専門コラム 第201話 ニュースレターで物を売ってはいけない本当の理由
前のコラムに続き、
ニュースレターで「売りの匂いを消す」ワケを、あらためて振り返ってみます
ニュースレターで物を売らないことは、過去のコラムで何度か触れています。
しかしなぜダメなのかを、正しく伝えている文章は、筆者の知る限りほとんどありません。
なぜニュースレターで物を売ってはダメなのか。
この点が今ひとつ腑に落ちない方は、当記事が何かの参考になるかもしれません。
ニュースレターで物を売ってはいけない本当の理由
1 どんな理論を振りかざしても「売ることが営業の仕事」と考える人はいる
過去のコラムから、ニュースレターで「売り」の匂い消すことが何ゆえ必要なのかを抜き出してみると、次のようになると思います。
つまり、ニュースレターを届けていることは「お客さまを教育している段階」。
そして「教育している段階」なのに、物を売ることは時期尚早という理論です。
またお客さまにしてみても、「いい話を聞かせてもらったけれど、もう売るのか?」、
あるいは「売りたがいために、いい話を聞かせられた」と、ある種「興醒め」というか、人によっては騙されたと感じる方も出てくるでしょう。
また別の局面でいうと、ニュースレターをお送りしているお客さまの多くは、
大概が「気持ちの盛り上がりが足らない」中長期客、または「そのうち」客の方が多い訳です。
または「すでに購買意欲のカーブがすでに低くなってしまった」いわゆる休眠客の方もいるでしょう。
そういう方を相手に物を売ろうとしても、ホットなタイミングを逸した追客になってしまいます。
ということで、こちらも時期尚早、または「時期すでに遅し」となります。
仮に泣き落としで契約が取れても、それは押し売りとほぼ変わりません。
またそういう案件に限って、土壇場でキャンセルを喰らったり、クレームで工事がストップしたり、ロクなことがありません。
しかしこうした理論を、全く解せない営業もいます。
「営業の仕事は物を売ることだ」、「たとえ困難と分かっていても、ダメもとで売りをかけてみる!」
こんな調子の営業マンが、果たしてニュースレターを使うのかという疑問も残ります。
ただ、我々と正反対の営業だっているでしょう。 しかしそういうタイプの営業をも「納得させてしまう理論」があれば、ニュースレターの存在意義は保たれます。
2 ニュースレターの「売りの匂い消す」のに決定的な理由とは?
話は変わりますが、筆者は前回とこの記事を書くのに、
過去によく読んだ本を振り返ってみました。
なぜなら、筆者はニュースレターを使う初期段階から、
すでに「書き手の日常や素顔を素直に自己開示すること」や、今回テーマの「売りの匂い消すこと」を意識的にやっていたからです。
それには、何らかの本から得た知識が根本にあると考えました。
そして出てきたのが、前の記事でも紹介した 2 冊のビジネス本——高橋 浩子 (著)『行列のできるメルマガ作成入門』、岩元 貴久 (著)『情報商人のすゝめ』——です。
なお『行列のできるメルマガ作成入門』のほうは、去年、泣く泣く断捨離をしましたが、『情報商人のすゝめ』はいまも本棚に眠っていました(この本は過去のコラムでも良書として紹介しています)。
そしてあらためて手に取ってみると、この本から大きな影響を受けていることを再確認しました。
特にセールスレターの書き方のところは、永久保存版として、いまもそっくり流用できるものばかりです——また機会があれば、皆さんと共有できればと考えております。
また「納得させてしまう理論」と言えるか分かりませんが、
ニュースレターから「売りの匂い消す」のに決定的な理由が、
筆者の大好きな一節にありました。
それを以下に紹介しておきます。
情報販売ビジネスで、メルマガはお金のかからない集客ツールです。
ただ、間違った理解のもとでメルマガを発行しているひとも少なくないようなので、メルマガの役割について正しい知識を持ってください。
メルマガを発行する目的は、
見込み客を見つけることです。
見込み客を獲得することです。
見込み客、見込み客、見込み客、何が何でも見込み客です。
メルマガの最大の目的は、あなたの情報商材を買ってくれる見込みのあるお客さまを獲得することです。絶対にメルマガで販売してはいけません!
メルマガで儲けようとしてもいけません!
メルマガは見込み客獲得の手段であって、販売の手段ではないということを肝に銘じてください。
『情報商人のすゝめ』より抜粋、p134「成果をあげる7つのテクニック」
3 読者のメリットを考えたニュースレターを目指す
情報販売を「住宅」、
そしてメルマガを「ニュースレター」に置き換えると、
理解が深まって伝わります。
さらに進むと次のようなことも書かれています。
ちょっとしたお小遣いを稼ぐのが目的ならそれでもいいでしょう。
『情報商人のすゝめ』より抜粋。
でも、真剣に成功したいのなら、読者を中心とした、読者のメリットを考えたメルマガにしてください。
これはあなたのイメージ(ブランディング)のためにも重要なポイントですからね。
失礼ながら、メルマガの広告収入をあてにするようなケチなことはしないことです。
読者から強力な支持を受ける存在になることを目指しましょう。
もう分かりますよね。
ニュースレターで物を売ってはいけない理由は、
「ニュースレターの読者から強力な支持を受ける存在を目指す」ためです。
この理論なら、うるさ型の営業も「ぐうの音も出ない」でしょう。
まだ教育段階にあるとか計画が中長期であるとかは、ほんの些細なことです。
それより僕等が目指すのは、ニュースレターの発行でお客さまから圧倒的な支持を受け取ることです。
皆さまの参考になれば何よりです。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。