営業職に特化した人事考課制度の指導機関

〒150-0044
東京都渋谷区円山町6-7 1F

TEL : 03-4405-8949

専門コラム 第307話 【前編】経産省が掲げる「社会人基礎力」と筆者が取り組んだこと

 

久々に住宅営業に関する話題を書かなければ。

そう思って、筆者はまた伊庭さんの動画をあたってみることにしました。

『仕事のできない人あるある(社会人基礎力)(元リクルート 全国営業一位 研修講師直伝)』。この動画、何やら経産省が掲げる「社会人基礎力」について語ったものらしく、ようは人生100年時代、幸せな人生、キャリアを歩むため、持っておかねばならないことに焦点を当てたもののようです。 ただ今回ばかりは、たとえ伊庭さんの動画であっても、いつものように心には響いてきません。

  

【前編】経産省が掲げる「社会人基礎力」と筆者が取り組んだこと

経産省が掲げる「社会人基礎力」とは?

この動画で、研修トレーナーの伊庭さんは、仕事が出来ない人の特徴として3つの項目を挙げています。

3つとは、
1)結果を出せない
2)出来た!の基準が甘い
3)発想が乏しい
というもの。

これは伊庭さん自身が新人研修などでよく使う話題だそうです。

これに対応するものとして、伊庭さんは、冒頭でも紹介した、経産省が掲げる「社会人基礎力」を提案しているようです。

経産省が掲げる「社会人基礎力」とは
1)前に踏み出す力
2)チームで働く
3)考え抜く力

経産省が掲げる「社会人基礎力」とは、社会人が身に付けるべき考え方で、こちらにもあるとおり、詳細に書くとこのようなボリューミーな内容となります[1]

筆者は、役人ってよくここまで、「いかにも難しこと」のように書くものだと呆れてしまいます。しかし、こういうことが研修の現場では勉強したつもりになるのか、意外と重宝されるのでしょう。

ただこの3つは、人生100年時代が訪れる以前から語られていたこと。
しかもこの3つ目にある「考え抜く力」って、新社会人でもベテランでも大事こと。
もっと言うと「考え抜く力」よりむしろ「感じ取る力」のほうが、筆者なんかは大事なことではと思います。

また「考え抜く力」を、更に細分化して
1.課題発見力)目的や課題を明らかにする。現状の分析
2.計画力)準備力。解決に向けたプロセスを明らかにする
3.創造力)新しい価値を生み出す力
その対応策を掲げています。

ただ、言われてみればそのようにも見えそうですが、少なくとも筆者はそう考えませんでした。 では現役当時を思い返して、筆者が考えたことを並べてみましょう。


[1] [人生100年時代の社会人基礎力について](https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/jinzairyoku/jinzaizou_wg/pdf/007_06_00.pdf)

  

先輩にあって自分に無いものをちゃんと認識する

営業が伸びるには、売り上げが順調な先輩、あるいは目標としたい上司と現在の自分との差が何なのかを感じ取ります。

その際に必要なのは、長期的なもの(時間がかかりそうなもの)より、短期的に身に付きそうなものです。そして筆者が目をつけたこと。それは、もう何度も繰り返し言っていますが、住宅全般に関する知識です。

どうして知識不足を選んだかというと、住宅のお客さまは、概して住宅に詳しい営業マンのことを、プロとして信用します。また知識不足は本を読むだけでも、結構手早く身に付きます。しかも不明な箇所は、稼働している工事現場で確認できます。

これを、一年をとおして意識的に行えば、基本的なものは大体身につきます。

住宅の知識を増やす際、必要になるのは一般的に書籍・専門誌に目を通すことですが、小道具にもこだわってみるもおすすめです。
たとえば、筆者がおすすめの小道具は、スケール、メジャー類です。

多少格好をつけて、コンベックスなどと言ったりしますが、筆者は3Mのものと5Mのもの、それとクルマには敷地調査のときに使うリール型のメジャー(たしか30Mのもの)を、専用の工具箱と一緒に積んでいました。

正確に言えば、筆者は3Mのコンベックスを、常にスーツのポケットに携行していました。
これはプラン説明の際、実際のモノの寸法をお客さまに実感していただくため、コンベックスは建築営業にとって必需品だからです。またコンベックスを持っているだけで、お客さまに建築のプロということのアピールにもなります。

実際、プラン打ち合わせなどでモノの寸法(コンセントの高さ、文庫本や新書版、単行本の高さ、コーヒーメーカーの高さ・奥行きなど)を厭味なくサラッと言うと、「この人、こんなことも知っているんだ」、「ICの人みたい! すごっ」と、明らかに形勢が優位なる場面に遭遇します。 このように筆者は本で得た知識だけではなく、自分の見せ方にもプロ意識を求めていたのです。

 

プラン訓練は20代や30代前半に済ませておいたほうがいい

実際にこれは効果がありましたし、一年も経過すると、結構な量の知識を自分のものにできます。筆者はそれを手帳に書き写してしばらく所有もしていました。あるときは、普段使いの手帳のほかに、バイブルサイズのシステム手帳がちょうど3冊に膨らんだ時期もあります。

これは後年、自分のニュースレターで公開したこともあります。
多分、読者の多くは、私のことを一種の変人と思ったかもしれません。

ただ一つ残念に思うのは、いくら頑張っても、プランの作成能力は何年たっても向上しなかったことです。

別にお客さまに見せなくても良いんです。間取りは、営業には書かせないという会社もあります。


ただプランは実際にやってみると、営業活動や折衝にも幅が出ます。また客前で簡単なプランが書けると、他のどのことより、お客様から「ここの営業さんは違う」と見られます。

そんなこともあって、プラン訓練は、やるならなるべく早くにやっておくことです。できれば20代や30代前半に済ませておいたほうがいいです。

私の先輩に、30代中盤で住宅業界に転職した方がいます。彼もどちらかと言うと、プランの技能はやや低いかなという印象です。多分、プランを書き始めた年齢に、関係がありそうです。若いうちに住宅営業を始められた方は、なるべく早くトレーニングした方がいいと思います。

プランが自在に書けることほど、プロっぽい演出に効果的な方法はありません(少なくとも筆者はそう思います)。

次回のコラムでは、準備力について少し、それと3.の創造力、新しい価値を生み出す力についてまとめてみようと思います。 興味のある方は、楽しみにしていてください。

  

  

   

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。