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専門コラム 第175話 【備忘録&総まとめ】「ニュースレター効果」あれこれ (2)

   

前回に続き、「ニュースレター効果」をまとめていきます。

 

なお繰り返すようですが、この【備忘録&総まとめ】はニュースレターのスタンダードな特徴を中心にまとめております。

 

皆さんにとって何かの参考になれば嬉しい限りです。

  

  

【備忘録&総まとめ】「ニュースレター効果」あれこれ (2)

1 ニュースレターを書くとお客さまを教育できる

    

マーケティングとは、イコール「教育」と言ってもいいぐらい、マーケティングでお客さまを教育することは重要なこと。

 

ただ日本語で教育というと、無理矢理「させられている感じ」がどうしても連想されます。

 
そこで木坂氏[1]などは、「教育」というより「共感」に近いことと、どこかの音声ファイルで話しておりました。

 

もちろんニュースレターは「教育」の過程を読者に伝えるのに、適切かつ最良のツールですし、重要な「ニュースレター効果」のひとつでしょう。

 

ではなぜ「教育」がモノを売ることに必要なのでしょう?

 

人間は本来、人から説得されることを嫌います。

 
そして人は自分で話したことしか信用しないといった脳の特性があります。

 
これを「オートクライン」と言います(本コラムでも度々説明しました)。

 

ニュースレターで発信した中立的な(どこにも偏らない)知見は、読者の知識となって取り入れられます。

 
そして知識が増えると、人はその知識を言葉や文章で表現したくなります。

 
家を建てた人が、徐(おもむろ)に建築ブログを書き出すことと同じです。

 

そしてその過程で、お客さまが自動的に営業マン化し始めます。

 
またそこまでに至らなくても、知識や知見が豊かになると、その商品に興味が湧いてきます。

 

クルマが好きな方は、概してクルマに詳しい人が多いことと同じです。

 
また、洋服を好きな方がファッション通であることと同じです。

 

ここでのポイントは、教育とは説得ではないということ。

 

これは最初に説明した「人から説得されることを嫌う」ことにもつながります。

 

このように、ニュースレターで教育が行き届くと、商品を欲しいと考える方を増やします。

 
だからマーケティングでは顧客の教育が重要なのです。

 

そしてここでの教育は、先も言いましたが「中立的な(どこにも偏らない)知見」を伝えなければいけません。

 
この「中立的な(どこにも偏らない)知見」こそ、ニュースレターで行う「教育」と合致しています。

 

「中立的な(どこにも偏らない)知見」は説得とは無縁です。

 
逆にいうと、説得は「自社のメリット」を無理矢理押しつけることにもなりかねません。

 

マーケティングにおける教育がどういうものか、少し腑に落とし込めたのではないでしょうか。

 


 

[1] 木坂健宣氏のこと。

比較的若い方にダイレクト・レスポンス・マーケティングの考えを広めた方として有名。
代表作に和佐大輔氏と作った『ネットビジネス大百科』内の「コピーライティング」に関する音声ファイルなどがあります。

  

  

2 ニュースレターを書くとキャンペーンの告知・イベント案内がしやすくなる

  

キャンペーンの告知やイベント案内が圧倒的にしやすくなるのも「ニュースレター効果」のひとつです。

 

これが可能なのは、多くの方が「ニュースレターでモノを売ってはいけない」ということをしっかり守っているからです。

 

「ニュースレターでモノを売ってはいけない」とは、売り込んでいない、販売の匂いを消しているということ。

 
そのぶん、用紙を別に用意すれば、キャンペーンの告知・イベント案内用のセールスレターは幾らでも書けます。

 

またこれを、ニュースレターと同じ封筒に同封しても構いません。

 

でも、ニュースレター本文とキャンペーン情報を別にしておく分には、売り込みは問題ない。

つまりね、ニュースレターの本文は身近な内容だけにする。

そして、ニュースレターとは、別刷りで紙の色を変えて、売り込みのチラシを作る。

そのチラシをニュースレターの間に挟み込む。これがベストだね”

(『禁断のセールスコピーライティング』より抜粋)

 

売り込みと言っても、住宅営業では、展示場や見学会などのイベントに再来場を促すというカタチが理想的なパターンと言えます。

そして展示場や見学会に再来場した方から、ニュースレターの(またはあなたの)ファンと言って貰えることが、営業にとってのいちばんのご褒美です。

 

そう考えて筆者は現役の頃「ひとり見学会[2]」なるものを、文字どおり筆者ひとりで、もしくはそれ以外の有志の営業と、頻繁に実施していました。

 

ターゲットはもちろんニュースレター・リストへの再来場です。

 

効果のほうは十分過ぎるほどありました。

 
今となっては懐かしい思い出です。

 


 

[2] チラシを打ったりせず、自分独自で行う見学会のこと。見ず知らずの人に建物を公開せずに済むため、施主も「ひとり見学会」なら好意的に協力する方が多い。

 

 

3 ニュースレターを書くと紹介が得やすい、またコミュニティ意識を植え付けやすい

 

最後にニュースレターを書くと紹介が得やすい、またコミュニティ意識を植え付けやすいことにコメントしておきます。

 

筆者はニュースレターから紹介が発生したことも、読者にコミュニティを開放した経験もありません。

ここに書くことは「経験していないことを書いている」と、お考えください。

 

この 2 つはどちらもイメージできることですし、特に前者は、

 

このニュースレターをお友達に差し上げたい場合は、必要部数をお送りいたしますので、ご連絡ください。

(『禁断のセールスコピーライティング』より抜粋)

 
と書いておくだけで済みますから、気楽に紹介活動につないでいけます。

 

また読者コミュニティについても、

 

ひと言で言ってしまうと、ニュースレターに「今月のお客様コーナー」を作って、お客を紙面に登場させる。

さらに「今月のバースデー」コーナーを作る。ここではお誕生日を迎えた方を祝ってあげる。


このように、ニュースレターという紙面上で、コミュニケーションをとるようにすればいい。
  
とあるように、決してハードルは高くありません。

(『禁断のセールスコピーライティング』より抜粋)

 

ただ紹介活動を真剣に進めていくには、会社全体でアフター工事の体制を万全にする必要があります。

 

私たちの仕事は医者と似ているところがあります。

 
ウデの悪い医者や誤診の多い医者に、お客は次第に寄り付かなくなります。

 

少し手厳しい話をすると、紹介が得やすくすることも、コミュニティ意識を育てることも、建築会社の場合、基本は「万全な工事体制」にあります。

決してニュースレターではありません。

 

コラムをお読みの方に経営に関わる方がいたなら、自分の会社の工事体制、アフターの体制に抜かりが無いか、もう一度見直してみましょう。

 

もし工事体制に問題がある場合は、新しい年には古い体制を引っ張らないように、修正を一歩ずつ進めてみてはと思います。

 
そうすれば、今度はお客さまにほうから「ニュースレターを余分に送ってほしい」と、問い合せを受けるかもしれません。

 

新しい年に向けて、皆さんの更なる健闘を祈っております。

  

  

 

  

  

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。