と思ったからです。

筆者は皆さんよりレベルの低い営業マンだったかも知れません。

 

ただそんな人間でも建築のことが少しずつ分かってくると、まずその奥深さに魅了されます。

この傾向は、注文住宅が初めてのお客様にも同じことが言えます。

そして、そんなお客様が「建築に詳しい担当者を好む」のは当然のことです。

 

まして建主の多くは、一生に何度も住宅を建てられるわけではありません。

そんなこともあって、どうせ自宅の建築を頼むのなら、その分野についても相談可能な営業マンに担当して欲しいと考えることは至って自然なこと。

またこれからの時代、その傾向はさらに強まるはずです。

本記事では、営業が建築全般に詳しくなるための方法・習慣についてまとめていますので良かったら参考にして下さい。

営業が建築全般に詳しくなる方法

自分が担当する建築現場に出向く

もちろん毎日ではありませんし、会社によっても違いはあるでしょう。

ただ特別な予定がなければ、デイリーのミニ営業会議や事務整理が済んだあと、午前中を目処に現場に出向くというのは、住宅営業の平均的なルーティンワークのひとつです。

 

しかし営業が現場に出向くのは、何も顧客から紹介を得たいだけが理由ではありません。

自分の現場であれば、広くは基礎工事から引き渡しまでの工程、また細かくは現場における工事の詳細が、具に理解できるからです。

特に新人営業の皆さんは、現場こそいろんなことが学べる宝庫と認識しておきましょう。

 

駆け出し当時、建築というものを何も知らない筆者は、下地の重要性が分からず、大工さんによく指摘を受けたことを思い出します。

 

現場に行っても何も学べない営業もいます。

反対に学べる人には、現場は建築以外にも実に多くのことを学べます。

時には現場に行くことが辛いと思うこともあります。

しかし、営業が逃げてはいけないのも自分の担当現場です。

 

なお現場に初めて出向く際に注意したいのは、棟梁や職長にきちんと挨拶して「勉強のため現場を見せていただきますが、構わないでしょうか?」、また「おはようございます。現場を見せてください!」と元気良く挨拶することです。

これは親しい大工さんがいる場合も同じです。

 

また当然ですが、営業車に現場専用の運動靴とヘルメットの携行をお忘れなく。

 

現場の周辺を自分の営業エリアにしてしまう

ただ営業が現場に行くことを、全ての会社が好んではいないようです。

そんな場合でも、新規顧客を開拓するため、現場周辺の飛び込みをセットにしてしまうことで、現場にも出向けるのではないかと思います。

 

特に完成した際の見学会を想定しながら新規顧客が開拓できれば、おそらく上司から文句は出ないでしょう。

私も実際にこの方法で新規開拓をしていました。

 

ただこの方法は市街地向きの方法で、僻地の現場はあまり向きません。

理由は、僻地ほど家々が離れており、飛び込みのエリア開拓には向かないからです。

飛び込みで開拓エリアを構築するなら、やはり市街地や住宅密集地でやる方が向きます。

 

なお現場周辺の飛び込みには、新たな読者を募るため、ニュースレターを絡めて飛び込みをすることも是非検討したいもの。

上手くいけば、完成物件をお披露目する際、多くの方の来場が期待できます。

 

あとは関連書籍を手当たり次第読む!

現場以外で建築全般に詳しくなる方法は、関連書籍を読むことです(当たり前すぎますが)。

 

ネットの情報はSEOを妙に意識したものが多く、建築分野についてはまだ信頼できるウェブサイトが少ないのが現状です。

そうした場合でも頼りになるのは、正規の編集が入った専門書です。

 

OJTが整っている大手もあるのですが、そういう方法に頼らずとも、私たちは建築に関連する書籍を読むことで、この分野の知識を好きなだけ仕入れられます。

 

なお書籍と書きましたが、会社にあるプロ仕様のカタログ(各種住設、サッシ・断熱ドア、建具・フロア等)なども、これらの書籍に含んで良いでしょう。

 

また、さらに筆者がお勧めしたいのはエクスナレッジの『建築知識』です。

 

建築知識は設計・工事向けの専門誌ですが、営業でも参考になる特集が組まれており、筆者も気になるテーマがあれば今も時々購読しています。

特に断熱や換気のこと、法令の大幅改正の際は、詳しい情報が掲載されており大変重宝しました。

 

とにかく初めは知りたいと思ったテーマから、手当たり次第読んでみることです。

またそうした知識が、やがて体系的な理解に育ってきます。

なお営業が建築全般に詳しくなるには、もう一つ重要なことがあります。

それは図面全般に詳しくなることです。これについては、次回か別の機会にまとめてお伝えする予定です。