専門コラム 第68話 不滅のマーケティングツール【ニュースレター】に取り組んでいますか?
ここまでコラムを継続して読んで下さっている方は、コラムの中でいくつか営業・セールスの武器といえるものを紹介していることに、お気づきの方も多いことでしょう。
一つはお客様に出すセールスレターです。
(いわゆる「手紙」のこと。「サンキューレター」ともいいます)
次にニュースレター。
手作りチラシも数回に渡って書きました。
最近ではコンテンツマーケティングについても解説しました。またそれに絡めて、最近では動画マーケティングについても少し言及しています。
ただ駆け出し営業マンに一番おすすめしたいのは、ニュースレターであることは変わりません。
すでに過去に書いていることと重なるかもしれませんが、これまで紹介してきた営業の武器と比べ、どのような利点があるのか、久々にニュースレターのメリットについてまとめてみます。
不滅のマーケティングツール【ニュースレター】に取り組んでいますか?
ニュースレターはグーグルを相手にしなくても良い
ニュースレターはグーグルを相手にしないでも戦えます。
この点は
• ブログやウェブサイトを用いるコンテンツマーケティング
(この場合、厳密には「オウンドメディアマーケティング」と言ったほうが良いでしょう)
• 動画マーケティング
との明確な違いです。
理由はもうお分かりのとおり、ニュースレターはウェブに上げるのではなく、原則としてハードコピー(印刷出力)したものを顧客に配布します。
またメールによるニュースレターも、グーグルのマターに原則として縛られずに済みます。
グーグルに縛られないニュースレターは、コンテンツそのものの良さを追求するだけで勝負できます。
コンテンツの良さで勝負できるということは、純粋に顧客の気持ちに刺さり、大袈裟に言うと心を揺さぶれさえすれば、勝てるということです。
よく言われる、気まぐれなアルゴリズムなどを気にしなくても良いのも、ニュースレターのメリットでしょう。
また同じような意味で、セールスレター、手作りチラシもグーグルを相手にせず戦えるセールスツールです。これらのアナログなレターには、このように共通する利点が備わっています。
ニュースレターは最初の一通で顧客の気持ちを掴める可能性がある
これもウェブコンテンツのデメリットとも言えますが、アナログなニュースレターは、たった一通しか発行しなくても、顧客の気持ちを掴める可能性があります。
さすがにこれは、ブログやウェブサイトでは、考えにくいことではないでしょうか。
一般的にブログやウェブサイトが力を持つには、記事の更新数に比例すると言われています。
特にブログは更新数が最低 100 記事以上、最近では 200 や 300 以上ないと、その効果が出ないともいいます。
これを達成するだけでも、数ヶ月や 1 年後と月日が掛かるでしょう。
またSEOの本格的な効果は、更新数だけを考えれば良いだけではありません。
筆者もニュースレターと同名のWordPressブログを運営していましたが、特別な効果を狙ったわけではありません。
それにしても、ウェブコンテンツの宿命とはいえ、些か気の遠くなる話です。
それに比べるとニュースレターは、最初の一通や二通で反応が得られる場合があります。
また書き方が大きく間違っていなければ、最初の数通程度で反応が得られることは、決して珍しくはありません。
そのためニュースレターは、他のマーケティング施策より、結果が早く出やすいものだとも言えます。
なまじこれがわかっているから、工務店レベルでオウンドメディアマーケティングに、真剣に取り組む例が少ないのかもしれません。
特に結果を急ぎたい営業マンにこそ、ニュースレターはまさにピッタリなマーケティングツールなのです。
ニュースレターは所属する会社のレベルを意識せずとも発行できる
グーグル対策や更新数を気にしないで取り組めるニュースレターです。
ただ少し気になるのが、発行するニュースレターの内容が会社のレベルとそぐわないことで、発行を躊躇する方もいるということでしょう。
もう少し具体的に言うと、扱っている住宅が「なんの変哲もない普通の注文住宅」なのに、ニュースレターの内容は「少し尖った」性能に関する記事を書きたい場合などです。
それでもニュースレターが成立するのかという、営業マンの悩みがあるようです。
ここで思い出してほしいのは、以前もご紹介したとおり、ニュースレターで発信するのは、基本的に扱っている住宅ではありません。
では何をニュースレターで伝えるか。
それは住宅に関する全般的な情報です。
発信するのは、扱っている住宅とは毛色の異なる情報を伝えてもらって一向に構いません。
それがニュースレターの特徴でもあるのです。
別な言い方をすれば、ニュースレターで発信する住宅の情報は、かならずしも実際に売る商品とリンクしなくても全く問題はないということです。
逆にリンクしていることで、顧客から売り込みと取られてしまいます。
ニュースレターは情報発信の場であって、まだ売ってはいけません。
ここは重要なので、しっかり記憶しておきましょう。
ただこのように考えると、ニュースレターで書く題材はいくらでも見つかるはずです。
ニュースレターにネタ切れが起こらないという理由がこれで分かるでしょう。
コロナの世界的な収束にはまだ数年は掛かると言われ、顧客との接触がさらに難しい時代では、俄然ニュースレターの効果が重要度を増しています。
こんな時代だからこそ、営業もレターライティングの技術に磨きを掛けるべきではないでしょうか。