専門コラム 第160話 ニュースレターで「教育」という言葉を最初に言い出した人物とは?
先週のコラムで、ニュースレターとセールスレターのいちばんの違いは「共感や教育を行き届かせる」ことだと書きました。
しかし簡単には言いますが、一定期間でも「共感や教育」を読者と共有するには、ある種の心構えが必要です。
そんな「共感」や「教育」について、ニュースレターを使い出した当時は、インターネットもそれほど普及しているわけではありません。
そのためニュースレターの役割を、今のように、「共感」や「教育」と言い切れる下地、また根拠となる事実もありませんでした。
そんなことから、ニュースレターを営業に使い出した際に生まれる、お客様の明らかな変貌、その理由を、上手く言葉で言い表せない時期が暫く続きます。
そして2007年になり、 二人の若者の手によって、『ネットビジネス大百科』という e-book が世に出ます。
この中で一際異彩を放っていたのが、この e-book に封入された「コピーライティング・スキル」についての音声メソッドです。
これについては、以前のコラムでも紹介しているとおり、発信者このコーナーを受け持つ木坂健宣氏――ちなみに「二人の若者」のもう一人が和佐大輔氏――です。
そして彼はプロローグの中で、メルマガ、あるいは「ニューズレター」の役割を――どうでもいいことですが、たしか彼はニュースレターの「ニュース」を、こう正しく発音していました――ダイレクトマーケティングにおける「教育」、あるいは「共感」の過程だと言ったのです。
本日のコラムは、記憶の中で現在も多くのファンの心を掴んで止まない、木坂氏による「コピーライティング・メソッド」のプロローグの言葉を読み解いてみましょう。
ニュースレターで「教育」という言葉を最初に言い出した人物とは?
ニュースレターの持つ懐の深さを再認識する!
記憶を整理すると、ニュースレターには「教育」のような役割があることを、朧げながら意識していたのも事実です。
ただそれが、木坂氏の何気ない言葉でようやく開眼できたわけです。
ニュースレターの持つ懐の深さ、役割の重要性を知ることとなった悦びがどれくらいか、分かるでしょうか。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、これは「氣づき」と言ってもいいでしょう。
なお調べたわけではありませんが、木坂氏の「コピーライティング・メソッド」がネット界隈で話題になると、それ以降、ニュースレターやメルマガの役割を「教育」の過程だと記述する文章が、やたら目に付くようになりました。
逆にいうと、それだけ多くの方が、木坂氏のあの何気ない言葉に救われたのではと思います。
と同時に、自身もニュースレターという「道具」に、以前より愛着を感じることになります。
もしかしたら木坂氏のほかにも、ニュースレターやメルマガに「教育」という役割があることを知っていた方、また言葉にされていた方はいたのかもしれません。
ただニュースレター、それもハードコピーのニュースレターの使い手がいることを、ネットビジネス全盛の時代に、当時 24 歳の若者が知っていること自体が驚きでした。
おそらくこの「コピーライティング・メソッド」に心酔した方の中にも、同じ気持ちの方がいたことでしょう。
コピーライティング・スキルで資金不足をカバーできないか?
では前置きが長くなりましたが、冒頭のリード文でもお伝えしたように、木坂氏が何故メルマガという媒体に――つまりは、自分にとってのニュースレターに――これほどまでこだわったかを見ていきましょう。
当時は木坂氏も二十歳そこそこの学生であって、死ぬほど予備校講師のバイトを入れても、私立大学――彼の通った大学はICUで、彼はここを中退しています――の学費もあって、ビジネスの集客にそれほど予算を割く余裕がなかったと言います。
ご存じのとおり、リアルビジネスでも集客のプロセスほど、コストがかかる行程はないと言います。
皆さんがビジネスオーナーであれば、このことは痛いほど承知しているでしょう。
そこで彼が考え出したことは、コピーライティングのスキルで、資金不足をカバーできないかと言うことでした。
そして彼は少しずつ、それを実行に移していきます。
そして細かい数字は忘れてしまいましたが、彼の少ないリストから、当時としては信じられないぐらいの売上記録を――当時彼が扱っていたのは英語教材です――打ち立てることになります。
その成功から、木坂氏と本場アメリカのコピーライターとの繋がりが形成され、わずか数年で、どこに出しても恥ずかしくない、それも日本初の「コピーライティング・メソッド」が完成します。
「コピーライティング・メソッド」の本編より、このプロローグのストーリーに心を打たれる読者は多いようです。
自身もこれを営業のクルマの中でリフレインして、モチベーションを上げていたことを思い出します。
人の人生、A 面があれば B 面もある
このようにニュースレターの繋がりは、以前にも紹介したドクターツールの小野博史氏もそうですが、意外にも「無名の大家」が多いことに気づきます。
ただ両名に共通しているのは、木坂氏であれば、コピー・スキルの完成が、資金不足をカバーするところから始まっていること。
また小野氏であれば、極度に営業を苦手なことが、独自のニュースレターを作り上げています。
つまりお互いに、活動資金が潤沢に用意されていたわけでも、営業上のメリットが人よりあったわけでもありません。
そして木坂氏に至っては「僕は人よりリストを集められない、アクセスが呼べないことが分かっているから、コピーライティングで売ることを考えた」と、自分の抱えたマイナス面を逆手に取っています。
不利な環境下にあっても、その状況を楽しんでみれば良いのです。
それが人生を「逆手に取る技術」でもあるわけですね。
同一人物でも A 面の自分もいれば、B 面の自分もいるのです
何かの参考になれば嬉しく思います。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。