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専門コラム 第73話 グローバリズムの大元は不要不急の消費?安かろう悪かろうの住宅はなくなる

 

最近のネット利用は、わからないことは検索エンジンを使わず、YouTubeで探す方が圧倒的に多くなったように思います。

今回はそんな中で出会った、ある動画ページが大変印象に残りました。

 

そのページとは「資本主義崩壊後に訪れる超監視社会に備えよ!【リアルマトリックス】※1」です。

 

※参考サイト:資本主義崩壊後に訪れる超監視社会に備えよ!【リアルマトリックス】(https://www.youtube.com/watch?v=QCEuleOtcys)

 

動画の主は、【毎日がアップトレンド】を運営するトレーダーのみつしろ氏です。

そしてゲストには中森護 氏をお招きし、およそトレーダーの運営するチャンネルとは思えない、コロナ以降の世の中がどう変わるのかについて、語ってもらっています(なお筆者は、トレードには興味がありません)。

 

色々参考にもなった動画ということもあり、時間があったらご覧になってみると良いでしょう。

 

   

グローバリズムの大元は不要不急の消費?安かろう悪かろうの住宅はなくなる

動画はアフターコロナの世の中を予測している

 

この動画の概略は、

• ブレトン=ウッズ体制(金本位制)

• ニクソンショック/ドル・ショック(金本位制の崩壊)

• オイルショック(1970 年代に 2 度起きた、原油の供給逼迫、価格高騰、それらによる経済混乱)

から、どのような過程を経てグローバリズムや、それを正当化するマーケティングの誕生、そして結果的にコロナという外圧を生んだかを、中森護氏が丁寧に解説しています。

 

中森氏は「裏の歴史」の専門家として、インペリアル・アイズで情報発信をされているようですが、中森氏のことはこの動画を通じて知りました。

そんなこともあり、筆者はインペリアル・アイズがどのようなメディアかも詳しく知りません。

 

しかしこちらの動画から、注目したいコメントが幾つかありました。

そこで住宅営業の観点からコロナという外圧が、今後どのような影響を住宅業界に及ぼすか考えてみました。

 

安かろう悪かろうの住宅は今後なくなるのか?

 

筆者がまずこの動画で注目したのは、中森氏の「今後、安かろう悪かろうの商品はなくなっていく」との指摘です。

 

コロナショックの影響が良くも悪くも効いてくるのは、来年以降と筆者は踏んでいます。

国際経済は脱グローバリズムに舵を切らざるを得ないだろうという一般の予測と、中森氏の指摘は大きくは外れてはいないでしょう。

 

ただこれを住宅におき換えた時、筆者は多少補う部分は必要だと考えます。

確かに不要とされるのは「安かろう悪かろう」の住宅かもしれません。

しかしこれとは逆に、安価なのに高性能な住宅は、いままでと変わらず一定のシェアは保ち続けるのではないでしょうか。

 

例えば「casa cube」に代表されるような住宅です。

いわゆるキューブタイプの規格住宅はハウスメーカーの住宅より安価ですが、性能面では決して負けていません。

このように「安かろう。しかし良かろう」の住宅は、引き続き残っていくのだと考えています。

 

ここで注意したいのは、最終的な価格に関係なく「性能を無視した住宅」は今後残らないだろうということ。

すでに指摘されていますが、世界的に見ても日本の住宅に足りないものは、気密性能と断熱性能です。

 

断言は出来ませんが、自社の提供する住宅を考えた時、これまで性能を軽視してきた工務店はかなりあるでしょう。

もしそれらに該当する場合は、一般に求められる基本性能がどのぐらいか、冷静に考えてみることをお勧めします。

もちろん足らなければ、生き残るためにも強化する方向で検討してみましょう。

大衆扇動型マーケティングが不要不急な市場を生み出した

 

もうひとつ中森氏のコメントで印象に残っているのは「大衆扇動型のマーケティングが不要不急な市場を作った」との発言です(動画の字幕では「先導型」となっていますが、多分「扇動型」ではないかと思い、この字を使わせていただきます)。

 

住宅購入は、不要不急な市場とばかり言えない部分もあります。

そのため飲食や観光業にみられる、コロナによる初期的ダメージは少なく済みました。

しかし行き過ぎた資本主義経済が、日本の新築住宅を過剰に増やし続けました。

そのため「不要な住宅はもう建てなくても良い」とされる時期は、もう目の前まで来ています。

 

ただし市場から求められる家はそう簡単には無くなりません。

 

例えばこのご時世でも、予約してでも見学したい家(モデルハウス)に多くの住宅購入予定者が集まっています。

また話を聞きたい、相談したいと顧客から熱望される担当者もいます。

それは有名ハウスメーカーの家でもなければ、担当者も凄腕営業マンでもありません。

市場から求められる家の作り手は、どちらかと言えば我々に近い、平凡ともいえる工務店の仕事なのです。

 

皆さまにはまだ考える時間があります。

そして熟慮後の奮闘に期待しています。