専門コラム 第77話 商談や打ち合わせ前にアポイントをとる習慣を身につけよう
今週も先回に引き続き、とくに新人の方に向けた記事を継続してアップしていきます。
なおこのシリーズを続けて今回で 3 回目になります。
振り返っておくと、最初にあげたのは「新人営業が取り組むべき知識の習得」、そして 2回目 は「合わないお客様を無理に追ってはいけない」というテーマでした。
そして今回は「打ち合わせ前にアポを取ることを習慣にしよう」です。
前の 2 回は、理解するのにやや時間が掛かった方もいるでしょう。
もっと言えば、あまり馴染めない意見だったという方も多いと思います。
その方は、コラムでの見方を無理に取り入れる必要はありません。
「こうした考え方をする営業も居るんだ」ぐらいに受け流してもらって結構です。
ただ今回の「アポを取ることを習慣にしよう」は、営業なら日頃から言われていることですし、とくにコロナ以降はアポを取得できないと、営業としての仕事そのものが成り立ちません。
そこで今回は記事を参考に、「週末に予定の入らない営業」を確実に卒業していければと考えています。
商談や打ち合わせ前にアポイントをとる習慣を身につけよう
営業は住宅展示場でアポ成立に全神経を傾ける
住宅会社の集客方法の多くは、自社の住宅展示場やお客様の完成現場などを、展示公開することで成り立っています。
そして展示場に待機する営業マンがやるべきことは、見学したお客様に次回打ち合わせのアポイントを取ることです。
ただ来展するお客様も年々警戒心が強くなり、初回からアポが成立するのは、よほど人気のある工務店でもなければ少なくなっています。
また筆者の実感としても、最終的に受注に至るのは、展示場で即アポが成立した顧客ではなく、アポを取得するのに少々苦労したお客様です。
そのため初回アポが成立したからといっても、それで展示場案内がうまくいったと、必ずしも言えなくなっています。
しかし展示場案内で顧客との親密な会話が成立し、あわよくば初回アポが取れることを、望まない営業マンはまずいません。
これは大抵のお客様が、展示場を後にすると人が変わったようにクールになることと関係するかもしれません。
多くの営業マンが顧客との距離を縮め、展示場で濃密な時間を共有することに心を砕くのはこのためです。
展示場対応についてここで詳しくは書きません。
ただ営業が展示場でどのような心理状態にあり、アポ取得にどれだけ全神経を傾けるか、新人営業の方もあらためて心に留めておくべきではないでしょうか。
アポ取りとは見込みリストから再び打ち合わせの場に浮上させること
このようにアポ成立に全神経を傾けても、離脱するお客様は出てきます。
なぜならすべての来場客が「今すぐ客」ではないからです。
またすべての来場客が心を開く客とは限りません。
しかしそんなお客様でも、まだ脈があるリストも含まれています。
とくに自分で対応したお客様には、再びアプローチしてみると、意外にスムーズにアポイントが取れる場合があります。
そこで中長期客として管理する前に、脈を感じるけれどアポが成立しなかったリストに対し、必ず機会をみて再アプローチします。
これはどの営業も必ずやる大事な仕事です。
というのも営業に課されたアポ取りの大半は、展示場・現場見学会で離脱した顧客リストを、再度打ち合わせの場に浮上させることだからです。
打ち合わせの場に浮上したリストは、その後余程のことがなければアポ取りが困難になることはありません。
一旦離脱した顧客を、再度打ち合わせの場に浮上させることは、住宅営業にとって腕の見せどころと言ってもいいでしょう。
おすすめのアプローチ方法は次の 3 つ
ここで大事なのは「脈を感じるけれどアポが成立しなかったリスト」に、どうアプローチするかです。
筆者が考えているのは次の 3 つです。
1)OB客(在宅現場)訪問に誘い出す。
OB客訪問はプラン打ち合せの中休みに使ったりしますが、どうしてもアポが成立しない場合にも有効な一手となります。
しかし大切なOB客を紹介するのですから、訪問に誘い出せるのは受注確率がある程度高い優良顧客に限られます。
この点は注意が必要です。
2)どのような住宅を計画しているか、もう一度あらためてヒアリングしてみる。
展示場でどうのような計画かも聞けていない場合(建て替えなのか、土地込みなのか)は、多少ストレートなアポ取りですが、この方法を使ってみるしかありません。
また面談ができ、計画の内容も聞き出せたら、当社ができること(おもにスペック的なこと)も正確に相手に伝えます。この擦り合せによって、プラン打ち合わせに進むかどうかの見きわめがある程度つくでしょう。
3)「標準仕様、グレードアップ仕様の違い」また、「契約後に行われる材料打ち合わせ」について解説する。
とくに(3)は住宅のコストに関係する話で、本命が他社であっても聞いてみたい内容です。「以前の当社セミナーでも大変好評だった内容」と伝えてみてもいいでしょう。
アプローチに使える方法にはこの 3 つの他にも、プラン・見積もりのアポもあります。
ただプラン・見積もりのアポをあえて除外したのは、本来なら選ぶべきではない客層まで拾ってしまう可能性があるから。
つまり良いお客様であれば、自然にプラン・見積もりへと発展するからです。
もちろん状況によって、プラン・見積もりのアポが取れる場合は、これを使っても構いません。
このように、少なとも 3 つの方法を使い回せば、アポ取得手段でそれほど困ることはなくなるはずです。
ポイントは離脱したリストから、打ち合わせの場に再び浮上させることです。皆様の頑張りに期待しています。