専門コラム 第63話 自社のウェブサイトを大改革!コンテンツマーケティングへの取り組み(3)〜注目の動画配信サイト〜
前のコラム記事(第62話)で、コンテンツマーケティングに取り組んでいる住宅建築系のウェブサイトは少ないと書きました。
しかし動画配信サイトは、そんなことはありません。
コンテンツとは文章による情報発信するだけではありません。
そう考えると、動画を使ってコンテンツを配信しているところも、新しいコンテンツマーケティングサイトと捉えることができます。
そこで今回は、本コラムでも注目している住宅建築系の動画配信サイトを3つ紹介してみます。
新しい動画サイトはこの3つ以外にも続々と立ち上がっていますが、今回紹介するのは運営時期が早く、すでに1万人以上のチャンネル登録者を抱えた比較的有名なサイトです(一般人が運営する住宅建築系のビジネスチャンネルで、1万人以上登録者がいるということは、成功していると考えて間違いありません)。
もちろん住宅営業の方にも参考になる情報を配信していますので、初めて聞くという方はぜひ一度視聴してみてください。
自社のウェブサイトを大改革!コンテンツマーケティングへの取り組み(3)〜注目の動画配信サイト〜
兵庫県姫路市を拠点に高断熱高気密住宅を追求する「クオホーム」
兵庫県姫路市を拠点に展開するクオホームは「新住協」関西支部に属する地場ハウスビルダー(設備関係会社の事業部)です。
なお「新住協」ということは、ご存知の通り高性能住宅に熱心に取り組む工務店ということです。
クオホームは、ホームページデザインに関わる専任スタッフ1名のほか、総勢3名での運営体制というのに「2019年10月から弊社施工範囲以外のお客様との打ち合わせ、ならびにご案内を現在はお断りせざるを得ない状況になっております※1」と言います(2020年5月現在)。
どれほど工務店の運営が、上手く回っているかが分かります。
そんなクオホームでYouTubeの動画配信を任されているのが、同社で支店長をつとめる本田準一 氏です。
彼の「姫路の工務店クオホーム 注文住宅※2」では、視聴者からの質問に答える形式で、本田さん独特の「早口トーク」を繰り広げられています。
内容は資金計画の質問から建築系に至るまで種々雑多。
本田氏のウソを言わない姿勢が、「この会社に自宅の設計をお願いしたい!」という視聴者の思いにつながっているのかもしれません。
またクオホームは独自の高気密高断熱住宅を展開していますが、これを執拗に勧めていないところも、好感が持てる一因だと思われます。
なおクオホームはホームページのデザインを刷新し、ウェブサイトがとても見やすくなりました。
また、それに伴いテキストブログも、以前より更新頻度を上げています。
こちらの方の情報発信にも期待したいところです。
※1(参考サイト) 体感型モデルハウス|クオホーム(https://quohome.com/special/nagamochimodelhouse/)
※2(参考サイト) 姫路の工務店クオホーム 注文住宅(https://www.youtube.com/channel/UCz_iLH1mxqMh-SEPbe_c1Pw)
神奈川・横浜・湘南を拠点にパッシブハウスを提案する「ラクジュ」
神奈川横浜市を拠点に設計事務所を展開するラクジュは、パッシブハウスや高断熱高気密住宅を追い求める設計工房です。
ラクジュもクオホームと同様、スッタフは数名規模のスモールカンパニーですが、代表の本橋哲幸 氏は一級建築士の傍ら、宅建士としても不動産業も手掛け、なおかつホーム・インスペクターも取得するといった多才ぶり。
そのためラクジュの動画配信サイト「ラクジュ建築と不動産※3」は間取りから土地選びのポイント、中古住宅のリノベーションについての問題点など、建築系以外の話題にも深く精通しており、住宅のプロが見ても勉強になります。
最近では、3Dマイホームデザイナーを使った間取りの実況をライブ配信しておられますが、これはテキストブログでは叶わないことです。
また、それでいて本橋氏の動画は、結構深い話題にも進んで行きます。
なおラクジュの動画の基本形は、必ず初めに「本日語る概要」を、見出しをつけて示しています。
これにより、動画が結構深い話題に及んでも、全体的にまとまった印象に仕上がります。
こうしたところが初めての方にも、分かりやすい動画として印象に残るのではないでしょうか。
今後のラクジュは、これまで以上に、温熱性にこだわった設計を進めて行くとのこと。
これまで以上にラクジュの家づくりから目が離せません。
※3(参考サイト) ラクジュ建築と不動産(https://www.youtube.com/channel/UCenNyYtH2_z4KhUBt-LJUdA)
国内では少ないバイヤーズエージェントを展開する「ふくろう不動産」
以前、本コラム第56話でご紹介したふくろう不動産は、千葉県にある「米国式エージェントサービスを導入した不動産仲介会社」です。
通常の不動産仲介会社は、買い手と売り手といった二方向のお客様を相手にしますが、ふくろう不動産は不動産を買いたい人向けだけに、独自のエージェントサービスを充実させています(ふくろう不動産の中川代表もインスペクターの資格を持っています)。
日本ではまだ少ないバイヤーズエージェントですが、代表の中川氏は口下手ながら、彼ならではの丁寧で落ち着いたトークでYouTube配信しているのが「ふくろう不動産※4」という動画チャンネルです。
筆者の良く知る住宅営業マンは、初見で中川氏のファンになったそうです。
中川氏の情報発信の良さは、通常不動産業者なら絶対取り上げないような内容にも踏み込んでいる点です。
そのため「この人なら騙されないで不動産をじっくり検討して購入できる」と、多くの方から信頼を勝ち得ています。
数や案件数では大手に勝てないでしょうが、知識量と取り上げるテーマの幅広さは、並の宅建士ではおそらく歯が立たないでしょう。
また中川氏は建築分野にも詳しく、ひと昔前(建築系の動画配信者が今ほど多くなかった頃)は、何かといえば「ふくろう不動産」で情報を検索する住宅営業マンもいたそうです。
さすがに現在は、建築系の動画配信も増え情報が手に入りやすい時代になりましたが、集客の良き手本として「ふくろう不動産」が参考になる動画配信サイトであることには変わりありません。
※4(参考サイト) ふくろう不動産(https://www.youtube.com/channel/UCnD6uj71NaPcEOYi5CZO-AQ)