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専門コラム 第268話 住宅営業マンが「MSP」を正しく活用する方法

    

さて、本コラムでは久々に新しい用語が出てきました。

それは先回、コラムで登場した「MSP(Me Selling Proposition)」です。

字面を見ていただくと分かるとおり、簡単に言うと「ワタシ自身をウリにする」ということです。何も新しいことはありません。特に皆さんのような営業マンにとって、この言葉が持つ概念は、セールスの基本として昔から常に言われてきたことです。

「商品を売る前に自分を売りなさい!」

ただ今の人にとって、MSP は難しいことかも知れません。

現在は Amazon があれば、人を介さずモノを揃えられる時代です。自分のことを思い返しても、コロナ以降、直接お店でモノを買わなくなってきているのが分かります。

しかし日用品ならいざ知らず、より大事なモノを購入するとき、ネットでもリアル店舗でも、誰かの意見を参考にするのが人の常。
そのような場合に MS Pはチカラを発揮します。 今回は、先回取り上げたばかりの MS Pを、より深く意識して貰おうと考えています。
そして知識として知るだけではなく、日々のライティングに MS Pをどう活用できるか、分かるようにしていけたらと考えています。

  

住宅営業マンが「MSP」を正しく活用する方法

1 日々の営業活動で体験したことを書くのが MSP

 

あらためて MSP とは Me Selling Proposition の略で「ワタシ自身をウリにする」ということ。

もっと今風にいうと、

似た概念に USP-Unique Selling Proposition-があるが、USP が商品やサービスの独自性を表すのに対して、MSP は自分自身の全て(Me)を表す。近しい概念には「キャラクター」「信念」「理念」「コンセプト」といったものがあり、要するに己を形成する感情の全てだと思ってもらえれば、そう遠くはないでしょう。

『【用語集】MSP-Me Selling Proposition- |花が咲く景色を見せたかった[1]』より抜粋

が、近い表現ではないでしょうか。

このブログ記事から察するに、MSP はライティングを基盤としたビジネスには欠かせない印象があります。この今風の MSP を、僕らが行う住宅ビジネスにどう結びつければいいか、やや考えてしまいますが、そう難しいことではありません。

じゃあ、どうすればいいのでしょう?

答えは一つ。(すでに見出しで言っていますが)日々の営業活動で体験したことを綴っていけばいい。
もう一度言います。たとえばニュースレターなどで、自身の営業活動の体験談を発信する。ただそれだけでいいんです。

ニュースレターがイヤなら、SNSでも良いでしょう。
FB や Twitter なら、テキストベースでも発信できます。

またこのことは何度も書いているように、このコラムの文体を参考にしても構いません。なぜならこのコラムは、ニュースレターを想定した文体で書いているからです。そしてその内容は、ほとんどが自身の営業経験をベースに書いています。 僕の営業体験なんて、たかが知れています。
つまり皆さんにも「MSP 的な」発信が十分書けるということです。


[1] [『【用語集】MSP-Me Selling Proposition- |花が咲く景色を見せたかった』]

   

2 「お客さまの声を伝えなさい」はもう古い!

 

自身の営業体験の良いところは、全てがオリジナルだということです。多少突飛なところもありますが、それを含めてオリジナルな文章、表現です。

あらためて MSP に関する引用文をチェックしてみると

 

近しい概念には「キャラクター」「信念」「理念」「コンセプト」といったものがあり、要するに己を形成する感情の全てだと思ってもらえれば、そう遠くはないでしょう。

『【用語集】MSP-Me Selling Proposition- |花が咲く景色を見せたかった』より抜粋

 

とあります。

そうです。自身の営業体験には、ここに出てくる「キャラクター」「信念」「理念」「コンセプト」が詰まっています。

たとえば土地込みで住宅計画を考えているお客さまは、昨今多いと思います。それなら、その営業経験の体験をまとめただけで、「土地込みで計画されている方に知っておいて欲しいこと」というオリジナルなレターが数通書けます。

たとえば
1)実際に内金にかかる費用の相場
2)将来売ることを想定した土地選びのポイント
4)前面道路が私道の土地、旗竿地など、相対的に安価な土地を購入する際の注意点
5)「定期借地権付き住宅」とは?

といった、リアルな営業マンでなければ書けないテーマ、オリジナルレターが揃います。

またマーケティングの世界では、よく「お客さまの声を伝えなさい・載せなさい!」と言います。ただこの考え方はもう古いと思っています。
下手に頭数を揃えて「お客さまの声」を掲載しても、ウェブライターに書かせたウソの「お客さまの声」を、載せているケースが往々にしてあるからです。

しかし自身の営業体験をベースに書けば、そういう質の悪い記事とは異なった、リアルなユーザーエクスペリエンス(UX)が詰まったモノが書けます。
いま求められる「お客さまの声」って、決して頭数ではありません。その話が本当の情報なのかということです。本物の営業マンが書くリアルな体験は、そのことを補ってくれます。

特にネット界隈では、体験というモノを否定、または軽く見るという傾向が長く続きました。またそうすることで――もちろん全てはありません――文章から私、僕(Me)といった一人称が消えました。理由の多くは記事を量産するという、発信元の都合から生まれたエゴの仕業です。

 

比較的有名な概念である USP と違い、(とても重要なのに)ビジネス系の情報であまり触れられない。発案者は別にいるそうだが、発案者自体はあまり布教ができておらず、主に布教に貢献しているのは木坂武宣氏(注:ここは「武宣」ではなくて「健宣」のタイプミスでしょう)。

『【用語集】MSP-Me Selling Proposition- |花が咲く景色を見せたかった』より抜粋

 

MSPについて「(とても重要なのに)ビジネス系の情報であまり触れられない」とあります。しかしこのような新しい概念が、ネット文化にも良き変化を起こすことを筆者は希望します。

   

3 人は体験を語るほうが遥かに自然な行為

 

もちろん書くことがどうも性に合わない方は、自身のトークに磨きをかけて、営業体験を語ってください。
そして喋るとよく分かりますが、どちらかというと一般論を語るより、人間は体験を語るほうが遥かに自然です。

一般論の全てを否定はしません。
でも一般論のようだけれど、真実ではないものが蔓延したら、人はどうなるでしょう。そのようなコンテンツから人は次第に離れていきます。
検索エンジンより、SNS や YouTube に人が集まる理由の多くはそこにあります。

どうだったでしょう。
これが今のところ、MSP についてこのコラムが語れることです。

ただ正直なところ、コピーライティング、MSPなどといった言い回しを、どちらかと言えば避けたい気持ちです。というのも、これらのことを全く知らない、ごく普通の手書きの手紙に(特にハガキ)、かえって人の心に響くモノが書けているから。

特にハガキというメディアは強力です。

ハガキはシンプルな媒体だけに、大抵が手書きで仕上げますよね。
特にこれからは、こうした原始的な媒体が底力を持つように思います。

(もし自分がもう一度営業をするとしたら、手書きのハガキだけで、お客さまの心を射止める。そんな隠れた野望があります……。)

何か MSP とは関係なくなりましたが、とりあえず駄文は、この辺で終えたいと思います。 最後まで読んで下さって、本当にありがとうございます!

  

  

   

記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇

 

弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。

営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。

また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。