専門コラム 第127話 セールスレターの「6 フレーム」について【後編】
前編は、「6 フレーム」とは何かの説明に集中しました。
ただその分、附帯情報はほとんど触れず書き通したつもりです。
(逆に集中したから、1 記事で「6 フレーム」の概要をなんとか伝えられたかもしれません)
そこで後編では、前回伝えきれなかった「6 フレーム」の関連情報に触れておきたいと思います。
と言っても、大きくは2つです。
- いわゆる「魔法のフレーズ」についてと
- 6 フレームを変化させることはできるか
です。
ほかにも付随する情報はあります。
たとえばPASONA(パソナ)の法則などにも、今回触れるスペースはありませんでした。
これについては別の記事で、テーマを変えてお伝えできればと考えています。
セールスレターの「6 フレーム」について【後編】
「 6フレーム」のなかで出てくる「魔法のフレーズ」とは?
「6 フレーム」で出てくる「魔法のフレーズ」とは、もともと「オールウェザーコート」の作者、ロバート・コリアーがセールスレターで使い始めたフレーズ。
レターの書き出しで使った「ひとつお願いがあるのですが」という文句がコリアーの「魔法のフレーズ」です。
何やら、人がいちばん好意を感じるのは「自分が頼みを聞いてあげたばかりの相手」というヒントから「あなたは私より経験豊富でいらっしゃる。
教えていだだきたい」というメッセージから着想を得たとのこと。
これを神田昌典氏は、神田商会のセールスレターで「お願いがあります」と、見出しのひとつとして使っています。
さらに 2 通目のレターでは、「お願いがあります」という見出しを「お忘れではないですか?」に変更しました。
(ちなみに他の部分は 1 通目のレターほぼ同じ内容で通しています。これは「一度うまくいったDMは、若干手直しすると失敗する」からのようです[1])
また神田氏のもうひとつのレター『ダイレクトマーケティング実践講座––開発メンバー6名募集』のセールスレターで、「ぜひ一肌脱いでもらえないでしょうか」というフレーズを、「動機や理由づけ」の見出しで使っています。
つまり「魔法のフレーズ」とは、「6 フレーム」で書かれたセールスレターで、冒頭や見出しなどで使われる“殺し文句”、また“相手の心理に働きかける”文句と言えばいいでしょう。
「ひとつお願いがあるのですが」「一肌脱いでいただけないでしょうか」のほかにも、
- 力を貸していただけないでしょうか
- 知恵を貸していただけないでしょうか
- 胸を貸していただけないでしょうか
などが考えられます。
ただし「魔法のフレーズ」を使うから、手紙における出だしの定型文が不要なわけではありません。
特に営業マンが特定の顧客宛に書くレターでは、たとえセールスレターでも、従来ある「書簡上の決まりごと」を踏んでおくほうが適切な場面もあります。
実際に「魔法のフレーズ」は、アウディのエース営業のレターでは出てきません。
その意味で「魔法のフレーズ」は、営業マンにとって、適切な場面で使うと考えた方がいいでしょう(ということは、あまり大きな声では言えませんが、「魔法のフレーズ」は省いても良いということです)。
[1] 『禁断のセールスコピーライティング』(フォレスト出版 2014/5/24)
そもそも手紙は読み手によって大きく変化するもの
もう一点大切なことがあります。それは「6フレーム」が変化に対応できるかということです。
結論から言うと「6フレーム」はとても柔軟なフレームです。
したがって慣れてきたらライターの筆力に応じ、柔軟に使ってもらって大丈夫です。
ただし極力「6フレーム」の順番だけは、守ったほうがいいでしょう。
あと手紙は常に読み手が異なります。
フレンドリーに手紙を書ける相手もいますし、まだ密な関係性ができておらず、馴々しく書くと失礼に当たるケースもあるでしょう。
それによって冒頭部の「共感」の仕方なども、微妙に変わってきます。
そもそも手紙と言うのは、不特定多数に出すセールスレターと違い、読み手によってガラッと変わる、もっと積極的に言うと、変えなければいけないものなのです。
つまりそういう場面が必ずあると、思っておいたほうがいいということです。
「6 フレーム」を柔軟に使うためのコツ
またそこで「6 フレーム」に必要なのは、フレームごとでやることを、できるだけ短い言葉で表しておくことです。
前編の記事で「6 フレーム」を 2 フレームごとに分けて、「中盤部分でやることは、解決策の提案(3)と、証言による根拠づけ・約束や権威性の提示(4)です」などとまとめたのはそのためです。
同じように冒頭部では
つまり(1)〜(2)では、
• 相手の痛みや悩みに気づき
• 相手に「共感」する
この二つを意識していれば良いことになります。
終盤の(5)は、商品を買わないことで生じる不利益を気づかせて、「読み手の背中をそっと押してあげる」という意図で、
・読み手が損にならないオファーを強気で押す
です。
そして最後の(6)は、
・購入や申し込みの手順を的確に伝える
です。
簡単に言うと、冒頭部分では「悩みに気づいて共感」し、中盤部分では「解決策の提案」と「根拠」や「権威性」等で今回の提案で得られるメリットの確実性を保証します。
そしてラストの終盤部分では、「読み手が得られるメリット」を強気で押し、「購入や申し込みの手順を的確に伝え」ます。
だいぶ端折りましたがこれが、これが「6 フレーム」を柔軟に使うためのコツです。
こうするとレター(手紙)を出す顧客によって変化もつけやすくなりますし、やるべき項目も飛ばさずに済みます。
本が手元にないと、わからない部分も多かったと思います。
セールスレターに興味が出たら、ぜひ『最強のコピーライティングバイブル』を購入してみることをお勧めします。
それでは皆さんの健闘を祈っております。
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第126話:セールスレターの「6 フレーム」について【前編】
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本編はwebサイトでご覧ください。
https://www.kbs-c.jp/category/column/salesman/
経営ビジネス相談センター株式会社さんの投稿 2021年3月10日水曜日