専門コラム 第278話 【中編】「無言の営業マン」として受注を確実なものとするニュースレターのチカラとは?
前編では「そもそもニュースレターとは」、
そして筆者が敬愛する小野博史氏が約 15 年前書いたままの文章(レポート)を参考に、
「ニュースレターを使った場合の効果について」説明しました。
続編ではお約束したとおり、「ニュースレターの書き方」についてまとめていこうと思います。
ただその前に、前編の補足として「ニュースレターを使った効果」で、書き足らなかったことをプラスしておこうと思います。 具体的には、3 つのトピックのうち最初のトピックが「効果の補足」。
残りの 2 つで「ニュースレターの書き方」をまとめていければと考えています。
【中編】「無言の営業マン」として受注を確実なものとするニュースレターのチカラとは?
1 「ニュースレター効果」は、本来多面的に表れるもの
どうして「ニュースレター効果」の補足が必要と思ったか。
それはレターの効果の出方は、画一的には表現できないからです。
要するに「ニュースレター効果」は、置かれた状況によって多面的に表れます。
たとえば筆者が取り上げた「ひとり現場見学会」のようなことは、大抵の住宅会社はやらないでしょう。また営業マンベースでもやる人は非常に限られるはず。
どうして「ひとり現場見学会」をやってみようと思ったのか。
それはレターの反応、「ニュースレター効果」を、「ひとり現場見学会」をやることで掴めるのではないかと思ったからです。
せっかくニュースレター送っても、お客さまも何かしらのイベントが無ければ、手を上げられない。そこで独自企画として、ニュースレターをお送りしているお客さま限定の現場見学会を提供できれば、お客さまも動きやすいのでは? そう思って始めたのが「ひとり現場見学会」です。
たしか初回は「どの号でも結構です。お届けしているニュースレターをお持ち下さい!」と告知しました。
でも「ひとり現場見学会」をやらなくても、展示場に指名しての再来場、電話での問い合わせなど、お客さまからのアプローチ方法は実は無限です——「ニュースレター効果」は、置かれた状況によって多面的に表れると書きましたが、ようはそういうことです。
ただいずれの場合も、共通していることは、お客さまからアプローチがあるということ。
だから、ニュースレターを使ってからこの方、筆者は以下のことを自分に課しています。
「私は一切お願いをしない。」
一体どうすれば、そんなことが可能か?
続けてその疑問にお答えします。次項はニュースレターの書き方です——
2 ニュースレターの書き方、大まかなレイアウトとは
たまにニュースレターを手書きで作成される方もいます。
しかし圧倒的多数の方は、PC のほうが慣れていると思います。
Windows ユーザーであれば Word、
Mac ユーザーの方は Pages、それか Word(Office for Mac)という選択肢になると思います。
以前だと、このコラムでも Microsoft の Publisher をずっと薦めてきました。
理由は印刷スタイルで、A3 面裏(見開き 2 ページ面裏)がセットしやすい。これが最大の理由です[1]。その意味ではいまも Publisher を使う理由は十分あります。
ちなみに小野博史氏は、現在もニュースレター作成の推奨ソフトを Microsoft の Publisher にしているかも知れません。ですが、もちろん見開き 2 ページ面裏は、Word でも Pages でも可能です。
あとは自分で都合の良い方法を選択すればいいでしょう。
次に見開き 2 ページ面裏を前提に、大まかなレイアウト(コンテンツの割り振り)を説明します。
まず 1 ページ目に来る表紙部分には、ニュースレターのタイトル/(サブタイトル)、プロローグ(挨拶文)がほとんどを占めます。またはプロローグのボリュームによって、本文のスペースが少し入ることになるでしょう。
ちなみに筆者が現役の頃、ニュースレターの 1 ページには、ニュースレターのタイトルと、あとはプロローグ(挨拶文)で 1 ページ目を占めていました。
何を書けばそんなにプロローグだけで、スペースが稼げるかと言えば、仕事でのエピソードやプライベートで自分がそのとき興味あることを書いていたからです。
もちろん、そこから仕事の話(いわゆる本文)に繋げなければいけませんので、後半のワン・パラグラフで仕事の話題に持っていく感じです。
いまだったら、プロローグだけでそんなにダラダラ長くせず、
もっと早めに仕事の話題に持っていくと思います(本当かな?)。
次に見開きの2、3 ページは、ニュースレターの本文が来ます。
レターの本文に書くのは、主にお客さまとの会話でよく質問を受けること中心に、家づくりに大事なお金のこと、資金計画、土地探しの注意点、そして良いプランの導き方、建築全般に関係するよもやま話(住宅の性能のこと)などです。
最後に来る 4 ページ目は、自己紹介、会社情報、そして編集後記を、わりとゆったり割り付けていたと思います。
とくにプロフィールは、かなり大き目の写真を使っていました。理由は、最初に出会ったときの印象を、お客さまに思い出していただくためです。 以上がニュースレターの大まかなレイアウト、区分けに関することです。
3 レターは自身をさらけ出したとき相手に伝わる!
これが、筆者が 3、4 週間に一度発行していたニュースレターの大まかなレイアウトです。
ちなみにニュースレターのタイトルは『家づくりのうらかわらばん』といいます。
このニュースレターは小野氏のニュースレターとは別の特徴があるところから、「ワンテーマ型ニュースレター」とコラム上では呼んでいます。そして小野氏のニュースレターを「アラカルト型」と勝手に言わせていただきました[1]。
確かに筆者のニュースレターは、住宅計画の話題に絞った、いわゆる「ワンテーマ型」です。
しかし、あらためて振り返ると、実に「自分勝手な」ことばかり書いたものだと呆れます。
長すぎるプロローグもさる事ながら、自分の個人的なこともずいぶんと話題にしています。
これを「自分勝手な」レターだと非難できないで、どんなレターなら「自分勝手な」と言えるのでしょうか……。
それでもこのレターに価値あるとすれば、書いた本人の「人となり」が如実に伝わるレターという点です。
皆さんが書くレターは、大切なお客さまに自分の「人となり」が、しっかり伝わっているでしょうか?
もしニュースレターの反応が取れなくて悩んでいる方がいたら、いま一度、この人間味という視点で振り返ってみてほしいと思います。
人はどんな場合でも、自らをさらけ出したとき、相手も自らを語ってくれるものです。 それでは、次回が最終回になります。
最終回はニュースレター全体の主な注意点についてまとめる予定です。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。