専門コラム 第58話 自宅で家づくりの基礎が学べる「オンラインセミナー」のススメ
家づくりの「オンラインセミナー」とは、住まいづくりの資金計画や土地建物を取得した際の税金の仕組み、また建物の構造や間取りについての考え方、高性能住宅を求める場合の注意点といった、文字どおり家づくりの基礎が分かる講座を、私たち住宅のプロが独自に開催するというものです。
また営業マンを中心に知恵と情報を集結し、セミナーを開くことで、会社の家づくりに対する考え方を、顧客に広く浸透させることにもなります。
もちろんユーザーも自宅など寛げるオンライン環境で、自由にセミナーを受講できます。
ここでは、自宅で家づくりの基礎が学べる「オンラインセミナー」のススメと題し、オンラインセミナーの概要、進め方のポイントをまとめてみます。
自宅で家づくりの基礎が学べる「オンラインセミナー」のススメ
住宅のお客様は正しい計画の進め方について知りたがっている!
住まいのオンラインセミナーに言及する前に、住宅を建てようと考えている方の多くは、正しい計画の進め方について知りたがっているということに触れなければならないでしょう。
誰でも簡単にネット情報や口コミに触れることができる今日、ユーザーはすでに沢山の失敗例があることを知っています。
そして最終的には「家は3度建てみないと、満足のいく住宅にならない…」などの古きい言い伝えに行き着きます。住まいづくりは、それぐらい難しい作業とも言えるのです。
しかも住宅は失敗したからといって、簡単にやり直しが効きません。
建売や手軽な中古の場合はまだ良いかもしれませんが、(それでも1,000万円前後の建築資金は軽く消えていきます)、日本では依然として新築の注文住宅を選択する方が大多数です。
首都圏では戸建てよりマンションを求める方が多いようですが、管理組合の運営がうまく機能していなければ、戸建住宅を選択する方は、最終的にまだ多数に及ぶのではないでしょうか。
セミナーにおすすめのプラットフォームはやはりYouTube
そのようななか、比較的規模の小さな工務店やハウスビルダーなどでスタートしたのが住まいづくりの特別講座。筆者の記憶では、新規リストの獲得のため、開催場所に住設メーカーのショールームや駅ビルのフリースペースをよく借りたことを思い出します。
オンラインセミナーにして助かることは、開催場所を問わず開けることですが、場所についてはセミナーを動かすプラットフォームが必要です。
そこでオススメなのがYouTubeです。
YouTubeでオンラインセミナーを開くには、とりあえずスマホがあれば大丈夫です。
• まず自社のウェブサイトやニュースレターでオンラインセミナーの告知をします。
• 申込み受付けした後、受講希望者に「YouTube視聴用のURL」をメールにて送信します。
• 予定時間になったら、メールで送信したURLをインターネットブラウザで開いていただくとオンライセミナーを視聴できます。また質問などは、コメント機能にて受け付けできます(あらかじめGoogleアカウントの取得が必要)。
なお回数を増やしオンラインセミナーが定着してくると、YouTubeでの配信方式を選べたり、一般アクセスを増やすことで広告収入を得ることもできます。
ただしオンラインセミナーは、あくまで自社の講座に登録してくれた方の視聴用のURLという自覚を忘れてはいけません。
そのため広告収入などは、二の次、三の次ということになるでしょう。
また幾らオンラインセミナーといえど、ある程度予定動員数を確保しなければなりません。
これについては、また別に記事に改めてまとめてみます。
新規に集まったリストに対し、即営業を掛けるのは大概が間違い!
手軽に開催できることが住まいのオンラインセミナーのメリットですが、運営は意外に難しく、定着するまで結構な時間が掛かります。
また場合によっては、トライ・アンド・エラーを繰り返すだけの「誠実な反省心」が欠かせません。
ここでオンラインセミナーを進めるにあたり、注意点をまとめてみます。
1)リストに対し、即営業を掛けるのは間違い
集まった視聴者は、セミナーの内容に共感してくれる方ばかりではありません。
しばらく時間をかけてジワジワと共感してくれる方や、中には期待外れという方もいらっしゃるはずです。
ここを忘れてはいけません。
2)アンケートを実施して必ず反省点の発見に努める
動画は、パーソナリティに反感を持たれるケースが意外に多いもの。
そのためアンケートを必ず実施して、次の配信に生かせる工夫をしましょう。
3)オンラインセミナーの目的はニュースレターと基本的に同じと考える(中立な意見、考え方に徹する)
オンラインセミナーの目的は正しい住宅の知識の伝達にあります。
そのため、できるだけ中立な立場で、価値ある動画チャンネルとなることを目標にしてみましょう。
その方が、より優良な顧客層を集客できます。
4)基本的に広告収入は考えない
広告収入などは二の次、三の次です。
オンラインセミナーの最終目的は「自社で住宅を検討してくれるお客様の獲得」という意識を忘れてはいけません。
なおオンライセミナーは顧客のメールアドレスを簡単に取得できるため、メルマガ(ニュースレター)の配信やイベント告知にも有効利用できるなど、副次的なメリットもあります。
いずれにしても、途中で配信を止められないように、価値ある動画配信に努めましょう。