専門コラム 第211話 ニュースレターの神様が微笑むのはどっち?
前回は、せっかくの心温まるエピソードを、宙ぶらりんにしたまま、記事を終えてしまいました。
必要な方は、一応『お客さまはこの店をどういう理由で選んでいるか?』に、あらためて目を通されると良いでしょう。
そしてこのまま読み進める方は、前回残した
「もし目先の売り上げを変えるためだけに、ニュースレターを活用するなら、思ったほどの効果を得られない場合がある」という、そのことの答えを、このコラムではまとめてみます。
細かいことはさておき、記事を書き進めます。
ニュースレターの神様が微笑むのはどっち?
1 ニュースレターは使う人によって結果に差が生じる
ニュースレターは誰が採用しても良いものです。
彼はこういう営業マンだからといった理由で、ニュースレターは使うべきではないということは原則ありません。
ただ筆者はニュースレターを、誰に言われることもなくこれを自然に使い出し、そして使ってみると実際に成果がありました。現役の後半のほぼ全て実績は、ニュースレターに救われたものと言っていいでしょう。
そして現役を離れここ 2 年間は、過去の運用体験や実際にニュースレターを使っている方のメルマガ、ニューズレターなどを参考に(なかにはメールでやりとりさせていただいた方もいます)、いま現在もニュースレターの威力、実力は健在ということを確認しています。
また住宅以外に、保険や不動産会社のトップ営業マンも、ニュースレターを使っています。これも筆者が把握するところで、約 20 年近く変わっていません。
やはり同じ人間同士が使うものです。そう簡単に効果が薄れることはないようです。
ただ使う側の問題によって、ニュースレターの効果は多少バラけると思います。
たとえば所属する会社のレベルが低すぎる場合は、ニュースレター効果は少しずつ逓減するでしょう。したがって前々回に記事にもしたように、住宅会社として、商品(仕様)や保証体制に問題があった場合は、早急にコンセプトから見直しを掛けることが大事になります。 また使う人についても、冒頭にもあったように「もし目先の売り上げを変えるためだけに、ニュースレターを活用するなら、思ったほどの効果を得られない場合がある」ということも、ニュースレターを推奨する側の意見として伝えておきたいのです。
2 根本から自分の商売を見直したかったから
そして「目先の売り上げを変えるため」にニュースレターを活用するということは、
残念ですがニュースレターを軽く考えているということです。
この話題の発端となったある食品を扱うお店は、
業種は異なれど、皆さんの仲間とも言えるスモールカンパニーです。
そしてコロナ禍の昨年夏、資金は底をつき、どのように店を立て直したら良いか途方に暮れたと言います。おそらく藁をも掴む心境で、メルマガの主が主宰するコミュニティに入ったと想像します。
そしてこのコミュニティでは、決して強制ではありませんが、お客さまとの絆作りに注力します。具体的には、
1)リストを適切に管理し、
2)サンキューレター、ニューズレターで顧客を真の顧客に育てることを学んだと、
筆者は想像します。
多分、一通目のレターを完成するのに、相当な時間が掛かったことでしょう。
そして秋が過ぎ、初冬を迎える頃、何らかの手応えを感じたに違いありません。
使ったことがある方は分かるでしょうが、手応えのようなものを実感できると、あとは想像を裏切るほど、売り上げが好転します。
ニューズレターというツールはそういうものです。
ただ同店の店主は、目先の売り上げを変えるためにニューズレターを使ったのでしょうか。それはもちろん違うでしょう。もっと根本から自分の商売というものを見直したかったはずです。
それは、人によっては、これまでのやり方を全て手放す瞬間もあったはず。
そして、そういう謙虚な思いに神さまは微笑んだのではないでしょうか。
3 これから商売は、大きく二方向に分かれる
なお、前回に記事に書いたメルマガの主は、「これから商売は、大きく二方向に分かれる」と言っています。
一つは「便利かどうかで選ばれる道」
そしてもうひとつは「意味があるかどうかで選ばれる道」です。
スピリチュアルの世界では、昨年の冬至(12 月 22 日)をもって「目醒める側」と「眠ったままの側」に分かれるということらしい——この話は、知っている人も多いことでしょう。
メルマガの主は学者ですから、スピリチュアルなことは口にしないはずです。しかし道が大きく分かれることについては、10年前の氏の書籍でも、20数年前に氏が書いた初刊本の中でも触れていることのようです。
このようなある種の預言のような側面が、メルマガの主を引き付けてやまない所とも言えそうです。
そしてエピソードに登場する同店の店主は、まさにお客さまにとって「意味があるかどうかで選ばれる」方向を選んだのではないでしょうか。
これが、筆者が想像する答えです。
これからニュースレターを始める方に、何かの参考にしてもらえれば嬉しく思います。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。