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専門コラム 第64話 IMFが最悪の景気後退を予測!あなたの転職は本当に大丈夫か?

 

住宅業界は、飲食業界とは違い、コロナの本当の影響が3ヶ月から半年後と比較的後に現れます。

そのため今はそれほど影響を受けていないように見えて、半年後にどのような身の振り方を迫られるか全く分かりません。

 

脅すつもりは毛頭ありませんが、事業が苦しくなると、特に営業はいちばん先に足を切られる可能性のある職種です。

仮に今期まだ成果がなくても、幾つか契約が取れそうな見込み客が出ていればまだ安心できます。

しかし、見込みが出ていない営業は、今がいちばん苦しい時期かもしれません。

 

IMFが最悪の景気後退を予測!あなたの転職は本当に大丈夫か?

住宅営業としての転職が今後難しくなる

 

さらに悪いことに、イギリス、ドイツ、日本、アメリカなど先進各国は、今回のコロナについて「迅速かつ大規模な」対応を称賛こそされますが、「景気後退を免れる国はないだろう」と、IMF(国際通貨基金)は指摘しています。

 

具体的には「新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年の経済成長率が前年比3%減になる」と予測した上、「各国経済が過去数十年で最も速いペースで縮小しており、1930年代の世界恐慌以来で最悪の景気後退に直面する※1」と、既に4月14日に述べています。

 

もちろんこのニュースは、日本でも報道されました。

しかし日本のメディアは何故だか簡単にしか扱いません。

ただ「最悪の景気後退に直面」した場合、住宅営業はもちろんのこと、あらゆる職種で今後転職が難しくなります。

筆者から言えることは、多少の不満があっても自分の身を守るために、転職は極力控えるべきです。

 

ただ、今年の中盤以降、どうしても事情が重なり転職を予定している場合は、以下の項目に注意して住宅会社を選ぶ必要があります。

どうぞ参考にしてください。

※1(参考サイト) 世界経済成長3%減、新型ウイルスのため「世界恐慌以降で最悪」IMFの最新見通し|BBCニュース (https://www.bbc.com/japanese/52289457)

 

他社に転職する場合の条件(1):社内に設計・工事部門があること

 

都会ではあまり見られない形態かもしれませんが、地方には大工さんが代表として営業社員を集め、経営している工務店があります。

そしてその多くは、社内に設計・工事部門がありません。

 

こうした住宅会社が全ておかしいとは言えませんが、住まいを提供する工務店としてはあまりお勧めできません。

営業が住宅会社に転職するのなら、最低でも建築士事務所であった方が良いでしょう。

 

例えば営業はフルコミで仕事をしてもらい、そのかわり工務や設計は社員として雇っているのならまだ良いと思います。

しかし設計社員が一人も社内にいないとなると、お客様に対する現場体制として不十分です。

 

なぜ不十分なのか。

それは大工さんばかりに、現場を任せることになるからです。

この場合なら、社長が率いる施工部隊です。

中には設計を外注しているケースもありますが、ほとんどは現場管理まで任せてはいません。

 

何も大工さんの腕や仕事を疑う訳ではありません。

しかし設計や工務がいなければ、正しい注文住宅の現場管理はできませんし、何よりもお客様に安心できる住宅を提供することができません。

 

公共工事だけ受注するのであればこの体制でも十分です。

しかし自由設計で家づくりを請負う場合は、いろいろ問題が出てきます。

 

どんなに状況が苦しくても、このような会社に転職することは避けた方が良いでしょう。

仮にこうした会社に転職しても、営業は成績を伸ばすのが難しいのではないでしょうか。

 

他社に転職する場合の条件(2):引渡し物件等の保証体制が整っている?

 

これも常識的なことですが、(1)で述べた形態の工務店に多く見られるものです。

 

通常、地元の工務店などは「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」で定められた引渡し後の10年保証(瑕疵担保責任)を負うことになりますが、このとき使われるのがJIOやハウスジーメンなどの保証会社です。

しかし問題なのは、これらの保証会社を活用していない住宅会社まだあるということです。

 

こうしたところは現場によっては、保証をつけたり・つけなかったりすることもあるようです。

また会社によっては設計図書類も揃っていないところもあります。

このような体制の会社では、本気で住宅をお客様にお勧めすることができません。

 

第2次安倍内閣になってから、国内の雇用情勢はかなり好転しました。

しかしこの度の消費増税に加え、甚大なウイルス被害により、今後予測されているような景気後退が訪れると、もう今までのようには行きません。

 

今はまだ良いでしょう。

しかしいざ転職しようにも、こんな労務環境が脆弱な会社しか残っていない場合もあるということです。

もしそうなら、転職時の会社選びには十分注意する必要があります。