専門コラム 第71話 顧客が求める人物像を描けば、営業は何をすべきかが分かる
新年度をコロナショックで幕開けした社会人 1 年生は、入社初年度をテレワーク、リモートワークで始められた方も、相当いるのではないでしょうか。
このコラムは「駆け出し営業マン」を応援する目的で、昨年末から運営しています。
ところが 2020 年も半分に差し掛かり、新年度に相応しい記事はあまりアップできていないことに、いまようやく気づいているところです。
例年とは違い、今年は子どもたちの学校も実質今月スタートしているところも多いようです。
そんなこともあり、今回はこの 6 月だからこそ、新人営業に読んでいただきたい記事をあげてみました。
顧客が求める人物像を描けば、営業は何をすべきかが分かる
新人営業が取り組まなければいけないのは「知識の習得」
結局のところ、新人営業は「何から身に付けたら良いのか」が、分からない方がほとんどだと思います。それでは何を一番先にするべきでしょう。
もちろん社会人として最低限の挨拶やマナーなどは、真っ先に身につけて欲しいものです。
しかしそれらが出来た前提で話を進めると、住宅営業として学ぶべきことは必要な「知識の習得」です。
ここで気をつけなければならないのは、基本的な「知識の習得」は、あなたのことをそれほど悠長に待ってはくれないということ。
なぜなら入社したばかりの新人が、「申し訳ございません。新人なもので勉強しておきます」などと言い訳が効くのは、長くみて半年ぐらいです。
厳しいように思いますが、1 年を経過してまだ同じことを言っていたら、その方の営業生命はすでに終わっていると思ってください。
新人営業には、まず口開けの 1 棟という目標もあります。
しかしそれと同じくらい大事なことが、基本的な知識を得ておくことなのです。
はじめに取り組むと良いのは住宅ローンと建築法規
それでは住宅営業にとって押さえるべき知識の幅ですが、一体どのぐらいあるのでしょうか。
これはかなり広範囲にわたります。
また住宅営業が業務で使う知識の大半は、これまでの生活で経験していないものも多く含まれます。
そのため新人営業はこの業界に来て、初めて聞き覚えることも多くなります。
このことは覚悟しておきましょう。要は覚えることは山のようにあるということです。
そんな中、住宅営業がはじめに取り組むと良いのは、住宅ローン全般と簡単な建築法規(建築基準法など)です。
またこれが分からないと、お客様との込み入ったヒアリングも実施できません。
そのため初期的と言える部分については、遅くとも 3 ヶ月ぐらいを目処に、効率的に会得しておくことをお勧めします。
また余談ですが、住宅ローンの知識は国際経済とも深く関わってきます。
例えば、来年開かれるダボス会議[1]では「グレートリセット」についての議論が予定されています。
「グレートリセット」とは、これから資本主義経済のあり方を、民衆の幸福を中心とした経済に考え直すとしたもの。
ということは、いま各国で実施されているコロナによる金融緩和策も、この「グレートリセット」を前提に進められているとも考えられます。
また次回のダボス会議で決定されたことが、良い悪いは別にして、これまでの国際経済に、考えも寄らない大変革を起こすかもしれません。
つまりマンション投資や、住宅ローンの金利選択で、変動・固定のどちらが良いのかという判断にも、「グレートリセット」が深く絡んでくる可能性は否定できません。
こうして見ると住宅営業という仕事は、学ぶことがいくらでもあると分かるでしょう。
顧客が求める人物像を描けば求める営業像も見えてくる
そもそも営業が何をするべきかは、顧客が求める人物像を思い描ければ分かります。
どんな買い物にも共通するかもしれませんが、とくに自分が好きなジャンルや高額品は、そのジャンルやカテゴリに精通している方からアドバイスを受けたいもの。
これから残っていく住宅営業は、住宅販売に誇りを持ち、何より住宅が好きで、住宅に関する知識が豊富な営業ではないかと、筆者は密かに考えています。
しかし並みの知識ではいけません。
金融にも建築にも同じように詳しく、それにプラスして世の中の情勢にも詳しくなければいけません。
なぜなら、ありきたりな情報や知識だけでは、人の心を動かさないからです。
と同時に豊富な知識を持っていても、営業マンとしては決してこれをひけらかさないこと。
これも、忘れてはならない大事な要素です。
営業で最初に目が出るのは、元気で闊達な典型的営業マンタイプです。
しかし長い目で見ると、どんな時も倒れないのは知識や情報が豊かな営業マンではないでしょうか。
とくにアフターコロナの時代、住宅購入者の多くが求めている人物は、まさにこう言うタイプの方といえます。
取り止めもなくなりましたが、どうぞ頑張って、少しでも上のレベルを目指してください。
あなたの成功を心よりお祈りしております。
[1] スイス・ジュネーブで開かれる「世界経済フォーラム」のこと。通常、毎年1月に開催される