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専門コラム 第28話 今、求められる営業

                                   

今、求められる営業

 

私たち営業の世界で「御用聞き営業」という言葉は、ラクな営業とされたもの。

でも最近はブログなどで「御用聞き営業を」見直す動きも見られています。

 

今回は、これらの言葉と私たちが関わる住宅営業に、どのような違いがあるかを見ていきましょう。

 

「御用聞き営業」「提案型営業」とは一体何?

住宅営業と「御用聞き営業」はほとんど関係ない

あらためて御用聞き営業とは、いわゆる「ルートセールス」ことです。

 

また御用聞き営業から「営業」と言う文句を取り払うと「御用聞き」ですが、これも立派な職業です。

漫画『サザエさん』に登場する三河屋のサブちゃんは、昭和を代表する町内の「御用聞き」です。

 

最近ブログなどで「御用聞き」が見直されているようですが、特に高齢化がもっと進んでくと、市場から「御用聞き」という新たな仕事が求められるかも知れません(ただし営業ではなく、あくまで流通業のジャンルでの話です)。

 

話を戻すと、本コラムで御用聞き営業やルートセールスを否定するつもりは毛頭ありません。

ただ御用聞き営業やルートセールスは、いずれ代替される職種ではないでしょうか。

いずれにしても、法人向け営業(BtoB)だから成立する仕事です。

 

個人向けの営業(BtoC)に、御用聞き営業やルートセールスはありません。

三河屋のサブちゃんや常備薬を配置して集金する仕事は、営業というより流通業に近いもの。

 

個人商店が生き残る道として、現代版「御用聞き」の復活が待たれるとしても、私たちが行う住宅営業にはあまり関係のない話です。

 

提案型営業も簡単には売れなくなっている

御用聞き営業はどちらかと言うと、簡単な営業というイメージがあります。

そして今でもそのイメージは根強く残っていますが、御用聞き営業より高度な仕事という意味で、次に登場したのが提案型営業です。

 

提案型営業とは、顧客のニーズに合わせであらゆる提案ができるよう、マチ幅の部厚い営業バッグにたくさんの資料やパンフレットをバインダー等を詰め込み、訪問前の準備に余念がないのがこの営業スタイルの特徴です。

(近年、ノートPC等モバイルツールの普及で、荷物は随分と軽量で済むようになりましたが…)

 

住宅営業もプランや資金計画書を提案します。

よって形式的には、提案型営業と見られることが多くなります。

 

些か乱暴な説明ですが、なぜ提案型営業がなぜ御用聞き営業より「高度な仕事」というイメージがあるか。

それは営業職を、コンサルタントやプロデューサーとして見てもらえるからです。

 

事実2000年初頭の頃、私たちは恥ずかしくも、やれ「住宅コンサルタント」とか「住宅プロデューサー」と言われたものです。

 

確かに何も分からない新人でも役職名がそうなっていると、不思議と幾らかでも気分は良いものです。

ただ暫くコンサルタントやプロデューサーを演じた住宅営業も、流石にそれだけでは売れなくなってきました。

 

いま住宅営業に求められることとは

それでは、いまどんな営業が求められているのでしょう?

 

それは、やたらと口先だけ調子が良い御用聞き営業や、チャートがたくさん書かれた資料を提案するコンサルタントでもありません。

ユーザーが望んでいる営業は、どのようなマイホームを作ろうとしているか、的確なアドバイスができる営業です。

 

その際に必要なのは、

1)顧客の言葉に耳を傾け、複数の引き出しからアイデアを取り出せる経験

2)建築や資金計画について、資料を見ないでも素早く解説できる専門知識

です。

 

プラン提案までの打ち合わせは、簡単な筆記具程度(バインダー等)は必要ですが、基本は「手ぶら」で十分でしょう。

 

残念なことに、ほとんどの顧客は具体的なニーズを把握してはいません。

なのに有りもしないニーズに合わせようとするから、折衝スタート時から僅かな誤解が生じ、最悪は打ち合わせが破綻します。

 

顧客が本当に求めているのは、常に半歩先を行く提案力です。

ニーズに合わせようとする提案ではありません。

 

実は注文住宅の営業に求められている力とは、むかしからそんなに変わりません。

折衝で空回りを起こしている方は、いま一度自分の営業スタイルを見直してみましょう。