専門コラム 第152話 ニュースレターを出す上で引っ掛かりそうな3つのポイントとは?
ニュースレターの作り方は、何となく理解していただけたでしょうか?
ところで、メール配信で届くニュースレターのことを、日本ではメルマガ——実はメールマガジンというのも、日本でしか見られない言葉らしいです——と呼んでいます。
その意味で、私たちが書こうとしているニュースレターは、多くの点でメルマガと共通しています。
そして、メルマガライターの草分け的存在として知られる高橋浩子さんが書いた書籍『行列のできるメルマガ作成入門』には、メルマガ(いわゆるニュースレター)の書き方として、冒頭の近況報告と巻末に添える編集後記が非常に大事と書いていたことを思い出します——非常に良い本でしたが、迷った末、昨年断捨離をしていまいました——。
もしニュースレターの書き方を、別の方向から探ってみたいという奇特な方は、この本を読んでみられると良いでしょう。
特に前半のインタビュー集では本田健氏を筆頭に、当時のヒットライターがどのような点に苦心し、メルマガを発行していたかが分かります。
ただ2004年に発行された書籍ということもあり、現状に合致していない点が多いことははじめに断っておきます。
さて、今回のコラムは、ニュースレターを出す上で、皆さんが引っ掛かりそうなポイントを3つほどあげて解説しています。
もちろん引っ掛かるポイントは3つで収まらないと思います。
でも早く発行することこそ、当面の目標です。
その観点からポイントを絞らせていただきました。
ニュースレターを出す上で引っ掛かりそうな3つのポイントとは?
本文は自分が得意なジャンルから攻めよう
ニュースレターを発行する方にとって気になるのは、何だかんだ言って、やはり本文に書くネタについてでしょう。
これについては、自分が得意なジャンルから始めるのがいちばんでしょう。
また住宅営業なら建築系のネタより、資金計画全般やファイナンス関連のネタのほうが取っ付き易いはず。
もちろん営業でも、設計出身者や現場監督出身者もいますので、はじめから設計や現場の知識に強い方もいるでしょう。
しかし大抵の方は、そう言ったことを全く知らず、注文住宅の世界に飛び込んだ方が多いはずです。
そういう方がまず覚えるのは、住宅ローンのことや資金計画全般について、または土地探しについてなどです。
逆に言うと、これらのことは営業以外には担えません。
また会社によっては、営業は建築関係の業務に一切触らせない会社もあるようです。
そして、そこには営業を早く現場から離れさせなければ、新しい受注が追えなくなるからとの会社としての配慮もある訳です。
その結果、営業のキャリアだけは相当長いのに、設計や現場のことをあまり知らない営業もいます。
じゃあそれが理由で、住宅営業が発信するニュースレターが書けないかというと、それも違います。
講談社が運営する『現代ビジネス』には、「住まい方研究所」という特集ページ[1]があります。
ここに出稿されている記事のタイトルをご覧ください。
これを見たら、資金計画やファイナンス関連で「ネタが尽きる」とは言えなくなるでしょう。
とにかく住宅は、書けるテーマが広範囲に広がっています。
先回の記事で、アラカルト的ニュースレターではなく、“ただ注文住宅の場合は、ワンテーマに絞ったニュースレターのほうが向いている”と書いた意味が、これで分かってもらえるかもしれません。
難しい建築ネタなどは、知識の蓄積がある程度まとまってからでも良いのです。それより自分の得意な分野を深掘りすることです。
[1] [住まい方研究所|現代ビジネス](https://gendai.ismedia.jp/list/theme/sumaikata)
ニュースレターは中立の立場を守り、決して売り込まないこと
何かモノを書く際、視点をどこに据えるのかは誰しも迷うことです。
まずニュースレターは営業マン自身の「私信」ですから、一人称のタッチで仕上げるのが基本です。
そしてニュースレターの本質は、自社の考えや思想を押し付けない、あくまで「セールスしない」レターであることが鉄則です。
そのため伝える情報には、あくまで中立の立場を保ちます。
逆にニュースレターが会社の考えを押し付け、あわよくば売らんがためのレターだとしたら、レターをもらった顧客はどう感じるでしょう。
多分そんなレターなら「もう送らないで」と拒絶されるか、即刻ゴミ箱行きとなるでしょう。
しかし自社の考えを押し付けない、「セールスしない」レターなら、ゴミ箱行きとなるどころか、なかにはいつも楽しみにしてくれる読者もいてくれます。
そして、二つの工法があった場合、それぞれの工法の利点や弱点を公平に指摘し、どういった条件でその工法を採用するかを、読者の視点で分かりやすく解説します。
読者はこのような営業マンからの私信に、情報の正しさから強い信頼を寄せるようになります。
従ってゴミ箱行きになるどころか、「時期がきたらこの営業マンに、自宅の工事の相談をしよう」と考える人が必ず一定数表れます。
もう一度言います。
ニュースレターを書くなら、必ず中立公正な立場を守ってください。
そして、あくまで「セールスしない」レターを心掛けること。
これがニュースレターの大事なキモとなります。
こんな長い文章、本当に読んでくれるの?
よく、文字の多い手紙は大抵の顧客から拒絶される。
そこで文章を書くなら「中学生でも読める短い文章を心掛けるべきだ」というのが、ネット時代になり、必ず言われるようになってきました。
確かに文章は、入試の長文のように難解なものではなく、平易で分かりやすい文章を心掛けるというのは正しいでしょう。
しかし長くてページ数の多い手紙が読まれないと考えているなら、それは大きな誤解です。
ジェイ・エイブラハムの言葉を借りれば、人は興味がある手紙は、例え何ページあっても読むものだと書いています。
そして彼の名著『ハイパワー・マーケティング』の中で、セールスレターは必要な内容を十分盛り込むようにすべしと、ジェイは語っています。
同様なことが、ニュースレターにも言えます。
そしてこのことは、せっかくのマーケティングレターが下手に短くすることで、却って失敗することを暗示しています。
ジェイが言うように、クライアントを訪問させた営業マンに、時間節約のためだからという理由で、僅か 30 秒でプレゼンを切り上げることは絶対にあり得ません。
これと同じことが、セールスレターやニュースレターにも当てはまります。
もちろん送っても、レター自体を読まない主義の人もいます。
しかしながら、そういう人にいつも基準を合わせていれば、取れる契約も逃すことになるでしょう。
こんな長い文章、本当に読んでくれるの? 殊にあらゆるレターにおいて、それは不要な心配です。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。