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専門コラム 第59話 新型コロナウイルス感染拡大防止と住宅会社の取り組み

政府による新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する緊急事態宣言は解除されたものの、いまだ予断を許さない状況が続いています。

 

なんとか第一波を脱し得た感はありますが、これは未知のウイルスとの闘いです。

 

今後も継続して厳粛なコロナ対策を講じつつ、それでも経済活動を止めないよう様々な取り組みが必要になる、これは皆が理解していることでしょう。

 

ここでは、大手を含む住宅会社がどのようなコロナ対策を講じているか、あらためて振り返ってみましょう。


 

新型コロナウイルス感染拡大防止と住宅会社の取り組み

基本方針は人との接触率を抑え込むこと

新型コロナ感染症の第一波を抑え込む目的で本年4月に発令された緊急事態宣言(5/25全国で解除)は、当初定めた東京,神奈川,千葉,埼玉,大阪,兵庫,福岡の7つの都府県から、さらに北海道,茨城,石川,岐阜,愛知,京都の6道府県を加え、最終的には計13の都道府県が「特定警戒都道府県」に指定されました。

 

この緊急事態宣言が引き金となり、大手ハウスメーカーを中心に、在宅勤務・テレワークの本格化が進んだことは間違いないでしょう。

   

特にプレハブ大手の大和ハウス工業が、同業他社に先駆けてテレワークを進めたことは、業界紙などでご存知の方も多いと思います。

同社は早くから東京オリンピックを想定し、2月末ごろにはテレワーク対応を進めていたようです。

そのことで、4月に発令された緊急事態宣言にも、比較的スムーズに対応できたと考えられます。

 

また事業規模は小さくても、元々ITインフラの活用に秀でた地域工務店やハウスビルダーの一部は、かえって大手よりスムーズに在宅勤務・テレワークへの移行が進んでいるようです。

 

いずれにしてもこうした対応は、従業員と人との接触率(量)を抑え込むことを最優先した対策と言えます。

いわば原則アフター以外において、現在折衝中のお客様がいた場合でも「うつらない」「うつさない」を第一に考慮し、直接的な接触を控える事を優先しているということです。

 

これが「3月から4月に見られた住宅会社全体の傾向」と考えられます。

 

 

常設・移動展示場(モデルハウス)の使い方はどうだったか?

新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みで、常設・移動展示場(モデルハウス)等の使い方にも変化がありました。

 

これも大手を中心に、初期に緊急事態宣言が発令された都府県では、原則住宅展示場の営業を停止しています。

ただし全てのモデルハウスが使えなかった訳ではないようで、たとえばプランの打ち合わせを進行している顧客がいる場合は、打ち合わせルームとして展示場を開放しています。

会社によってはお客様が営業マンに予約を入れて展示場の見学をすることも可能なようです。

 

ただ少なくとも「特定警戒都道府県」に指定された住宅展示場は、4月7日から5月6日までの間、基本的に営業を停止し、新規獲得は行っていないようです。

 

なお「特定警戒都道府県」に指定されていない地域では、基本の衛生管理を徹底し、且つ3密を控えるという条件下で、展示場を営業しているところもあります。

 

【見学を許容する展示場での対応例】

1)スタッフ全員の健康状況のチェック

2)マスク着用の徹底

3)アルコール消毒液の設置

4)モデルハウスは時間ごとに窓を開けて換気を徹底

5)ドアノブ・手摺、机など、手が触れる箇所は除菌シートによる清掃

6)飲料水・お茶については、ペットボトルで提供

 

各営業マンの対応は?

さてハウスメーカーや住宅会社が、全体的に営業自粛を続けるなか、各営業マンの顧客対応はどのようなものになったのでしょうか。

 

大手ハウスメーカーで、ウェブを活用した「非対面型の住宅提案」が静かに進められていることは間違い無いようです。

 

ここで言う「非対面型の住宅提案」とは、ウェブでほぼ完結する企画型商品の提案です。

 

海外では一般的な方法ですし、日本でもコロナ以前から非対面型の取り組みが進められていました。

コロナ時代に入りこうした取り組みは一層顕著になると考えられるでしょう。

 

また、以前コラムでお伝えした「インサイドセールス」の強化が進みそうです。

 

「インサイドセールス」とは、本コラムで推奨している

• サンキューレター・セールスレターの徹底

• ニュースレターの発行(DM、Webメールを活用)

• オンライセミナーの開催

• チラシ戦略

などと接点が多く、筆者も注目しています。

 

逆に今後敬遠されていく営業方法として

• アポなし訪問

• 無目的な「御用聞き営業」

• テレアポ(日本では特殊詐欺が常に横行している)

があります。

何故か、日本版「インサイドセールス」に関するテレビCMは、いつの間にか消えていますが、この難局を乗り切るためにも「インサイドセールス」の浸透・普及は欠かせないものと考えます。