専門コラム 第191話 発信者の人となりが伝わるニュースレターとは
先日上げたコラム[1]に
「ニュースレターの質を上げる」ことに言及した記事がありました。
えとみほ(江藤美帆)さんが note に書いた
『本当に「儲かるブログ」とは』という記事を引用したものです。
ニュースレターについては、これまでもある程度書いたつもりです。
ただし、それはこの「営業マン応援コラム」を
続けて読んでいる方には分かっても、
それ以外の方は、ほとんど知らないと考えて然るべきです。
そこで、先日上げた記事や、
偶然この記事に訪れた方が迷子にならないよう、
営業にとってのニュースレターの役割、
えとみほさんの記事がどうして素晴らしいか、
できるだけ簡潔にまとめてみます。
そしてニュースレターに関する理解が、
誤って伝播されないことを切に願っています。
[1] 第189話 重点見込み客が途切れない方法と注意点(2022.04.29)
発信者の人となりが伝わるニュースレターとは
1 営業にとってのニュースレターの役割
ニュースレターの役割には、
細かくみていくと数多くあります。
しかし究極のところ、顧客との良好な関係性の維持と
言っていいでしょう。
そしてニュースレターぐらい、この関係性の維持に
効果的な営業ツールは、いまのところありません。
それは分野を問わず、多くのトップセールスが
活用しているもの。
それがニュースレターだからです。
もちろん、現在もそれは変わりません。
ではなぜ関係性の維持がそれほど重要なのでしょう。
それは端的に言って、お客さまは放置してしまうと、
自然消滅するからと受け取ってもらってもいいでしょう。
たとえば、せっかくコストを投じて
見込み客を集めても、
今すぐ客だけを追ってリストを放置してしまうと、
1 年も経たずに、ほぼゼロ客となります。
そのため、おそらくニュースレターで
もっとも効果のある活用法は、フォローレターとして定期的に届けることです。
(もちろん、ほかにもいろんな使い方がありますが、ここでは割愛します)
ニュースレターは知識人の間で、実は驚くほど古くから使用されています。
しかし現在のようなパンデミックの時代ほど、その役割や意義が
再評価されることはなかったと思います。
2 えとみほ(江藤美帆)さんの記事がどうして素晴らしいか
note に書かれた
『本当に「儲かるブログ」とは』という記事。
この記事は、Facebookに書かれた
ある営業マンの「日記みたいなブログ」に
心惹かれた作者が、「最近自分としては
けっこうな金額の大きな買い物をした」一抹を、
とても伸びやかに記しています。
また内容もさる事ながら、
えとみほさんの素直な表現力も圧巻です!
しかしこの記事のスゴさは、これだけではありません。
文章の持ち味だけで商品の購入を決めさせる
と言う荒技を、営業諸君にたくみに伝えています。
——書かれたのはニュースレターではなく FB ですが……
ここでのポイントは、商品や知識の説明ではありません。
あるのは、人となりが伝わる文章です。
「人となり(為人)」とは、
生来の人柄を示す言葉。
また生まれ持った性格のこと。
以前こちらのコラムでも、同じことを伝えています
——記事によっては「為人(ひととなり)」と、
漢字を使って書いているかもしれません。
ニュースレターでは情報のクオリティも重要です。
ただ、それよりも大事なのは、
セールスマンの人柄が伝わる文章です。
言わずもがな、見込み客はそれを読み取って
商品の購入を決めます。
ちなみにニュースレターで効果があるのは、中長期客ばかりと
思う方も多いでしょう。
でも開いてみると、短期決戦、今すぐ客が案外多いことに気づきます。
(えとみほさんが良い例です)
それはNLもブログも、情報の集積より、
むしろ発信者のキャラクターに惹かれるからです。
なお人柄は「伝える」ものではありません。「伝わる」ものです。
ですから営業のメインの仕事は、
人間力を常に上のステージへと上げることと言っても良いでしょう。
3 ウェブ系ニュースレターとの違い
このコラムの他の記事にも書きましたが、
欧米ではにわかに e メール・ニュースレターが
ちょっとしたブームです。
e メール・ニュースレターとは、日本でいうメルマガのこと。
そして案の定、日本にも
NLブームの飛び火がやってきそうです。
ご存じのとおり、ニュースレターと言うワードを
日本語の検索エンジンに入力しても、
これまでロクな結果は得られませんでした。
しかし現在は、以前とは様子が違ってきています。
ただ注意していただきたいのは、
海外から派生したe メール・ニュースレターと
従来からあるニュースレターとの違いです。
いわゆるウェブ系ニュースレターは、
そのほとんどが有料メルマガの流れを汲んでいます。
そのため、レター自体が一種の商品です。
一方、従来からあるニュースレターは
収益ポイントが別にあります。
私たちの場合は「家」ですが、ニュースレター自体は
無料で読めるのがほとんどです。
また、決まりではありませんが、
レター内でセールス臭を匂わせる表現は、原則的にご法度です。
配布したレターで営業マンが売り込んだら、
その時点でセールスは失敗します。
というのも、ニュースレターは見込み客に共感していただくツールだから。
また共感・教育の段階から、セールスを仕掛けてはいけません。
(なぜそうなのかは、ここでは割愛します)
もし日本でもニュースレターのブームが本格化したら、
この辺りは混乱せず、使い分ける必要があります。
以上、ずいぶん端折って書きましたが、
少しでもポイントが正しく伝われば嬉しく思います。 なお質問がありましたら、気軽に声を掛けてください。
記事提供:経営ビジネス相談センター(株) 代表取締役 中川 義崇
弊社は、日本で唯一の『営業マンのための人事考課制度』を専門的に指導するアドバイザリー機関です。
営業マンの業績アップを目的とした人事考課制度を構築するための指導、教育・助言を行っています。
また、人事考課制度を戦略的に活用し、高確率で新規顧客を獲得するための方法論を日々研究しています。