専門コラム 第244話 一度使ったコンテンツを複数のメディアで使い回す理由
これまでこのコラムでは、ニュースレターなどを通じて発信したネタの再利用について、あまり触れて来ませんでした。
これは自分の経験から、そのような必要に迫られることがなかったからとも言えます。
しかしいま、もしくはこれからは違います。
会社の状況により異なりますが、営業マン個人でも、自分のブログ、また SNS を積極的に使っている方はいるでしょう。また少ないとは思いますが、自作の無料レポートで集客を考えなければいけない営業マンもなかには居るはずです。
自身も現役の頃、ニュースレターと、これと同名の自分のブログを細々と運営していました。
目的は自分のリストに教育を進めるためです。そして現在も営業活動を続けていれば、2〜3 種類の SNS を使っていたかもしれません。
ただこのときよく言われるのが、書くネタが尽きてしまうことです。
しかしちょっとした気付きで、ネタに困ることは無くなります。
なぜならネタというのは数ではないからです。 もっと言えば、ニュースレターで使ったものを使い回しすれば良いからです。
一度使ったコンテンツを複数のメディアで使い回す理由
1 このコラムも主要なテーマ数は 3 つか 4 つ程度
「いや。そもそもニュースレターに書くネタにも困っている!」と仰る方も、なかにはいるでしょう。
そういう方は無理をせず、A4 サイズ片面一枚のニュースレターにしてみましょう。
以前、コラムに書きましたが[1]、4 サイズ片面一枚のニュースレターでも、顧客からの反応の凄くいいレターが作れます。
もともとニュースレターは、書き手の飾らない素顔を覗かせることで、読み手は発信者の人柄に惹かれるという、まさに夢のようなツールです。誰でもプライベートな話題を重ねていけば、ニュースレターとして上々の反応が取れるでしょう。
ただ、そこから一歩先に進むには、お客さまの家づくりに何某か影響を与えるコンテンツが不可欠です。そして本コラムはどちらかと言うと、そうした教育型のニュースレターを薦めているだけです。自分には荷が重いと感じられたら、A4 サイズ片面一枚のニュースレターから始めてみましょう。
ちなみに教育型のニュースレターのことを、このコラムでは「ワンテーマ型のニュースレター」と呼んでいます。
そして「ワンテーマ型のニュースレター」が書ける方は、よっぽど物知りなのだろうと思っているかもしれませんが、決してそんなことはありません。
たとえばこのコラムは「営業マン応援コラム」としてスタートしています。
そして過去に書いたことですが、すべての記事は、皆さん宛のニュースレターのつもりで書いています。というのは、自身が書いたニュースレターの実例を全て破棄しています。そこで、どのようなタッチで書けば良いか参考になればと考え、出来るだけ「ニュースレター調」に寄せて記事を書いているのです。
さらに言うとこのコラムは、営業が苦手な方、一般的に性格上不向きとされる方に、少しでも営業という仕事にフィットしてもらおうと記事を書いています。その意味で、このコラムは一般の営業コラムとは違った雰囲気がします。なぜならこういう文章は、普通は成績の良い営業マンが書くのが相場だからです。
しかしこのコラムを書いているのは、元ダメダメ営業マンです。
ようやく人並みの営業に育ったのも、このキャリアの後半戦です。
そんな営業でも一つ誇れることがあるとすれば、ニュースレターを自力でモノにし、それ以降の成績が安定したことです。
ただそんな営業ですから、このコラムで書けることもそう多くはありません。本当です。
思い返してみるとこのコラムは、ニュースレターのこと、それと実は売れる営業ほど「あまり喋らない」ということぐらいです。 言ってみれば、このコラムは核となる 3 つか 4 つを、言葉を変えて伝えているだけに過ぎません。
[1] 『ニュースレターはプライベートな話題だけでも事足りる!』(22年12月20日投稿)
2 ネタは繰り返すほど、学びの深いネタに生まれ変わる!
「3 つか 4 つのこと」とは「随分と少ない」と感じた方は「4 つ 5 つのこと」と言い換えてもらっても構いません。所詮、書けることというのは、集約するとそのぐらいにまとまるものです。
ただ皆さまとの違いがあるとしたら、それは経験と学びです。
そもそもネタとは種類や数ではありません、
お笑いでもセールスコンテンツでも、学びが深いネタほど応用が効くように出来ています。良い漫才師のネタは、何度も繰り返された演芸として輝いています。やすきよ然り、NON STYLE 然りです。
また冒頭で「使い回し」と書きました。
「使い回し」とは、怠惰や適当といったあまり良くない面も見え隠れしますが、言ってみれば「繰り返し伝える」こととほぼ同義と言えます。
そうです。「繰り返し伝える」とは「教育」です。 仮に学びが浅いネタも「繰り返し伝える」ことで、ネタは深みを増します。
このコラムが比較的長く続くのは、この「繰り返し伝える」ことで成立しています。皆さんもネタを深めたければ「繰り返し伝える」ことです。そして伝える回数が増すほど、学びの深いネタに変わっていきます。
3 以前書いたネタを他のメディアで伝えると顧客の LTV が上がる!
ここまで書くと分かるでしょう。
私達がニュースレターで書いたネタを、もっと使い回さなければいけないことが。
そして複数のメディアをお使いの方は、そこでもニュースレターのネタを使うと、読者の LTV も上がると言われています。
LTVとは「顧客生涯価値」とも言われ、新規顧客の獲得が困難になった昨今、LTVは益々重要性を帯びると言われています。
住宅ビジネスはもちろんLTVと無縁ではありません。
住宅ビジネスに於いて「顧客生涯価値」が高い顧客とは、お知り合いや勤め先の部下の方など、新たな顧客として紹介くださるお客さまです。言ってみれば、我々が最も大事にすべきお客さまです。
それが複数のチャネルから情報発信すると、それを受信していない人に比べて、商品の購入率は73%増加し、LTV自体は4.2倍に増えるという話もあるぐらいです[2]。
もちろん数字通りには行かないまでも、減ることは考えにくいでしょう。
ネタは数ではありません。小説家も大事な言葉を主人公に語らせるのは大概が短いセンテンスです。そして教育を主眼に置くなら「繰り返し伝える」ことです。 皆さまの健闘を陰ながら応援しております。
[2] [WEBマーケティングが既存客維持に最適な4つの理由](https://www.youtube.com/watch?v=ZEmCLXgaq4A)
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。