専門コラム 第96話 ニュースレターに書くネタや題材はどうするのが正解?【前編】
このコラムを読んで下さっている皆様は、9 月の 4 連休をどのように過ごされたでしょうか。
筆者はドライブがてら、比較的新しい集合住宅展示場の駐車場を覗いてみました。
すると、そこは見学者の車で満杯になっていました。
なんだかんだ言っても、新築住宅への需要(あるいは関心)は、決して枯渇しているわけではありません。
これは喜ばしいことです。
ただ集合展示場に出展していない住宅会社にも、自社のビジネスの進め方があります。その一つに数えられるのがニュースレター戦略です。
しかし、最近このコラムを読み始めた方の中には、「ニュースレターを書いてみたいが、どういう題材を選んで書けばいいか分からない」と仰る新人営業の方もいるでしょう。
今回は久々に、ニュースレターに書くネタや題材に関して【前編】【後編】の2回に分けてまとめてみます。
ニュースレターに書くネタや題材はどうするのが正解?【前編】
ニュースレターは顧客との「関係性」を構築する「自己開示」のためのツール
まずニュースレターに書くネタや題材について触れる前に、その他のマーケティングツールの中で「ニュースレター」は、どのような位置付けなのか確かめておきましょう。
最近このコラムでも使われている言葉に、「関係性」「自己開示」というキーワードがよく登場することに気付かれてはいませんか?
「関係性」「自己開示」は、ニュースレターにとって、新しく登場した概念では決してありません。
しかし、「ニュースレターの位置づけ」を考える上で、「関係性」「自己開示」という言葉は、 “ 無視しようのないキーワード”です。
ちなみにグーグルの「検索キーワード」とは無関係です。
結論を先に言うと、その他のマーケティングツールの中において「ニュースレターの位置付け」は
• 顧客との「関係性」を構築する
• 自己開示のためのツール
という事になります。
これは大事なことなので、もう一度言います。
ニュースレターは顧客との「関係性」を構築し、そして「自己開示」をするためのマーケティングツールです。
ニュースレターと同じダイレクトメール(日本語に直訳すると「顧客に出す手紙」)にセールスレターがあります。
セールスレターは何かと言うと、これは文字どおり「売るため(に考えられた)のレター」ですが、ニュースレターは「関係性を構築する」ためのレターです(もう三度も言いました)。
言うなれば、ニュースレターは「顧客と仲良くなるため」、「親しみを感じてもらうため」に書かれるものだと言うこと。
「関係性」を構築するとは、そういったことです。
「自己開示(self-disclosure)」とは何?
それでは「自己開示(self-disclosure)」と言う言葉は、どう言う意味でしょうか?
これも読んで字の如く「自分をさらけ出す」ということ。
もう少しソフトに言うと「自分がどんな人間かを相手に説明」し、そして顧客の「警戒心を解く」ということです。ちょっと古いですが「アイスブレイク」なんて言い方もします。
つまりニュースレターの役割は「顧客と仲良くなるため」、「親しみを感じてもらうため」に、「自分がどんな人間かを相手に分かってもらい」、できれば顧客の「警戒心を解く」ために書く手紙です。
だた手紙といってもニュースレターには色々な形式があります。
以前、筆者がニュースレターを出していた頃は、マイクロソフトの「Publisher」で、A3用紙の両面印刷形式を使っていました。
ただ、最近はA4で「word」、macOSの「Pages」などもよく使われています。
どちらでも使用環境に合ったものを使えば良いでしょう。
話が外れてしまったようですが、ここでは書くネタや題材に絞りたいので、話を基に戻します。
営業に親しみや親近感が湧くのはどんなレター?
ニュースレターで書くネタに絞ると、どのみち避けていただきたいのはセールス色の濃いネタです。
逆にいうと、セールス色が出たネタ以外なら、基本的に何を書いても構いません。
ニュースレターは「顧客と仲良くなるため」、「親しみを感じてもらうため」に、「自分がどんな人間かを相手に分かってもらい」、そして顧客に「警戒心を解く」ために書かれた手紙です。
これに則ってさえすれば、内容はなんでもOKです。
例えば映画を見ることが好きな営業マンなら、その感想をメルマガ風にまとめるだけで、顧客との「関係性」を構築する「自己開示」のための立派なマーケティング・レターになります。
何なら住宅のことは、本文で一切触れないでも構いません。
ただどうせ書くのであれば、おちゃらけではなく、真剣に本気で書いていただきたいのです。
その方がお客様にも何かが伝わります。
書いた営業に親しみや親近感が湧くのは、概してそうしたレターです。
特に新人のうちは、住宅の知識を詳しく知っている方は少ないでしょう。
ニュースレターの良いところは、そういう営業の新人が書いたものでも、レターそのものの質には大して影響しないことです。
書いてみると分かりますが、これは本当です。
それにも関係しますが、ニュースレターでもう一つやってはいけない事は、他人が書いた例文などをコピーして使うことです。
これは何もコピーが悪いのではなく、ニュースレター自体が「自己開示」を求めているからです。
「自己開示」とは、「自分がどんな人間かを相手に説明」し、顧客の「警戒心を解く」ことでした。
当然ですが、他人が書いた例文では「自己開示」はできません。
例えば、先ほどの映画の話題でも、自分が気になった作品を自分の言葉で表現するからレターの価値が上がります。
読者が知りたいことは、軽目の「お役立ち情報」や「家事ネタ」などではありません。
書いた営業マンの「人となり(何をどのように考えているか)」です。
ここが分かっているかどうかで、レターの反応が変わってきます。
もし、他人の例文を使うのなら、よくある「ひな形」を参考にする程度だと思います。
ただ上手な「レター職人」にはなれても、心を動かせないでしょう。
続きは、【後編】をどうぞご覧ください。