専門コラム 第294話 どうして営業ツールは自作のものがおすすめなのか?
内容は前回に続き、どうして営業ツールは自作のものがおすすめなのか。これについて書いていきます。 これまで読んだコラムと重なる内容があるかもしれません。
ただ非常に大事な内容ですから、繰り返し伝えたいと思います。
どうして営業ツールは自作のものがおすすめなのか?
1 二つを比較すると、あなたならどちらの情報をより得たい?
ことは自分に置き換えれば、大抵のことは分かります。
「隙あらば売らんとする意図が丸わかりのレター」、「純粋で無垢な心を持つ人が書いた挨拶文があるレター」あったとして、それが自宅ポストに投函されていたら、あなたならどちらを読むでしょう? またはどちらの文書を信じるか想像してみてください。
また営業会社がつくったチラシ、そして営業マン自身が書いたただの自己紹介の文章。
両者を比較した場合、どちらの文章だったら読んでみたいと思うでしょう。
あなたが近い将来、家を建てるとします。
先日も日銀総裁から、これまでの金融緩和策から転じ、長期金利の変動許容幅を従来のプラマイ0.25%程度から0.50%に拡大するとを決めたと、マスコミを通じ表明しました。
なのに住宅ローンを相変わらず変動金利型で、割安な資金計画を提案してくる営業マン。
かたやフラット35など固定金利型のメリットを併せて解説し、どちらの金利型を選択すれば良いか提案する営業マンがいたとしましょう。
あなたならどちらの情報を信じ、より読みたいと思うでしょう。
二つを比較した場合、大抵の方が読みたいのは、後者の書いたレターのはずです。
お客さまにしてみれば、マーケティングの知識(売り手が考え出した理論)も不要なのです。
なぜなら多くのマーケティングは(すべてそうとは言いませんが)売り上げを上げる事をメインに考えられているから。
そんな売り手の意図が見え見えのチラシや簡易パンフなら、たとえば、自分と歳の頃も近い営業が一生懸命書く自己紹介の文章のほうに、あなたなら興味を惹かれはしないでしょうか? これで、なぜ営業ツールは自作のものが喜ばれ、結果的におすすめなのか、ある程度想像がつきます。
2 「そういう輩に、私は負ける気がしない」
もう一度思い出してみましょう。
『営業は自分のやり方を早く見つけた者が勝つ』(2023年9月13日投稿)の冒頭に出てくる、研修トレーナーの伊庭さんの言葉を。
そこにはこう書かれていたはずです。
「どのような営業ツールが喜ばれるのか。それを考えるのが営業の仕事です[1]」と……
今度は、あなた自身を振り返って下さい。
あなたは自作のチラシを持っていますか? またこのタイミングで出すと決めている、あなたオリジナルの営業ツールはパソコンに入っているでしょうか。
資金計画書、見積もり兼提案書は、オリジナルの営業ツールとは言えません。
そんなのは、住宅営業なら誰でも持っているからです。
必要なのはあなたが考えた営業ツールです。
そして伊庭さんが言うとおり、それを考えるのが営業の大事な仕事だからです。
またあなたの近くに、こんな人はいないでしょうか?・
他人のツールのやり方だけ盗んで悦に入っている輩を。
しかしそういう輩に、私は負ける気がしない。
理由は、先ほど述べた通りである。
方法はマネできても、中身はマネできないのである。
情報紙と販促ツールの精度、これを作るには、ちょっとばかりコツやセンスがいる。
正しい方向性と的を射た内容が解らないと、成果は出にくい。このテクニックはいわば、無形資産である。
外からは見えない。
だから方法だけをマネしても空振りに終わる。
なぜこう言えるかといえば、以前もそうだったからだ。方法を知った → かじってやってみた → 成果が出ない → やめた。
こういう人がゴロゴロいたのである。
地域のアパート住人をすべて見込み客に変える方法[2]|「顧客との融合の時代」より抜粋
だからマネされても、まったく負ける気がしないのである。
すべては、情報紙と販促ツールの精度なのである。
これは情報紙(ニュースレター)を利用した集客方法について、ドクターツールの小野氏が説明しているページですが、オリジナルの自作ツールがいかに大事かが分かるでしょう。
[1] [【新規営業 やり方】飛び込み営業のコツ!新規営業のやり方はこれ!(元リクルート 全国営業成績一位、リピート9割超の研修講師)](https://www.youtube.com/watch?v=52u-3FNa54g)
[2] [地域のアパート住人をすべて見込み客に変える方法(アパート客囲い込み)|「顧客との融合の時代」](https://abdsh.biz/brd/archives/ncqvfd.html)
3 オリジナル営業ツールの誕生秘話
これは以前も書いたエピソードですが、筆者はハウスメーカー時代、自分の飛び込みの最中、ある会社の創業時のメンバーが作ったと思われるニュースレターらしきものを見たことがあります。
当時、それがニュースレターだと知ったかどうかは定かではありません。
しかし、筆者が手にしている会社が用意した飛び込みチラシより数倍——少なくとも、これから住宅を建てようと考えている方には——興味をそそる、アトラクティブな内容が書かれていました。
そのとき、自分でもこんな自作ツールが作れたら、飛び込みだけで優良な見込み客を開拓できると心底思ったものです。
(その後、その住宅会社は着実に成長し、他県にも支店を有する名の知れたホームビルダーとなっています。)
そういう思いを経て、ワンテーマ型ニュースレターという筆者オリジナルの営業ツールは誕生しています。だから無償でこのツールを公開したことを、正直いまも時々、「こんなことで良かったのか」と考えることがあります。
そのぐらい、オリジナルの営業ツールというのは、営業マンとしての思いの全てが乗り移っています。そして皆さんもぜひ、自分自身のオリジナル営業ツールを見つけてください。
これからも、皆様のご活躍を陰ながら祈っております。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。