専門コラム 第45話 ニュースレターの書き方・始め方④
先回に続いて、ニュースレターを書く上での注意点について見ていきます。
長くなりそうなので、早速始めますね。
ニュースレターの書き方・始め方④
パーソナルエピソードの重要性
ニュースレターの冒頭部分ですが、これは大体執筆者の近況や仕事やプライベートでの出来事を綴るのが一般的です。
この書き出しは何かに似ています。それはズバリ、メールマガジンです。
実はメルマガという言葉は和製英語で、海外ではニュースレターの方が一般名称として通っています。
そのためニュースレターの書き出しは、日本で言うところのメルマガが結構参考になります。
ただ残念なことに、最近発行されているメルマガを見ても、近況報告などの書き方がそもそも無かったり、あっても非常に簡略化されているものが多かったり、あまり参考になるものが見当たりません(最近メルマガというものを、あまり読まなくなったということも大きい)。
お勧めできるメルマガを見つけたら、後日紹介したいと思います。
ただニュースレターにとって、パーソナルエピソードと言うのはとても重要です。
何故なら秀逸なパーソナルエピソードは、読者との垣根を取り払う「アイスブレーク」の役目を果たすからです。
パーソナルエピソードを作るポイントは、ごく自然に正直なエピソードをお知らせすることです。
何も笑いを取る必要はありませんし、もちろん威張る必要もありません。
ごくありきたりな日常を素直に語り、できれば最後に自分なりのコメントや感想を付け加える程度で十分です。
そんな飾らないあなたに、読者は何故だか惹きつけられます。
初めはうまくいかないかも知れません。
それでも書き方を研究する価値はあります。
実はニュースレターというのは書いてみると分かりますが、冒頭のパーソナルエピソードで読者の心を掴んでしまうと、その役目の殆どを果たしてしまいます。
つまり読者に「この人の考えに何となく共感できる」と思ってもらえれば、そのニュースレターは成功したも同然です。
反応の良し悪しが生まれる原因は、大体が冒頭部の出来・不出来によるものです。
ここは自分なりに試行錯誤するしかありません。
「コアな情報なのであえて書かない」のは大きな間違い?
幾ら冒頭で惹きつけられたとしても、ニュースレターには省けないコンテンツがあります。
それは読者に「正しい商品や会社の選択基準を伝える」ことです。
具体的には、住宅建築や資金計画に関するコンテンツです。
しかしながら、正しい商品の選択基準を伝えるコンテンツは、何かと専門的な用語が多いと敬遠される方もいるようです。
別の言い方をすれば「コアな情報は難しいので、あえて(無理に)書かない」とする風潮です。
これは一見正しそうな意見にみえますが、本当にそうでしょうか?
これについては、一概のそうだとは言えません。
住宅を検討している見込み客に対する記事は「専門用語を大いに交え、文章化することも必要」です。
例えば、注文住宅を検討するお客様には、建物(物件)を引き渡すまでに、我々も知らないような言葉を、それこそ貪欲に覚え、これを使いこなしている方も結構います。
逆に専門家の営業マンが、UA値やC値の正しい意味やドレーキップ窓がどういうものか説明できないとしたら、そのほうが考えものです。
UA値・・・外皮平均熱貫流率(どれくらい熱量が家の外に逃げやすいのかを表す数値で、断熱性能を判断する。)
C値・・・相当すき間面積(どれくらい家にすき間があるのかを表す数値で、高気密を判断する。)
ドレーキップ窓・・・1つのハンドルレバーで「内開き」と「内倒し」2つの開閉機能を持つサッシ。気密性・断熱性・遮音性などに優れ、寒さの厳しい北欧の住宅では一般的。)
多少の解説は必要です。
ただ大抵の読者は、専門用語も難なく読みこなします(自分で調べます)。
あまり自分の読者の読解力を、過小評価するものではありません。
ニュースレターは会社単位で出すより営業個々に任せた方が効果的
たまにニュースレターを、お店、会社ごとに発行したケースを見かけます。
しかしニュースレターの本領が出るのは、やはり個人で出した場合です。
お店や会社ごとにニュースレターを出すのなら、歯科医などのクリニック、またブティックや和菓子といった個人経営の店舗での場合などはおすすめできます。
逆に営業マンがいる住宅会社、工務店の場合は、ニュースレターの発行は営業個人には任せて、会社ごとに運営するウェブサイトやブログとは、分けて考えた方が良いでしょう。
これはニュースレターが「売り込まない」レターということに関係しています。
会社でまとめて出すと、どうしても「売り込み臭」が自然に出てしまいます。
また冒頭に社長の挨拶文などが出てきたら、どんなに自然な文章であっても「結局、住宅を売りたいのだな」と感じますし「お客様を惹きつけて止まないニュースレター」とは程遠いものが出来てしまいます。
特別な事情が無ければ、営業マンに書くのを任せた方が、ニュースレター本来の力を発揮するように思います。