専門コラム 第298話 なぜ私がセールスライティングにこれ程までこだわるか?
このコラムは、年末にも書きましたが、営業が不得意と思っている方に寄り添う内容ということで始まっています。
今回は、「筆者がなぜセールスライティングにこだわるか」を書いてみたくなりました。
また全盛期は過ぎたとは言え、いまはまだ、動画や映像が主流です。
その時代にありながら、私がこれほどまで、セールスライティングをおすすめするワケを書き留めておきたい。そう考えました。
暫し戯言(たわごと)にお付き合い下されば、こんなに嬉しい事はありません。
なぜ私がセールスライティングにこれ程までこだわるか?
あまりに凄過ぎ!ジェイのプロローグが残したインパクト
毎日二四時間ぶっ通しで働くような一万人の従業員が欲しいとは思わないだろうか。あなたの製品やサービスにぴったりの見込み客全員の元を訪ねていくことができる営業部隊だ。
もし、私がこうした営業マンを雇うことができるといったら、あなたはどう思うだろう。無給で、疲れ知らずで、病気で休んだり、競合他社に鞍替えしたり、特別な利益を欲しがりもしない営業マン。そしてセールスポイントや締めのスピーチを忘れたりしない営業マン。
そんな営業マンは存在しないとあなたはいうだろう。
しかし、ダイレクト・メールという強力なツールに気づき、使いこなすことで、こうした力を即座に手に入れられるのだ。
『ハイパワー・マーケティング(旧訳)*1』より抜粋
これは言わずと知れた、ジェイ・エイブラハムのベストセラー『ハイパワー・マーケティング』の中の、第13章「ダイレクトメールは一万人の営業部隊」にある書き出しです。
そしてダイレクト・レスポンス・マーケティングにコミットする多くのフォロワーの間で、誰もが記憶する超有名なプロローグです。
そして序章は次のように続きます。
私がいうところのダイレクトメールとは、ビジネスに携わる人が、見込み客やクライアントに伝達する手段として使うあらゆる種類のパワフルな文書を指す。気軽な手紙から、セールスレター、ブローシャー(小冊子)、正式な提案書まですべてを含んでいる。その文書は郵送やEメール、ファックスなどで送られる。
どのような企業、どのようなビジネスマンにも、このダイレクトメールという形式は多くのやり方で利用できるものである。
『ハイパワー・マーケティング』より抜粋
筆者がなぜセールスライティングにこだわるのか。
これは本書、第13章「ダイレクトメールは一万人の営業部隊」の書き出しにすべて描かれています。
ただ、ジェイのこのプロローグを前にしたとき「いつかは越えなければいけない壁だと」は考えられません。
あまりに完璧過ぎて、手も脚も出ないのです。
文について少し学んだ経験がある方なら、これがどれだけ凄い構造を持つ文章であるかが分かると思います。
陳腐な言い回しですが、筆者がなぜセールスライティングにこだわるか。
それはこのプロローグがすべてを語っていおり、そのインパクトは何年経っても消えません。
ジェイが言うように、ダイレクトメールは「一般的にその存在は過小評価されて」います。それはどのような時代にあっても共通して言えることでしょう。だからこそ、少なくとも自分自身は、ダイレクトメール(セールスライティング)というものにこだわりたい。そう思うのです——
*1 ジェイ・エイブラハム (著), 金森 重樹 (翻訳)『ハイパワー・マーケティング』初版 (2005/2/19)
某ハウスメーカーで仕事出来たことがすべての始まり
少し話題を変えましょう。
筆者はある大手ハウスメーカーを皮切りに、住宅営業というキャリアをスタートしています。
そしていつしか、文字を書くことが否応なく「生活の一部」となっていました。
ただ、当初は手紙を書くことや文章を好んでいたわけではありません。それより住宅プランを書くことの方に、真剣に取り組んでいたと思います。
しかし図らずも、このハウスメーカーで住宅セールスの基礎を学んだことが、ライティングスキルが開花した契機に……そう考えると運命の不思議さを、身を以て感じない訳にいきません。
人それぞれ同じ効果・結果が出るとは限らない!
このように私という例を取ってみても、得意なもの・上手くやれるものは、人それぞれの事情で変わっていきます。セールスライティングひとつ取っても、同じような効果が出るとは限りません。
ただ筆者に関して言えば、お客さまに文章で情報を発信することで、営業という仕事を比較的長く続けてこれたことは、どうやら間違いではないようです。
まさにそれに縋る(すがる)しかありません。
ただこうも言えます。筆者はウェブのことはさっぱり分かりません。
しかしリアルビジネスに限って言うなら、現在も変わらず人の血が通った文章や言葉が、相手の心を震わせます。そして波長が合うもの同士が共鳴し引き合うのです。
そして皆さんのように若い方は、目が少しでも元気なうちに、活字を通して得られる情報にも触れておくといい。これが現在、筆者が皆さんに伝えられることです。
紙媒体の柔らかい光線に比べて、動画やテレビは長く見ていると、目や頭が酷く疲れます。
第一、僕などすぐに飽きてしまいます。また自分を錆びつかせないように、夜はなるべくデジタルコンテンツと距離を置くように注意しています。
皆さんも十分気をつけられると良いでしょう。
そして下らない話にお付き合いくださり、どうもありがとうございます。
それではまた!
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。