専門コラム 第277話 【前編】「無言の営業マン」として受注を確実なものとするニュースレターのチカラとは?
つい最近のコラムで、「ただニュースレターは本コラムの言わば専売特許」と書いたばかりです。
そんな訳で、今日は久々にニュースレターについて語ってみたいと思います。
ところで皆さんは、ニュースレターを書いていますか?
コラムを最近読み始めたという方のなかには、ニュースレターがどういうものか知らない方もいるでしょう。
今日はそういう方のために、ニュースレターがどういうものか、
また実際に使うと、どのような役割を果たすかについて、やや駆け足気味となるでしょうが、解説していきます。
ニュースレターはとにかくパワフルです。書くことに興味がある方は、ぜひトライしてみるといいでしょう。筆者もこれで営業に対する考えがガラッと変わりました。 そして初歩的な解説でも、おそらく続編がなければ、とてもまとまらないと思います。
なので本編は前編のつもりで読んでください。
【前編】「無言の営業マン」として受注を確実なものとするニュースレターのチカラとは?
1 ニュースレターとは当コラムでは紙のニューズレターのことを指す
そもそもニュースレターとは、どういうものなのでしょう。
一般的なニュースレターは、いわゆるメールマガジン(略してメルマガ)などと言われるものと大体同じです。
事実、日本で言われているメルマガのことを、欧米では「newsletter(ニューズレター)」と、「ニューズ」を濁って表現します(もちろん、こちらのほうが正しい)。僕たちが一般的に使っているニュースレター、またはメルマガが、正式にはニューズレターと言います。
(ゆえにニュースレターもメルマガも、日本文化が生んだ和製英語です)
またニューズレターというと、一般的にメーラー(メールソフト)に届くメルマガを連想します。もちろんその解釈は間違ってはいません。
ただニューズレターには紙媒体もあり、これもれっきとしたニューズレターになります。
そして多くの場合、オフラインの営業マンがお客さまに書くニューズレターは、この紙媒体(ハードコピー)のもを指すようです。
イメージとして、個人的な意図で作った新聞、また古くは「かわら版」といったところでしょう。
そして面白いことに、この紙のニューズレターは、いまもなお「無言の営業マン」として活躍しています。どの程度働くかといえば、さながら絶頂期のスーパー営業マンを一人雇ったぐらいと言えばいいでしょうか。 何はともあれ、当コラムでニュースレターといったら、この紙のニューズレターのことを指すと思っておいてください。
2 ニュースレターにはどのような効果があるの?
ここから「ニューズレター」という言い方を便宜上改め、「ニュースレター」で通します。
さて、筆者はリード文(プロローグ)のところで、
ニュースレターはパワフルです。書くことに興味がある方は、ぜひトライしてみるといいでしょう。筆者もこれによって、営業に対する考えがガラッと変わりました。
と書きました。
次はニュースレターを使うと、実際にどのような効果が体験できるか。
これについてみていきましょう。
その説明の前に、ニュースレターの効果を知る上で、次の文章が参考になります。
語ることが命の営業マン。
自分の意思を伝えられないというのは致命的な欠点でした。
つまり私は、まったく営業に向かない人間だったのです。しかし、ひょんなことから、おもしろいように受注できる方法を私は考え付きました。
自分がしゃべらなくても、受注できる方法を見つけたのです。
その日を境に、私はトップセールスマンになりました。
おかげで、ガスの新規受注は大幅に伸び、普通の会社が月に 2 ~ 3 件受注するところを、
16 件以上をコンスタントに受注していました。
これは地域シェアの、実に 60% を私一人で占めていたことになります。
私は一切お願いをしない。
お客と会うこともしない。それでも新しく家を建てる人は、みんな私のところにガスの供給を依頼してきました。
(「ニュースレター 成功事例」より抜粋)
これはいまから 15 年近く前、「ニュースレター 成功事例」というウェブページ[1]を公開(当時は別のタイトルが付いていたと思います)した小野博史氏による文章のほんの一部です。
2 つ目のパラグラフに出てくる「ひょんなことから、おもしろいように受注できる方法を私は考え付きました。」とあります。
これこそまさに、当コラムで話題にしているニュースレターです。
小野氏は当時、長野県のプロパンガスの会社に勤めており、そこで営業の仕事をしていました。彼の主な仕事はプロパンガス、その他の供給契約を取得することです。
ただ小野氏はまったく営業に向かなかった。
また、彼にはちょっとした持病あり、体調によって自分のしゃべる声が聞こえなくなります。そんな彼がこの方法で、ガス契約のみならず、注文住宅まで売ってしまいます。
私はこの独自の営業方法で、最後には住宅まで売ってしまいました。
(「ニュースレター 成功事例」より抜粋)
しかもわずか 3 ヶ月で 2 棟です。
これは信じられないと思います。
無理もありません。
私が一番信じられないからです。
筆者は前のトピックで、ニュースレターの効果について「絶頂期のスーパー営業マンを一人雇ったぐらい」という言葉を使っています。
これが決して大袈裟ではないことが、小野氏の語りから分かっていただけたでしょうか。
[1] [ニュースレター 成功事例](http://www.drtool-1.com/honpen/)
3 私は一切お願いをしない。お客と会うこともしない
小野氏は言います。
「自分がしゃべらなくても、受注できる方法を見つけた」と。
また彼は
「その日を境に、私はトップセールスマンになりました」と。
じゃあ、貴方はどうなんだ?
「ニュースレターが、そんなにうまく機能したの?」
筆者は小野氏のような玄人はだしの文章家ではありません。
ただ小野氏とは時期が異なりますが、私もニュースレターを使い出しましたが、似たような効果が出ています。
直近のコラムでは、こちらの記事[1]の「ひとり現場見学会」のくだりが参考になるでしょう。
ちなみに「ひとり現場見学会」は、自分で言うのも何ですがかなり大盛況でした。つまり工務店による差は、気にするほど生じなかったと言えます。
また小野氏は、「私は一切お願いをしない。お客と会うこともしない」とあります。
実は筆者、これも実験をしています。
どういうことかと言うと、ニュースレターを出してから次の見学会まで、お客さまを放置していたのです。そうしたら何組かのお客さまが実際に来場され、そこから 2 組が年内に契約する運びとなりました。
筆者がやったことは、来場お礼のハガキを送った後、いつもどおりニュースレターを送っただけです(片方だけ、土地の資料も送っています)。 さて、続編では、ニュースレターの書き方についてまとめていこうと考えております。
待てない方は、小野氏の「ニュースレター 成功事例」を、少し長くなりますがお読みなっておくといいでしょう。
(「ニュースレター 成功事例」は、ウェブページとしてアップしてから、おそらく一字一句たりとも手直ししていないようです。それだけ文章にも、当時の迫力が感じられます)
[1] 「集客コストを掛けなくてもあなたの商売は十分成り立つ」(2023.5.6投稿)
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。