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専門コラム 第366話 豊かな読書経験こそ営業生命を生き長らえる秘訣

 

前回記事に書いていることで、伝えたいことは大体網羅しています。

ただもっぱらの悪文のため、それが全ての人に伝わったとは考えていません。

そんなわけで、もう少し踏み込んだ視点で、営業が良書にめぐり逢うことの意味、また本を読むことがいかに大事かを、一緒に考えていきましょう。

  

豊かな読書経験こそ営業生命を生き長らえる秘訣

十分な読書体験だけが永続的なアウトプットを可能にする

はじめに断っておきますが、今回の記事の主張も前回同様、少しも変わってはいません。

つまり高いセミナーに行って文章力を上げるぐらいの気持ちがあるのなら、それをしなくても、良書に出会うことで十分カバーできるということです。

なぜなら、人はいまも昔も書物に書いてあることの真似をして、文章のニュアンスや構成を、見よう見まねで学んだ歴史あるからです。やたらと高額なセミナーが日本に登場したのは、ここ 20 年足らずのことではないでしょうか。

ここで先週に引き続き、もう一度村上春樹氏に登場いただき、良書に出会うためのアドバイス——実は、本文は小説家になろうという人に向けてのアドバイスなのですが——をもらいましょう。

少し長くなりますが、小説を読まないと何も始まらないことの意味が、どの文からも伝わってきます。

それで僕は思うのですが、小説家になろうという人とって重要なのは、とりあえず本をたくさん読むことでしょう。実にありきたりな答えで申し訳ないのですが、これはやはり小説を書くための何より大事な、欠かせない訓練になると思います。小説を書くためには、小説というものがどういう成り立ちのものか、それを基本から体感として理解しなくてはなりません。「オムレツを作るためにはまず卵を割らなくてはならない」というのと同じくらい当たり前のことですね。

そして春樹氏は、さらにこうも続けます。

特に若い時期には、一冊でも多くの本を手に取る必要があります。優れた小説も、それほど優れていない小説も、あるいはろくでもない小説だって(ぜんぜん)かまいません、とにかくどしどし片端から読んでいくこと。少しでも多くの物語に身体を通過させておくこと。それがいちばん大事な作業になります。小説家にとっての、なくてはならない基礎体力になります。目が丈夫で、暇が有り余っているうちにそれをしっかりすませおく……

職業としての小説家  村上春樹 第 4 回「さて、何を書けばいいのか?」|モンキー|vol.4|FALL / WINTER 2014 - 15|より抜粋

こちらは、村上春樹氏長編エッセイ『職業としての小説家 』(スイッチパブリッシング 2015/9/10)の元になるコラムを、文芸誌『モンキー』から抜粋したものです。彼のファンなら、これのハードカバーか、ないしは新潮社からの文庫で手にされている方もいるでしょう。

もちろん前後の文章も筆舌に尽くしがたい良文です。

機会があったら手に取られることをおすすめします。

それにしても、こちらの文章から「読書経験の重要性」が、ひしひしと伝わってきます。

そして、それは生半可な読書体験だと、「小説家として長く食べていけなくなる」と暗に語っている。そんな空恐ろしさすら感じます。

しかしそれは営業という仕事でも同じです。

詰まるところ僕らの仕事は、十分な読書体験だけが、より永続的なアウトプットを可能にします。別の言い方だと、それは営業として「活躍できる期間」といってもいいでしょう。

 

とりあえず、職場でいちばんの読書家になる!

では十分な読書体験とは、どんなことをすればいいのでしょうか?

これに関する最良の答えを言いましょう。

それは支店や所属する工務店のなかで、いちばんの読書家になることです。

いちばんの読書家になると、あなたは支店や所属する工務店で、間違いなくトップセールスになれます。

女優や声優としても大活躍の芦田愛菜さん。

彼女は無類の本の虫としても知られています。

おそらく知性豊かな彼女のことですから、営業マンをやらせれば、営業としても頭角を表すのではと考えています。

しかし誰も彼女が、営業向きな性格とは考えないでしょう。

これだけ本を読むことが大事と言われても、スマホの登場でますます読書から遠ざかっています。そんな時代ですからちょっとやる気になれば、職場でいちばんの読書家になることは、案外とても簡単なことだったりします。

そしていちばんの読書家になれば、営業成績も自然と上昇します。

そして筆者の過去が正しければ、トップ営業になることは時間の問題です。

仮にトップになれないとしても、上位には食い込めるでしょう。

そうすれば、少なくとも成績で営業職を辞する心配からも解放されます。

もしよかったら、トライしてみてください。

注意点をひとつだけ。

それは、ノウハウやフレームワークを集めるための読書なら、やめたほうがいいということ。

読書の基本原則。

それは文脈(コンテクスト)を読むことだからです。

これについては、また時間を割いてお伝えします。

 

夢を現実に変える瞬間

なお、どちらも読みやすい文章にはあまり貢献しませんが、おすすめの良書 2 冊をあげておきます。

それはジェームズ・アレンの『「原因」と「結果」の法則』とオグ・マンディーノの『世界最強の商人』です。どちらも有名な本ですし、両方とも Kindle で入手可能です。

特にあなたが営業マンだったら、後者は鞄に入れて、おりに触れて楽しめることでしょう。

最後にジャズ界の巨人、テナーサックスのソニー・ロリンズの逸話を。

彼がまだ若手の頃、ギグの合間を縫って、レコードショップに赴くと、シンガーのフランク・シナトラをリクエストしたそうです。

ソニーはシナトラの大ファンで、自分のレパートリーにもシナトラの愛唱曲を多く取り入れていました。彼の歌のように演奏したいとイメージしていたようです。

そしてシナトラ特有のホーンライクで簡潔なフレージングを、密かに模倣していたようです。

もちろん、ジャスマンや作家だけが、音楽や文章をコピーやしていたわけではありません。

俳優やスポーツ選手も、手本となる役者やプレイヤーを真似することで、やがて夢を現実に変えています。 そして営業もそれにならってみないかというのが、このコラムからの提案です。

 

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

弊社では現在、新築住宅を手掛ける工務店・建設会社様を対象に、「売るためのロジックの再構築」に集中して取り組んでおります。

令和7年1月度以降、日本国内の主要都市で『営業力アップ』をテーマとするセミナーを順次開催し、住宅営業の工程毎の様々な売れるアイディアを提案しています。