専門コラム 第33話 住宅営業にとって集客力は必要か?
集客力というワードは、特に日本の営業分野では、それほど積極的に使われる言葉ではありません。
しかし営業は将来に亘り、安定した地位が約束されているわけではありません(これは営業に限られたことではありませんが)。
そのため営業こそ、経営者的な視点を持ち、仕事をすすめるべきです。
もし「集客力は住宅営業にとって必要か」と問われたら、筆者なら迷わず「YES」と答えるでしょう。
住宅営業にとっての集客力
集客力は契約力と同じぐらい重要
かつて営業には「契約する力(契約力)こそ重要」と言われた時期がありました。
これには契約力の重要性を説いた、ある営業本が関係しています。
契約力とは、お客様との契約を無事遂行できる力のこと。
「決めきれる力こそ、営業にとって重要」というテーマだったと記憶しています。
著者の本は筆者も参考にしていた時期があり、書物のほとんどを読破したものです。
ただ契約力について触れた本書は、素直に受け入れることはできませんでした。
なぜなら「(インターネットの発達で)見込み客はそれほど苦労せず、集められるようになった」との著者の主張に、どうしても違和感があったからです。
また著者が在籍した会社は、その当時、絶大な影響力がありました。
それゆえ営業マンが集客を意識しなくても、活動に困らないだけの見込み客が十分集まったと想像します。
しかし住宅を建てる方の志向が多様化したいま、再び同じことが言えるかという疑問があります。
また個々の営業マンの所属会社が、業界のなかでどれだけブランド力があるのという問題も残ります。
契約力が重要な営業スキルなのは分かります。
しかし契約力と同じように、各々のレベルに応じて準備すべきなのが集客力です。
ちなみに、ここで言う集客力とは、
- 見込み客が全くのゼロ状態から、見込み客と言えるターゲットを集めてくる力
- 集めた見込み客から、契約を前提とし、打ち合わせが可能な折衝客にランクアップする力
のことです。
集客はもっともお金が掛かる営業コスト
マーケティングの世界では、むかしから「集客力はもっともお金が掛かる営業コスト」と言われてきました。
集客と聞いて、まず思いつくのが広告などの販促費です。
TVCMで独占的な力を持つ電通が、2019年6月の中間発表で12億円の赤字に転落したことは皆さんもご存知でしょう。
それでも多くの企業が、多大な広告費を掛けてCMを打つのは、集客や商品やサービスの認知のためです。
しかし全国的にCMを展開できるのは、著名な一部の企業だけです。
なぜなら販促費にお金がかけられるのは、潤沢な資金が用意できる企業だからです。
集客コストは大手のメディア広告だけではありません。
中小企業が多い建築業界では、TVCMではなく地方紙や雑誌媒体を使ったチラシ戦略が、いまでも現場見学会などのイベントに多く使われています。
しかしこれらの販促費もバカにならず、中小工務店の間で費用対効果がしばしば論議されます。
ニュースレターなら個人でも集客が可能!
集客力は本来なら営業個人に依存するべきものではありません。
なぜなら営業が集客を意識しだすと、営業にマーケッター的な働きも求めるようになります。
また営業側も、それを売れないことの言い訳にすることにもなりかねません。
会社は営業マンに「売るのが営業の仕事だろう」と発破をかけますが、「顧客を集めて来い」とはなかなか言いません。
なぜなら経営トップは、ほとんど無意識的に「営業が集客に口を挟むこと」を嫌がるからでしょう。
しかし折衝客が一人もいなければ、折衝客を見込み客から見つけなければなりませんし、必要な見込み客がいなければ、新規の見込み客を集める必要があります。
そして根本的な集客という問題が、いつも蔑ろにされてきました。
ただ最近ではどんなにガソリンを消費しても、見込み客のランクアップや新規客の取り込みが、思うようにできなくなってきたのも事実です。
しかしそのような場合でも、あるツールを使うことで「難しい」「コストがかさむから」と敬遠されてきた集客が、お金を掛けず意のままに出来てしまうことをご存知でしょうか。
そのツールこそ、本コラムでもこれまで数回ほど紹介してきた「ニュースレター」です。
ニュースレターの力は絶大なものがありますが、作る人によってその効果は千差万別です。
そのためニュースレターがいまひとつ広まらないのは、「やっても、言われるほど効果が見られない」ことが考えられます。
このコラムでは、この不滅のマーケティングツール「ニュースレター」について、これからも情報発信していきます。
セールスレターのシリーズと併せて、楽しみにしていだければ幸いです。