専門コラム 第73話 春の訪れを待ちわびるパンケーキディ
皆さんは「パンケーキ・ディ」という行事を聞いたことがありますか?
パンケーキディとは英国をはじめ、アイルランドやカナダ、オーストラリアなどのキリスト教圏で行われる伝統行事のひとつ。
特に英国では、現代でも一般家庭になじんだ春を感じさせるイベントです。
今回はそんなパンケーキディにちなんだ、おもてなしアイデアについてご紹介いたします。
春の訪れを待ちわびるパンケーキディ
1. 春を告げる伝統行事「パンケーキ・ディ」とは?
パンケーキディのはじまりは、キリスト教徒が四旬節の断食を行っていたその昔。
諸説ありますが、断食前にどうしても消費しなければならない牛乳や卵、バターを使ってパンケーキを焼いたことが由来とされています。
また「懺悔の火曜日」とも呼ばれており、キリストの復活祭に合わせて毎年日にちが変わるのが特徴です。
今年のパンケーキディは2月13日。
そんな宗教的な行事も、イギリスではすっかり文化のひとつとなり、子供も大人も当たり前のように「その日はパンケーキを食べる日」となりました。
そしてこの日を境に、暗くて寒い冬の先にある「春の訪れ」を待ちわびるのです。
2. イギリスのパンケーキってどんな味?
真冬の水耕栽培用の球根は、花芽がついて根が延びているものも多く、一から育てる手間が省けます。
パンケーキと言えば、日本ではフワフワとした分厚い「ホットケーキ」を想像する方も多いと思います。
ところが英国のパンケーキは、まるでクレープのような薄さが特徴。
焼き上げたパンケーキはくるりと巻き上げ、お砂糖とレモン果汁を絞っていただく素朴なものです。
シンプルであっさりとしているので、甘いものが苦手な方や小さなお子さまにも食べやすいでしょう。
材料・作り方ともにとてもシンプル。
生地さえ作っておけば、フライパンやホットプレートですぐに出来あがります。
<材料>10~12枚分
- 小麦粉:100g
- 卵:1個
- 牛乳:235ml
- 塩:小さじ1/8
- トッピング用:レモン、グラニュー糖や粉砂糖
3. おもてなしやマンネリ気味のディナーにいかが?
英国のパンケーキは、それ自体甘くないので野菜やハム、チーズなど食事系パンケーキとしてもおすすめです。
テーブルにお好みの野菜やフルーツ、フムス(ひよこ豆のペースト)やスモークサーモン、メープルシロップやチョコレートなどのトッピングを並べて、好きな物を乗せて食べるのも賑やかで楽しいですよ。
いかがでしたか?
家にあるもので作りやすく、いろんなアレンジで楽しめる英国のパンケーキ。
2月はパンケーキディにちなんで、ぜひお子さまの誕生日パーティーやランチ、マンネリ気味の夕食のヒントにしてみてはいかがでしょうか。
もともと技術的なことが大好き。
前職は医薬品の工程設計や設備設計に携わり、実際にモノづくりの現場を経験しています。また、技術資料も日常的に制作していました。
そこで培った解析力をもとにお客さまの会社や製品の技術的な良さ、魅力をわかりやすく整理し、デザインを通して発信いたします。