専門コラム 第321話 住宅は展示場があれば LP がなくてもビジネスが始められる
「ただ住宅ビジネスでは、モデルハウス、または住宅展示場があれば、お客様との“出会い”を作れます。
今回は、「住宅ビジネスと展示場の関係」について、サラッと深掘りしたいと考えています。
住宅は展示場があれば LP がなくてもビジネスが始められる
住宅ビジネスと展示場の深い関係
私たちが取り組んでいる住宅ビジネスは、住宅展示場(モデルハウス)と切っても切れないほど、深い繋がりがあります。
ちなみに住宅展示場には、大きく分けて二通りあります。
ひとつは主にハウスメーカーが展開している固定タイプの展示場で、もうひとつはお客様に引渡しの時期をずらしてもらい、そのあいだ住宅展示場として使わせてもらう、言わば移動タイプの展示場です。
また固定タイプの展示場を、最終的に格安価格で、お客様が所有する敷地に移設もできます。こうして固定タイプの展示場を(リビルド)することも、ハウスメーカーによってはやっています。
いずれにしても、固定タイプでも移動タイプでも、住宅展示場がなければ——または確実に展示場を建てる予定がなければ——、住宅ビジネスはスタートできません。これは営業の皆さんなら、ほぼ全員が頷くはずです。
なぜなら、住宅展示場(または見せられる現場)がなければ、その会社での新規見込み客をほぼ獲得できないからです。3 ヶ月や半年ゼロでクビと言われる場合は、なおさらです。
さらに欲を言えば、展示場には「住宅としての“見せ場”」が欲しいものです。それがなければ、お客様の心にちっとも刺さらないまま、見学・内見が終わってしまうからです。 これって冗談ではなく、営業にとっては切実な話なのです。
展示場を中心とした営業は後々の「トラブル回避」にも必須
しかし住宅会社によっては、展示場がないところもあります。皆さんの中にも展示場がオープンできるまで、住宅セミナーなどのイベントで、名簿を集めた経験があるでしょう。
また展示場があったとしても、創業当時に建てて、もはや“時代遅れ”の建物となった展示場です。こうしたことを考えると、固定タイプの展示場より、お客様から借り受けた移動タイプの展示場の方が、使い勝手はいいのかも知れません。
いずれにせよ、確かに昔は、展示場を持たない住宅会社もありました。
また以前は営業の仲間にも、「俺は飛び込み専門だから」と粋がって、わざと展示場に入らない強者もいるには居ました。
しかし今のご時世、展示場、また最低でも建物の現物を見ないで会社を決めてしまっては、営業もお客様も、あとで取り返しのつかない事態に巻き込まれることもあります。そのとき困るのは必ず営業です。
そのため住宅ビジネスにとって、展示場を中心とした営業は、言った言わないなどのトラブル回避のために「いまや必須」なんだと思います。
というわけではありませんが、「(ランディングページなどがなくても)住宅ビジネスでは、モデルハウス、または住宅展示場があれば、お客様との“出会い”を作れます」ということを、また強調しておきます。
そして住宅展示場には、もうひとつ大事な機能が備わっています。それは名簿を獲得できる機能です。 これが備わっていることで、純粋な住宅ビジネスでは、ランディングページのCTA(Call To Action のこと。具体的には注文ボタン、メール登録フォーム)にあたる部分が必要ありません。これも営業には大事なことですね。
住宅ビジネスにセールスレターは不要?
それと、住宅ビジネスにランディングページが要らないのは、展示場案内の際、見学客に「思いっきり」セールスを掛けていることも関係しています。
ランディングページとはセールスレターが記載されたページのことですが、住宅ビジネスでは、展示場案内において、かなりの熱量でセールスまで持っていきます——もちろん、セールスまで仕掛けられず、展示場案内を終わらせることのほうが多いですが——。
それから、展示場で獲得した名簿に、メールアドレスまで記載されていれば別ですが、通常住所まで書かれているので、ひとまずニュースレターはお届けできます。
これらのことから、住宅ビジネスではセールスレターを書く場面はかえって少なく、そのぶんメルマガやニュースレターを書く力が求められます。
もちろんセールスレターの書き方も、知っておくことに越したことはありません。しかしセールスを仕掛けるのは対面の場面が多い営業マンは、むしろニュースレターやメルマガライティングを重視したいところです。 当たり前と思っていることも、違う見方をすると、物事の意味や重要性に気付くことがあります。次回は久しぶりに、展示場案内について、別の視点でまとめてみました。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。