専門コラム 第126話 セールスレターの「6 フレーム」について【前編】
本日は、セールスレターの「6 フレーム」について、技術的な部分に言及していきます。
なお前回に引き続き、参考にさせていただいたのは『最強のコピーライティングバイブル』という書籍です。
またその原本である、古典的名著『伝説のコピーライティング実践バイブル』をも部分的に参照しています。
したがって当記事における「6 フレーム」の解説の多くは、『最強のコピーライティングバイブル』から抜粋していることを、最初にお伝えしておきます。
と同時に、「6フレーム」について深く学びたい方は、『最強のコピーライティングバイブル』か『伝説のコピーライティング実践バイブル』を手に取られることをお勧めします。
なおロバート・コリアーによる「オールウェザーコート」のセールスレターは、「貨車一杯の石炭を売った男から学ぶセールス・レターの秘密」、「世界一のセールスレター」などでも読むことができます。
これらを参考にすれば『最強のコピーライティングバイブル』や『伝説のコピーライティング実践バイブル』をお持ちでない方も、セールス・レターの構成の大筋は分かるでしょう。
セールスレターの「6 フレーム」について【前編】
「6 フレーム」の冒頭で意識するのは読み手の視点で「共感」すること!
当コラム読者は、これから学ぶ「6 フレーム」とは「一体何を指すの」という疑問があるでしょう。
「6 フレーム」とは端的にいうと、『最強のコピーライティングバイブル』でも語られているとおり「顧客目線で文章を書き上げるためのエスカレータ」というのが、最も分かりやすい表現です。
「エスカレータ」の骨格は下記のとおりです。
- 書き出し
- 描写や説明
- 動機や理由づけ
- 保証や証明
- 決め手のひと言や不利益
- 結び
それでは 1 チャプターにつき 2 個ずつ取り上げ、各フレームについて解説していきます。
1. 書き出し(好奇心をそそって続きを読ませる)
読み手を具体的に限定し、彼らのメリット、悩みを思い巡らす。
2. 描写や説明(提案するものを生き生きと描写する)
書き出しは相手に注目してもらうこと。肝心なのは分かりやすい言葉を使って読み手にイメージしやすくさせる。
以上が『最強のコピーライティングバイブル』を参照した(1)(2)の概要です。
<ここからは筆者独自の解説です>
前半の部分でやることは、読み手のより具体的なターゲティングと彼らの利益となること、痛みや悩みに気づくことです(1)。
そしてもうひとつが、読み手に対して「こう思っていますよね?」などと伝えます。
いわゆる「共感」を意識します。
すると読み手は「自分のことが分かってくれている」と感じ、最後まで読もうと思いやすくなります(2)。
つまり(1)〜(2)では、
- 相手の痛みや悩みに気づき
- 相手に「共感」する
この二つを意識していれば良いことになります。
そしてこのテクニックは、ウェブ記事の導入部分でも頻繁に使われます。
筆者は同じような表現が多用されるのを避けるため、これをあまり流用はしません。しかし覚えておくと、何かと応用できて便利です。
なお(2)までで、セールスレターの視点が「読み手の土俵」から「書き手の土俵」へと移行します。
つまり(1)〜(2)は視点が「読み手の土俵」にあるということを頭に入れてレターを書き進めてください。
中盤部分でやることは解決策の提案と、根拠づけ・約束や権威性の提示
いよいよ(3)以降は、セールスレターの視点が「書き手の土俵」へと移行します。
以下が『最強のコピーライティングバイブル』から抜粋した(3)〜(4)の概要です。
3. 動機や理由づけ(相手にとってどう役立つか説得する)
「シンプルに言えば、相手にどんな得があるか」示すほかありません。
4. 保証や証明(信頼性を証拠立て、信頼を得る)
「読み手がここまで読み進めてくれれば、書き手の土俵に入り込んでいることになる」。
しかしながら内心は「警戒心」でいっぱい。そこで証言による根拠づけ、また損をさせない後押しをここで強調する
<ここからは筆者独自の解説です>
中盤部分でやることは、解決策の提案(3)と、証言による根拠づけ・約束や権威性の提示(4)です。
「新製品のレインコートを 1 週間お試しいただけませんでしょうか」→「当社負担なので費用は全くかかりません」(オールウェザーコート)
「そのお礼に、2000 円分のワイシャツまたはブラウスをプレゼントします。さらに通学カバンも 2100 円でご奉仕します」→「どこよりお買い得な買い物ができることは、私どもがお約束します」(神田商会)
「下取り価格と低金利により、新しいプランは現在のお支払いプランと比較してもほとんど差(追加出費)がありません」→別途、テーブル資料でお支払いプランを提示(アウディ世田谷)
なお信頼性を証拠立てには、もっと客観性があるものが必要と考える方もいますが、上記程度で問題はありません。
要は顧客が正しく得られるメリットを提示し、顧客に損のない提示であることを示すことに尽きます。
逆にこの場面で、できるかどうか不安なことを、顧客に言っては(書いては)いけません。この点は厳に注意してください。
最後の行程はいわゆる「クロージング」
いよいよ最終行程となります。
以下が書籍から抜粋した(5)〜(6)の概要です。
5. 決め手のひと言や不利益(不安な気持ちにさせただちに行動させる)
著者の言うとおり、読み手を魚に例えることは失礼なのですが、「この段階は魚が餌を前に迷い、逡巡(しゅんじゅん)している状態」。
そこで文中で読み手の背中をそっと押してあげる。また読み手が損にならないオファーを強気で押していくことです。
商品を買わないことで生じる不利益(痛みや悩みが解決できない)を短い言葉で添えることも一つの方法。
6. 結び(いますぐ行動しやすくさせる)
セールスレターの最終目的は商品・サービスの「購買」や「注文」です。
「いますぐ行動しやすくさせる」とは、どうすれば「購買」や「注文」できるか、示すだけです。
<ここからは筆者独自の解説です>
(5)(6)の行程こそ、リアル・セールスにおける、いわゆるクロージングとなります。
文字どおり、抜粋した内容のように「読み手の背中をそっと押してあげる」、また「読み手が損にならないオファーを強気で押していく」ことです。
理由は、顧客側に商品を買わないことで生じる不利益が発生するからです(5)。そしてこれを短い文章で伝えます。
そして(6)は購入や申し込みの手順を的確に伝えることです。
その際、決して「よろしくご検討ください」などとは言いません。
「今週末までにハガキが到着した方のみに限定させていただきます。いますぐご投函ください」(オールウェザーコート)
のように、何をしたら申し込みが完了するか、それを具体的に余すことなく伝えます。
いかがでしょうか。
最初、割と難しいと感じた方のなかにも、短い言葉に集約すると、そう難しいものではないと思えた方もいるのでは?
次の記事では「6 フレーム」に付随する関連情報を、アレコレまとめてみます。